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写真で見る ホンダ「N-BOX」(2020年マイナーチェンジ)

ACC(アダプティブクルーズコントロール)などが約120km/h対応に

マイナーチェンジで王道進化を遂げた新型N-BOX

 本田技研工業が展開する軽自動車「Nシリーズ」。2011年デビューの「N-BOX」を皮切りにラインアップを拡充、ユーザーニーズに合わせたモデル展開により高い評価を獲得している。2017年からは第2世代への刷新がスタートしており、ここでも先陣を切ったのがN-BOXだった。そして2020年。「N-ONE」のモデルチェンジにより第2世代Nシリーズが出揃ったことを受け、デビューから3年を経たN-BOXにマイナーチェンジが実施されることになった。

 基本的なコンセプトはズバリ「王道進化」。既ユーザーからの評価が高い「スタイルや外観」「安全性」「内装デザインの良さ」を、ノーマルモデルとなるN-BOX、内外装で差別化を図った「N-BOX Custom(カスタム)」ともに強化することで、「“これでいい”から“これがいい!”で選ばれるクルマ」を目指した。

 新型の注目ポイントは、まず先進安全装備「Honda SENSING」だ。ノーマル、カスタムともに全車標準装備となるこの機能におけるアップデートの1つ目は、高速道路の制限速度引き上げへの対応だ。「衝突軽減ブレーキ(CMBS)」や「歩行者事故低減ステアリング」といった機能はそのままに、「アダプティブクルーズコントロール(ACC)」「車線維持支援システム(LKAS)」「路外逸脱抑制機能」などを約120km/h対応としたほか、警報機能や検知機能を追加するなどの見直しが行なわれている。また、リアのセンサーをこれまでの2つから4つへと倍増することにより、「後方誤発進抑制機能」も強化された。

 デザイン面ではノーマルモデルとカスタムモデルの違いを明確化。前者においては「シンプル・機能性」を、後者においては「高級感・存在感」が感じられるデザインを目指した。また、両モデルとも新たに「コーディネートスタイル」を設定。2トーンのボディカラーに加え、ホイールや内装にも統一感を持たせることでさらなる高級感を演出している。詳細に関しては後述する。

 パワートレーンに関してはマイナーチェンジ前から変更なく、直列3気筒DOHC 0.66リッターの「S07B」エンジンを搭載。自然吸気ユニットとターボユニットの2タイプが用意され、ともにCVTと組み合わされる。スペックも従来同様で、自然吸気ユニットが最高出力43kW(58PS)/7300rpm、最大トルク65Nm(6.6kgfm)/4800rpm、ターボユニットが最高出力47kW(64PS)/6000rpm、最大トルク104Nm(10.6kgfm)/2600rpm。ただし、ターボユニットでは燃料の蒸発を抑えるなど環境性能を向上させているほか、CVTではアクセル開度にリニアに反応する「Gデザイン制御」やブレーキ時にシフトダウンを行なう「ステップダウンシフト制御」の採用、それ以外にもドライブシャフトなどの改良による低振動・低騒音化など、商品力向上を目指したブラッシュアップが行なわれている。

N-BOX

 外観ではヘッドライトとグリルのデザインを変更したほか、ロアグリルにメッキパーツを追加。内装では従来のベージュ基調のカラーからダークブラウンとベージュのコンビネーションに変更するなど、全体的により落ち着いた印象に仕上げた。新たに追加となったコーディネートスタイルでは2トーンカラーのルーフ色をブラウンに統一。外装ではディッシュホイールやメッキドアハンドルの採用、内装においてもシートを含めてブラウン色調とするなど、仕立てのよさを感じさせる仕上がりとなっている。

 グレードは「G」「L」「L・ターボ」「EX」「EX・ターボ」「L コーディネートスタイル」「L・ターボ コーディネートスタイル」の7タイプ。GおよびL系グレードはフロントがベンチシート、EX系は運転席と助手席を独立させたうえ、助手席に57cmのスライドレールを採用した「スーパースライドシート」仕様になる。全グレードにFF(2WD)のほか4WDも設定される。ボディカラーはモノトーンが「ブリティッシュグリーン・パール」など全7色、コーディネートスタイルが「プラチナホワイト・パール&ブラウン」など全3色。価格は142万8900円~202万2900円。

