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写真で見る ホンダ「N-BOX」(2017年フルモデルチェンジ)

新型「N-BOX カスタム」(左)と新型「N-BOX」(右)

 本田技研工業「N-BOX」はトールボディを持つ軽自動車。「日本にベストな新しい乗り物」をコンセプトに開発された「N」シリーズの先鞭をつけたモデルだ。

 このNシリーズは2011年に初代N-BOXが発売されたあと、「N-BOX+」「N-ONE」「N-WGN」「N-BOX SLASH」とラインアップを拡大しつつ、2016年11月には累計販売台数が150万台をオーバー。この間、N-BOX系列3車種の合計で4度の年度軽四輪車通称名別新車販売台数1位を獲得するなど、市場を席捲する大ヒットシリーズとなった。

 こうした流れのなか、第2世代となるN-BOXシリーズの先陣を切ってリリースされたのが、新型N-BOXだ。新型ではエンジンを含むプラットフォームを全面的に刷新したうえで、これまで以上に「人に寄り添い、日本の毎日を、乗る人の生き方を、楽しく豊かに変える」ことを目指した。キーワードは「N for Life」。これをもとに「ユーティリティ」「快適」「安心」「スタイル」「ドライブ」といった全領域に渡り、機能や装備の充実が図られることになった。

 ボディは従来モデルと同じく、全長3395mm、全幅1475mmとこれまでどおり軽自動車枠いっぱいのサイズを維持。しかし、超高張力鋼板の適用範囲を拡大することなどにより、衝突安全性能や遮音性の向上、さらに装備を充実させながら約80kgもの軽量化を実現している。また、車内スペースに関してもエンジンルームのコンパクト化やテールゲートの薄型化などにより、荷室床面長、および前後席間をともに25mm拡大し、居住性と積載性をアップ。テールゲート開口部を75mm引き下げることにより、ラゲッジスペースへのアクセスも向上している。

 こうした基本骨格のリファインに加え、ユーティリティ面ではN-BOXの広い空間を有効活用するために、「スーパースライドシート」「ベンチシート」「スロープ(2018年春発売予定))」の3タイプの仕様を用意。グレードによる別装備とはなるものの、ユーザーのスタイルに応じて選択可能となっている。

 中でも新設定されたスーパースライドシート仕様は、助手席に570mmのロングスライド機構を採用。単なる居住性の向上にとどまらず、助手席と後席間でのコミュニケーションをスムーズにするほか、前後席間のウォークスルーも可能とするなど、新しいスタイルを生み出している。一方、リアシートは5:5左右独立調節可能なタイプを全車に標準装備。190mmの前後スライドのほか、3段階リクライニング、チップアップ&ダイブダウン機構を備えるなど、乗車人数や積載量に合わせた多彩なアレンジを可能としている。また、車内には随所に収納スペースやポケット類が設けられており、なにかと小物が多くなりがちなファミリーユースでも便利に使える設定となっている。

 エンジンは直列3気筒DOHC 0.66リッターの「S07B」で、自然吸気とターボの2タイプを用意。この新ユニットは、初代N-BOXが搭載する「S07A」が64.0×68.2mmのボア×ストロークを持つことに対し、S07Bでは60.0×77.6mmと燃費面で有利となるロングストローク化を進めているのが大きな特長。

 その上で、自然吸気エンジンの吸気側には低回転域と高回転域でバルブの開閉タイミングとリフト量を切り替える「VTEC」をホンダの軽自動車として初採用。ロングストローク化に伴う出力面の不利をカバーしている。スペックは最高出力43kW(58PS)/7300rpm、最大トルク65Nm(6.6kgm)/4800rpmで、4000rpm以降のパワー&トルクアップを実現。JC08モード燃費は26.4km/L~27.0km/L(FF車)となり、優れた燃費性能とともに気持ちのいい加速性能を実現している。

 一方のターボエンジンには、軽自動車としては初となる電動ウェイストゲートの採用がトピック。電動化することによりターボチャージャーの過給圧を任意で調整可能となり、低燃費化とレスポンスの向上を同時に果たしている。こちらのスペックは最高出力47kW(64PS)/6000rpm、最大トルク104Nm(10.6kgm)/2600rpm。JC08モード燃費は25.0km/L~25.6km/L(FF車)となる。トランスミッションは全車CVTで、駆動方式は2WD(FF)と4WDが用意される。

 安全面ではホンダの軽自動車として初めて先進安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」を標準装備。「衝突軽減ブレーキ(CMBC)」「後方誤発進抑制機能」「アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)」「車線維持支援システム(LKAS)」など10項目におよぶ機能を網羅。安心と安全を実現している。

