写真で見る
写真で見る ホンダ「N-BOX」(2020年マイナーチェンジ)
ACC(アダプティブクルーズコントロール)などが約120km/h対応に
2020年12月24日 11:30
本田技研工業が展開する軽自動車「Nシリーズ」。2011年デビューの「N-BOX」を皮切りにラインアップを拡充、ユーザーニーズに合わせたモデル展開により高い評価を獲得している。2017年からは第2世代への刷新がスタートしており、ここでも先陣を切ったのがN-BOXだった。そして2020年。「N-ONE」のモデルチェンジにより第2世代Nシリーズが出揃ったことを受け、デビューから3年を経たN-BOXにマイナーチェンジが実施されることになった。
基本的なコンセプトはズバリ「王道進化」。既ユーザーからの評価が高い「スタイルや外観」「安全性」「内装デザインの良さ」を、ノーマルモデルとなるN-BOX、内外装で差別化を図った「N-BOX Custom(カスタム)」ともに強化することで、「“これでいい”から“これがいい!”で選ばれるクルマ」を目指した。
新型の注目ポイントは、まず先進安全装備「Honda SENSING」だ。ノーマル、カスタムともに全車標準装備となるこの機能におけるアップデートの1つ目は、高速道路の制限速度引き上げへの対応だ。「衝突軽減ブレーキ(CMBS)」や「歩行者事故低減ステアリング」といった機能はそのままに、「アダプティブクルーズコントロール(ACC)」「車線維持支援システム(LKAS)」「路外逸脱抑制機能」などを約120km/h対応としたほか、警報機能や検知機能を追加するなどの見直しが行なわれている。また、リアのセンサーをこれまでの2つから4つへと倍増することにより、「後方誤発進抑制機能」も強化された。
デザイン面ではノーマルモデルとカスタムモデルの違いを明確化。前者においては「シンプル・機能性」を、後者においては「高級感・存在感」が感じられるデザインを目指した。また、両モデルとも新たに「コーディネートスタイル」を設定。2トーンのボディカラーに加え、ホイールや内装にも統一感を持たせることでさらなる高級感を演出している。詳細に関しては後述する。
パワートレーンに関してはマイナーチェンジ前から変更なく、直列3気筒DOHC 0.66リッターの「S07B」エンジンを搭載。自然吸気ユニットとターボユニットの2タイプが用意され、ともにCVTと組み合わされる。スペックも従来同様で、自然吸気ユニットが最高出力43kW(58PS)/7300rpm、最大トルク65Nm(6.6kgfm)/4800rpm、ターボユニットが最高出力47kW(64PS)/6000rpm、最大トルク104Nm(10.6kgfm)/2600rpm。ただし、ターボユニットでは燃料の蒸発を抑えるなど環境性能を向上させているほか、CVTではアクセル開度にリニアに反応する「Gデザイン制御」やブレーキ時にシフトダウンを行なう「ステップダウンシフト制御」の採用、それ以外にもドライブシャフトなどの改良による低振動・低騒音化など、商品力向上を目指したブラッシュアップが行なわれている。
N-BOX
外観ではヘッドライトとグリルのデザインを変更したほか、ロアグリルにメッキパーツを追加。内装では従来のベージュ基調のカラーからダークブラウンとベージュのコンビネーションに変更するなど、全体的により落ち着いた印象に仕上げた。新たに追加となったコーディネートスタイルでは2トーンカラーのルーフ色をブラウンに統一。外装ではディッシュホイールやメッキドアハンドルの採用、内装においてもシートを含めてブラウン色調とするなど、仕立てのよさを感じさせる仕上がりとなっている。
グレードは「G」「L」「L・ターボ」「EX」「EX・ターボ」「L コーディネートスタイル」「L・ターボ コーディネートスタイル」の7タイプ。GおよびL系グレードはフロントがベンチシート、EX系は運転席と助手席を独立させたうえ、助手席に57cmのスライドレールを採用した「スーパースライドシート」仕様になる。全グレードにFF(2WD)のほか4WDも設定される。ボディカラーはモノトーンが「ブリティッシュグリーン・パール」など全7色、コーディネートスタイルが「プラチナホワイト・パール&ブラウン」など全3色。価格は142万8900円~202万2900円。
N-BOX Custom
ノーマルモデルとの差別化を明確にするとともに、高級感・存在感アップを目指した。外観ではアッパーグリルの立体化を強めて押し出し感を高めるとともに、ライセンスプレートを左オフセットからセンター配置に変更。また、リアにもメッキパーツが追加された。内装ではブラック基調のカラーはそのままに、深みのあるマルチブラック塗装の加飾で深みを感じさせる仕上がりに。コーディネートスタイルではダークメッキの加飾や同色調のアルミホイールを、内装では同社の軽自動車では初となるフル合皮シートを採用している。
グレードは「L」「L・ターボ」「EX」「EX・ターボ」「L コーディネートスタイル」「L・ターボ コーディネートスタイル」の6タイプ。ノーマルモデルと同じくL系グレードはベンチシート仕様、EX系グレードはスーパースライドシート仕様になる。こちらも全グレードでFF(2WD)のほか4WDが設定される。ボディカラーはモノトーンが「ミッドナイトブルービームメタリック」など全6色、コーディネートスタイルは同社の軽自動車では初採用となる「プレミアムクリスタルレッド・メタリック&ブラック」など全3色。価格は176万9900円~223万3000円。
スロープ車
車いすに座ったまま乗り込むことが可能なスロープ車も設定。低床フロアと640mmのスロープ幅、さらに電動ウインチも装備するためスムーズな乗り降りを実現している。スロープ未使用時は後席足下に収納可能なため、ノーマルモデル同様に4人乗車が可能となっている。
グレードはノーマルモデルが「G・スロープ」「L・スロープ」「L・ターボ・スロープ」「L・スロープ コーディネートスタイル」の4グレード。カスタムが「L・スロープ」「L・ターボ コーディネートスタイル」の2タイプ。全グレードにFF(2WD)と4WDが設定される。ボディカラーはノーマルモデルのモノトーンが専用色の「タフホワイトIII」を加えた全8色とコーディネートスタイルが同様の全3色。カスタムは標準モデルと同様の設定となる。価格はノーマルモデルが162万2900円~206万9000円、カスタムは198万9000円~223万円。