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ホンダアクセス、エアコンフィルターに装着するだけでウイルス減少効果を発揮する新商品「くるますく」
規定されている1m3の密閉空間において、約15分でウイルスを99.8％以上除去
2020年12月24日 11:30
- 2020年12月25日 発売
- 7040円
ホンダアクセスは、本田技研工業の軽自動車「N-BOX」が12月25日にマイナーチェンジして発売されるのに合わせて、エアクリーンフィルター用抗ウイルス用品「くるますく」を発売する。価格は7040円。1年または1万5000kmでの交換が推奨されている。
くるますくは、車内標準装備のエアクリーンフィルターの上部に重ねて装着するアルミの芯線を編み込んだメッシュフィルターで、表面には微細な突起物が無数についている。この突起物が車内空間に浮遊しているウイルス飛沫をエアコンの内気循環でキャッチし、キャッチしたウイルスにダメージを与え、ウイルスを減少させるという。
このくるますくをエアコンに装着して内気循環モード（エアコン風量弱・中・強）で使用すると、規定されている1m 3 の密閉空間において、約15分でウイルスを99.8％以上除去するということが北里環境科学センターで行なった試験で確認されているという。
また、キャッチしたウイルスが車内に戻ることがないようにその場で減少させる必要があるため、JISやISOなどで規定されている製品とウイルス液を浸し、24時間放置してウイルスの減少率を見る検証を行なったところ、特殊表面形状でウイルスが減少したとしている。
現在は「エンベローブなしバクテリオファージ」「エンベローブありバクテリオファージ」「エンベローブなし季節性ウイルス」「エンベローブあり季節性ウイルス」といったウイルス的特徴を持った4種類のウイルスにおいて効能を確認。なお、医薬品ではないため、具体的なウイルスの名称の公表がなされていないほか、新型コロナウイルスに対する効果についてはまだ検証方法が確立されていないため、未確認としている。
発売に先駆けて行なわれた説明会で、本田技研工業 四輪事業本部 ものづくりセンター くるますく開発責任者 越後隆治氏が開発の背景や具体的な採用技術について紹介した。
まず開発の背景として、コロナ禍においてホンダがモビリティ会社として社会に貢献していくにあたり、新型コロナウイルス感染者の搬送車を既存のクルマを仕立てて制作し、4月以降国内を中心に展開。そこで活躍したメンバーたちがその後も集まり、ホンダの商品により安心を提供したいということで、さまざまなアイデアや企画が始まり、その中の1つに車内のエアコンに抗ウイルス機能をもたらしたいという、今回のくるますくがあったという。
技術面においては、従来であればアルコールなどの薬剤に頼った手段をとるが、薬剤では耐性菌や耐性ウイルスが生じてしまう可能性がある。そのため、今回は2013年のオーストラリアで発表された、トンボの羽に代表される表面の微細な突起によって対象物にダメージを与えるという技術を活用して、ウイルス対策をしていこうと開発が進められた。
具体的には、アルミのメッシュフィルターにはクルマの防錆処理として使われている安全性の高いリン酸亜鉛化成処理を応用した処理が施され、これによりウイルスをキャッチする表面の突起のサイズを微少なものから大きなものまで作り替えることが可能となった。くるますくは表面の突起で対象物にダメージを与えることが原理となっているため、微細な形状であれば小さなウイルスを、大きめな形状であれば大きめのカビなどにダメージを与えることができるとしているが、今回はウイルスに焦点を当てた非常に微細な表面処理を施したものになっている。
通常では「このような新技術は数年かかる」というものの、今回のN-BOXの発売、ウイルスの感染拡大の起こるであろう12月に照準を合わせ、ものづくりセンターおよび用品を販売するホンダアクセスがワンチームとなって、ごく短期間で開発した。
越後氏は、「エアコンの内気循環で効果を発揮いたしますので、これからの冬の寒い時期に窓を開けて換気しにくいかと思います。そんな状況であっても、快適で安心な移動を提供できればと思います。また、技術的に薬剤に頼らないのでリスクが少なく、アドオンタイプのものとなるためN-BOXを皮切りに今後のラインアップの拡充を図っていきたい」とした。