 ボディバリエーションは従来モデルと同じく、標準のN-BOXに加え、専用バンパーなどを装備してドレスアップするとともに遮音性を向上させて質感を高めた「N-BOX カスタム」の2タイプを用意。

 グレードはN-BOXが「G・Honda SENSING」「G・L Honda SENSING」「G・EX Honda SENSING」「G・L ターボ Honda SENSING」「G・EX ターボ Honda SENSING」の5モデル。N-BOX カスタムは「G・L Honda SENSING」「G・EX Honda SENSING」「G・L ターボ Honda SENSING」「G・EX ターボ Honda SENSING」の4モデル。両車ともG・EX系グレードがスーパースライドシート仕様、G、およびG・L系グレードがベンチシート仕様となる。

 ボディカラーは、N-BOXが新色「モーニングミストブルー・メタリック」や2トーンカラーなど全14色で、価格は138万5640円~188万280円。N-BOX カスタムが新色「グラマラスブロンズ・パール」や2トーンカラーなど全12色が用意されており、価格は169万8840円~208万80円。

N-BOX

N-BOXの撮影車両はG・L ターボ Honda SENSING。ボディカラーはプレミアムイエロー・パールII&ホワイトの2トーンカラー
初代N-BOXから継承した丸形イメージのヘッドライトなど、ファニーなイメージのフロントマスク
Honda SENSING用の単眼カメラをフロントウィンドウ上部に装着
ナンバープレート奥側の黒いパネル部分にミリ波レーダーが収まる
電動格納式リモコンドアミラーにはターンランプを内蔵。助手席側にはサイドビューサポートミラーと組み合わせて左前輪部を確認するためのミラーが付く
フロントピラーを82mmから55mmに細くすることで前方視界をワイド化。下部にはサイドビューサポートミラーを装備
サイドビューサポートミラーは従来とは逆に、上段が左前輪前方、下段が助手席ドア下側を映す構造になった
アンテナはショートロッドタイプを運転席側にオフセットして配置
使用燃料は自然吸気、ターボともに無鉛レギュラーガソリン仕様。燃料タンク容量は2WD車が27L、4WD車が25L
N-BOXではプロジェクタータイプのフルLEDヘッドライトを標準装備する
リアコンビランプもLEDタイプ。上部のテールランプと下部のストップランプはそれぞれライン状に発光する
ターボモデルの環境仕様。自然吸気の2WD車は「平成32年度燃費基準+10%達成車」となる
ターボエンジン。最高出力47kW(64PS)/6000rpm、最大トルク104Nm(10.6kgm)/2600rpmを発生
自然吸気エンジン。最高出力43kW(58PS)/7300rpm、最大トルク65Nm(6.6kgm)/4800rpmを発生
撮影車両のタイヤはダンロップ エナセーブEC300。サイズは155/65 R14
タイヤの指定空気圧を示すステッカー
N-BOXのインテリアカラーはベージュ×ブラウンの組み合わせで、明るく落ち着いたイメージ
ターボモデルのステアリングは本革巻きでパドルシフトも装備
シフトセレクターはインパネ中央に配置。ゲートはストレートタイプ
メーターパネルはステアリングに遮られない「アウトホイールメーター」で、インパネ最上部に配置
ステアリング前方はフタ付の小物入れスペースになっている
ベンチシート仕様はインパネ中央下部にも小物入れを用意
ステアリングコラム下も収納スペースとして無駄なく活用されている
運転席側の座面がワイドになっているベンチシート。中央にはアームレストを装備
運転席&助手席シートバック上部には、リアシートで使える小物入れやフックを装備
運転席側にはスマートフォンがピッタリ収まるスペースも用意
運転席ドアトリム。アームレスト前方にも小物入れスペースがある
大きなサンバイザーは運転席&助手席ともにバニティミラーを装備
前後に190mmスライドするリアシート
前後シートを利用したフラット化が可能
乗り降りがしやすい低くフラットなフロア
ラゲッジスペースのフロア下にはツール類が収納されている