撮影車両はL コーディネートスタイル。ボディカラーはプレミアムアイボリー・パールII&ブラウン
ヘッドライトの大型化とともにグリル形状を変更。アンダーグリルにもメッキのアクセントラインが加えられた
コーディネートスタイルではドアミラーがルーフと同色になる
リアコンビランプ
ボディ中央にセンサーが追加された
ヘッドライト点灯状態
リアコンビランプ点灯状態
パワートレーンはマイナーチェンジ前と同様
ノーマルモデルのタイヤサイズは全車共通で155/65R14。コーディネートスタイルはブラウン塗装のスチールホイールとシルバーのハーフホイールキャップが組み合わされる
コーディネートスタイルの内装色はダークタンとブラウンの組み合わせ
ステアリング下部にもダークタンの加飾が加わる。ターボエンジン車は本革巻ステアリングが標準
ワイパーレバー
ウインカーレバー
シフトまわり。CVT制御の変更により最下段が「L」レンジから「S」レンジに。Lレンジよりエンジンブレーキの効きを穏やかにするとともにブレーキ時にはLレンジ相当の効きが得られるようになっている
メーターパネル
ステアリングコラム左側に「E-CON」ボタンとメーター照度変更ボタンが並ぶ
ステアリングコラム右側にはパーキングセンサーやVSCのボタンを配置
インパネ下部に収納ボックスを用意
L系グレードのフロントシートはベンチタイプ。中央にアームレストが備わる
コーディネートスタイルのシート表皮はダークタンとブラウンのコンビネーション
クロームメッキのインナードアハンドルとダークタンのドアオーナメントパネルもコーディネートスタイルならではの装備
アームレスト部にドアミラーとパワーウィンドウのスイッチを用意
リアシートは5:5分割でスライド&リクライニングが可能
大きな荷物を積むのに便利なチップアップにも対応
L系グレードは運転席&助手席にシートバックテーブルを装備
リアシートにアームレストを装備しているのはN-BOXならでは
リアシートのアレンジ

N-BOX Custom

 ノーマルモデルとの差別化を明確にするとともに、高級感・存在感アップを目指した。外観ではアッパーグリルの立体化を強めて押し出し感を高めるとともに、ライセンスプレートを左オフセットからセンター配置に変更。また、リアにもメッキパーツが追加された。内装ではブラック基調のカラーはそのままに、深みのあるマルチブラック塗装の加飾で深みを感じさせる仕上がりに。コーディネートスタイルではダークメッキの加飾や同色調のアルミホイールを、内装では同社の軽自動車では初となるフル合皮シートを採用している。

 グレードは「L」「L・ターボ」「EX」「EX・ターボ」「L コーディネートスタイル」「L・ターボ コーディネートスタイル」の6タイプ。ノーマルモデルと同じくL系グレードはベンチシート仕様、EX系グレードはスーパースライドシート仕様になる。こちらも全グレードでFF(2WD)のほか4WDが設定される。ボディカラーはモノトーンが「ミッドナイトブルービームメタリック」など全6色、コーディネートスタイルは同社の軽自動車では初採用となる「プレミアムクリスタルレッド・メタリック&ブラック」など全3色。価格は176万9900円~223万3000円。

