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ホンダF1最終年、鈴鹿サーキットでF1日本GPに関する記者会見 チケット発売情報は今後発表

2021年4月24日 発表

「2021 FIA F1世界選手権シリーズ第17戦 Honda日本グランプリレース」として10月10日に決勝レースが行なわれる

 本田技研工業は4月24日、鈴鹿サーキット内ブリーフィングルームおよびオンラインにおいてハイブリッド記者会見「F1日本グランプリについての報告会見」を開催した。この会見には本田技研工業 ブランドコミュニケーション本部 本部長 渡辺康治氏、同 モータースポーツ部 部長 長井昌也氏に加え、鈴鹿サーキットを運営するモビリティランド 代表取締役社長 田中薫氏が出席し、10月10日(日)に決勝レースを予定しているF1日本GPにおいて、F1挑戦最終年となるホンダがタイトルスポンサーとなり、「2021 FIA F1世界選手権シリーズ第17戦 Honda日本グランプリレース」として開催されることが発表された。

 また、モビリティランド田中社長からは、鈴鹿サーキットでのF1開催に関して、2022年~2024年も継続して行なわれることが発表された。

ホンダがF1日本GPのタイトルスポンサーに

タイトルスポンサーとなることを発表する本田技研工業株式会社 ブランドコミュニケーション本部 本部長 渡辺康治氏

 ホンダがタイトルスポンサーとなることは、渡辺本部長から発表された。発表に先立ち渡辺氏は新型コロナウイルスが世界的に拡大したことにふれ、その中でもモータースポーツというリアルなイベントを開催できていることに、モータースポーツ関係者および医療従事者にお礼を述べた。

 モータースポーツ活動については、「ホンダは世界でさまざまなレースに参戦をしてまいりました。困難に立ち向かい、それを克服し、勝利を挙げ、積み重ねてきた先人の方々に敬意を表しますとともにレースに対する情熱、チャレンジし続ける姿勢を今に受け継いできたことが、ホンダの企業活動において重要な原動力になっていると確信しております」と紹介。2021年シーズンのF1においては第2戦目でシリーズ初優勝し、7年ぶりのF1日本人ドライバーになる角田裕毅選手も活躍。ホンダがPU(パワーユニット)を供給するレッドブル・ホンダ、アルファタウリ・ホンダとも力強い戦いを見せている。

 渡辺本部長は、「ホンダにとってF1参戦最終年となる今年、モータースポーツファンのみなさま、また関係者のみなさまにこれまでの感謝の意を表すとともに、日本のモータースポーツのより一層の振興のためタイトルスポンサーを務めさせていただきます」と、決断の背景を語った。

本田技研工業 ブランドコミュニケーション本部 モータースポーツ部 部長 長井昌也氏

2024年までのF1開催を契約したモビリティランド

株式会社モビリティランド 代表取締役社長 田中薫氏

 鈴鹿サーキットを運営するモビリティランド代表取締役社長 田中薫氏は、渡辺本部長に続いてあいさつ。「2022年以降のF1日本グランプリの開催につきまして報告をさせていただきます。鈴鹿サーキットはご存じのように、F1グランプリは1987年の開催以来31回の開催を数えています。これまで800万人以上のファンのみなさまに、世界最高峰のレースをお楽しみいただいております。このたび交渉を重ねた結果、2022年から2024年までの3年間の開催契約締結に至りましたので、ここにご報告をさせていただきます。契約にあたりまして、大変多大なる御理解を示していただきましたステファノ・ドメニカリCEOをはじめとするフォーミュラ1のメンバーのみなさまに改めて感謝を申し上げます」と述べ、2022年から2024年まで3年間の開催契約を結んだことを報告した。

 2021年のF1日本GPは、ホンダF1の最終年、2戦目から優勝するというパフォーマンス、日本人F1ドライバー角田裕毅選手の活躍など話題も多い。さらに鈴鹿サーキット自身も新規アトラクションを増設するなど、万全の体制で臨もうとしている。

 しかしながら、心配となるのがコロナ禍の問題だ。これについてモビリティランドの田中社長は、毎年3月ごろにチケット概要を報告しているが、現時点でアナウンスができる状態にないことを報告。チケットの発売時期に関しても、現時点では答えることができないとのことだ。

 F1日本GPの開催は10月ということで、まだ半年残っている。コロナ禍の状況次第だが、座席の間隔を開けての発売となれば、もともとプレミアチケットだったF1チケットが、さらなるプレミアチケットになってくることは間違いないだろう。できればコロナ禍が収まり、十分な量のチケットが発売されることを期待したいが、モビリティランド側のチケット発売情報を楽しみに待ちたい。

 また、2022年~2024年までの開催権獲得については、とても大変だったとのこと。2020年シーズンがコロナ禍のためフライアウェイ(飛行機で行くような場所)の地域におけるF1開催がF1日本GPも含めてキャンセル。かつてF1が開催されたクラシカルなサーキットが急遽F1カレンダーに加わった。その開催が好評だったようで、近年経済成長の著しいアジアの新興国のサーキットなどに加え、それらのサーキットも名乗りを上げているという。その中での開催権獲得は大変な苦労をしたとのことだ。

 質疑応答では、外国人選手や外国人スタッフの入国に関する質問も出たが、いずれも今後のコロナ禍の状況次第であるとのこと。同様の理由で遅れてしまっているが、F1チケットに関するインフォメーションを楽しみに待ちたい。