N-BOX カスタム

N-BOX カスタムの撮影車両はG・EX ターボ Honda SENSING。ボディカラーは新色のグラマラスブロンズ・パール
N-BOX カスタムのフロントマスクはワイド感を強調したシャープな造形
ドアミラーはN-BOXと同形状
フューエルリッドは助手席側
リアエンドには大型テールゲートスポイラーを装備
ヘッドライトの点灯パターン。ウインカーは軽自動車初となるシーケンシャルタイプ(写真は全点灯時)
タイヤはブリヂストン エコピアEP150。サイズはN-BOX カスタムのターボモデルだけで採用する165/55 R15
インテリアカラーはブラックを基調としたもので、アクセントカラーとしてバーガンディやブロンズを採用する
ステアリングはN-BOXと同じく本革巻きとなるが、こちらにはシルバーステッチを使って差別化
ステアリングコラム右側にスタートスイッチや電動スライドドアの開閉スイッチなどが並ぶ。ターボモデルは左右両側にパワースライドドアを標準装備
シフトセレクターのゲートまわりにシルバー加飾が追加される
パーキングブレーキは足踏み式
メーターパネルはブロンズ加飾を追加したN-BOX カスタム専用デザイン
メーター部は2眼タイプで中央に燃料計とシフトポジションを表示
メーターパネル左側に4.2インチのカラー液晶パネルを採用するマルチインフォメーションディスプレイを配置。ホンダ センシングや燃費などに関連するさまざまな情報を表示可能
標準仕様はオーディオレスで、スピーカーやステアリングのコントロールスイッチ、リアワイドカメラなどをセットにした「ナビ装着用スペシャルパッケージ」は全車標準装備。ナビ&オーディオはオプションで、写真のカーナビはディーラーオプションとなるN-BOX専用8インチプレミアムインターナビ「VXU-185NBi」
N-BOX カスタムのエアコンは全車プラズマクラスター技術搭載のフルオートタイプ
助手席の前には小物を置くのに便利なインパネトレイを用意。ブロンズ色の加飾パネルは光の当たり加減でルージュブロンズやグリーンブロンズに色合いが変化する
インパネトレイの横にはスマートフォンなどの充電に便利なUSBソケットを用意
インパネトレイ下部にはグローブボックスと引き出し式のドリンクホルダーを備える
ドリンクホルダーは独自の耐荷重構造で500ml以上の紙パック飲料にも対応する
スーパースライドシート仕様の場合、インパネ中央下部の小物入れは非設定。エアコンユニットを収めるためこういった形状になっている
ルーフトリムもブラック。サンバイザー裏にバニティミラーがあるのはN-BOX同様
N-BOX カスタム ターボモデルのシートは、レザー調のプライムスムースとトリコットを組み合わせたコンビタイプの表皮を採用。シルバーのダブルステッチも採用され、上質感の高い仕上がりとなっている
運転席と助手席それぞれにアームレストを装備
運転席を成人男性の一般的なドライビングポジションにセットし、助手席側は最後部までスライドさせた状態。リアシートの様子がよく分かる状態になる
運転席下はセンタータンクレイアウトの燃料タンクの盛り上がりがあるが、助手席側はタンクの薄型構造によりフラット化。これによって570mmのロングスライドを実現している
助手席の背面に後席側からスライドやリクライニングの調整が可能なレバーを用意
スーパースライドシートを実現するため、助手席シートベルトはシート内蔵タイプになっている
運転席ドアトリム。形状や機能面はN-BOXと同様
パワーウィンドウスイッチ部をピアノブラックにして、ブロンズ色のガーニッシュも使って質感を向上
リアシートも中央に左右独立したアームレストを装備
左右独立でスライド、リクライニングが可能
大きな荷物の積載に便利なチップアップ
N-BOXと同じくフラット化も可能
スライドドアにロールサンシェイドを内蔵
リアハッチの下側を確認するミラーも付く
N-BOX カスタムのナビ装着用スペシャルパッケージは8スピーカー仕様となり、リアにもツイーターを装備する
リアシートのサイドにカップホルダーを装備
ラゲッジスペースのアレンジ

純正アクセサリー装着車

N-BOX 純正アクセサリー装着車「ファンレーシースタイル」

 純正アクセサリーを販売するホンダアクセスからは、「すべてのファミリーにベストマッチ! Next Surprising BOX」をコンセプトにしたアイテムがリリースされる。

 用意されるのは女性をターゲットにした「北欧スタイルコレクション」、アクティブなユーザーをターゲットにした「ファンレーシースタイル」、N-BOX カスタムの個性をより際立たせる「クールプレミアムスタイル」の3パターン。好みに応じたスタイルをチョイスすることで手軽にドレスアップが楽しめる。

ミラノレッドをアクセントにしたフロントグリル、マットブラック塗装の14インチホイール「MS-024」、赤いドアミラーカバーなどを用意
撮影車両はホンダアクセスの定番アイテムとなっているドアバイザーも装着
インテリアパネルだけでなくレッドステッチの本革巻ステアリングやシフトノブなども用意
シートカバーは写真の合皮タイプのほか、洗濯できるファブリックタイプもラインアップ