撮影車両はL・ターボ コーディネートスタイル。ボディカラーはミッドナイトブルービームメタリック&シルバー
グリル形状の変更により押し出し感をアップ。コーディネートスタイルのヘッドライトはダーククロームメッキタイプとなる
コーディネートスタイルではドアミラーとルーフが同色になる
テールゲートスポイラーはカスタム専用のアイテム
リアコンビランプはクリアレンズ&フルLEDでノーマルモデルと差別化
バンパー下部にメッキパーツを追加することでリアビューでも存在感をアップ
ターボエンジン車のタイヤサイズは165/55R15。コーディネートスタイルはブラック塗装と切削を組み合わせた専用アルミホイールを装着
カスタムのインパネは黒を基調としたもの。コーディネートスタイルでは助手席前のインパネガーニッシュなどにはマルチボルドー偏光塗装を施したパーツを装着する
ターボエンジン車は本革巻ステアリングが標準。コーディネートスタイルではステッチがバーガンディカラーになるとともに下部加飾がマルチボルドー偏光塗装になる
メーターパネル
ターボエンジン車はセレクトノブが本革巻に。ステアリングと同様にステッチがバーガンディカラーになる
スタートスイッチなど。ターボ車は両側ともパワースライドドアが標準
ペダルまわり。パーキングブレーキは足踏み式
ターボエンジン車のシート表皮はプライムスムースとトリコットのコンビネーション。運転席&助手席シートヒーターも標準
コーディネートスタイルのシート表皮はブラックとボルドーのコンビネーション
運転席ドアトリム。コーディネートスタイルではドアオーナメントパネルもマルチボルドー偏光塗装になる
アームレスト部にはパワーウィンドウとドアミラーのスイッチ
リアシート
ラゲッジスペース

スロープ車

 車いすに座ったまま乗り込むことが可能なスロープ車も設定。低床フロアと640mmのスロープ幅、さらに電動ウインチも装備するためスムーズな乗り降りを実現している。スロープ未使用時は後席足下に収納可能なため、ノーマルモデル同様に4人乗車が可能となっている。

 グレードはノーマルモデルが「G・スロープ」「L・スロープ」「L・ターボ・スロープ」「L・スロープ コーディネートスタイル」の4グレード。カスタムが「L・スロープ」「L・ターボ コーディネートスタイル」の2タイプ。全グレードにFF(2WD)と4WDが設定される。ボディカラーはノーマルモデルのモノトーンが専用色の「タフホワイトIII」を加えた全8色とコーディネートスタイルが同様の全3色。カスタムは標準モデルと同様の設定となる。価格はノーマルモデルが162万2900円~206万9000円、カスタムは198万9000円~223万円。

耐荷重200kgのスロープを装備
リアシートをダイブダウンすることで後部をフラットなスペースに。ベルトには電動ウインチが装備されているため車内への移動もラクに行なえる
車いす利用時はスロープを立てて収納

純正アクセサリー装着車

 マイナーチェンジモデルの登場と同時に、ホンダアクセスから純正アクセサリーも発売される。新型向けの純正アクセサリーは「The best choice of BOX」をコンセプトに、使い勝手を向上させる機能アイテムをはじめ、個性的なドレスアップには欠かせない内外装アイテムをラインアップする。

 また、コロナ渦の昨今に向けたアイテムとして抗ウイルス用品「くるますく」を用意。標準のエアフィルターの上に重ねて装着し、エアコンを内気循環することで車内空間に浮遊するウイルス飛沫をキャッチ。特殊表面構造によりウイルスにダメージを与えることで減少させるという。

純正アクセサリー装着車。ベース車両はカスタムのL・ターボ コーディネートスタイル。ボディカラーはプラチナホワイト・パール&ブラック
外装アクセサリー
フロントグリル。クロームメッキタイプとブラックメッキタイプの2タイプを用意
マッドガードは4点セット。ノーマルモデル用もある
ドアエッジモールは4ドア用がセット。カラーはホワイト、シルバー、ブラックの3タイプ
ドアハンドルを引かなくてもボタン操作だけでパワースライドドアが開閉できるワンタッチスライドドアは、マイナーチェンジ前からの人気アイテムだ
本革製のステアリングカバー
本革製のシフトノブ。ステアリングカバーとあわせて装着したい
LEDホワイトイルミネーション付きのサイドステップガーニッシュ
ルームミラーカバーはレッドとシルバーを用意
エアクリーンフィルター用 抗ウイルス用品「くるますく」。本体はメッシュ状でエアクリーンフィルターに重ねて装着する
製品構造
ウイルスをキャッチし減少させる