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F1第4戦スペインGP、メルセデスのハミルトンが優勝 ホンダ勢はフェルスタッペン2位、角田はリタイア

マックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ) (C)Getty Images / Red Bull Content Pool

 F1世界選手権第4戦 スペインGPが5月7日~9日にカタロニア州バルセロナにあるカタロニア・サーキットで開催された。予選ではメルセデスのルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)が100回目の節目となるポールポジションを獲得した。

 5月9日に行なわれた決勝レースでは、予選2番手からスタートしたレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)が1コーナーで見事なオーバーテイクを決めて序盤のレースを支配した。メルセデスのもう1台バルテリ・ボッタス選手(77号車 メルセデス)はフェラーリにスタートで抜かれて、フェルスタッペン選手、ハミルトン選手というトップ2台に徐々に引き離されていく、レースは完全にトップ2台のマッチレースになっていった。

決勝レースのスタートシーン (C)Getty Images / Red Bull Content Pool

 アルファタウリ・ホンダ勢は予選11位からスタートしたピエール・ガスリー選手(10号車 アルファタウリ・ホンダ)も、予選16位からスタートした角田裕毅選手(22号車 アルファタウリ・ホンダ)もともにスタートで順位を下げたが、序盤で抜かれたウイリアムズとハースを抜き返し、前を走るアルファロメオ勢に迫っていった。

 しかし、8周目に角田選手のアルファタウリ・ホンダはコース走行中にいきなりパワーユニットが停止したとみられるトラブルが発生。結局コース脇に止めてこのレースはリタイアとなった。これでセーフティカーが出され、トップ2のリードは消滅することになった。

ピット戦略に優れていたメルセデスのハミルトン選手

 レースの3分の1を経過したあたりで、トップを走るフェルスタッペン選手はハミルトン選手のアンダーカット(先にピットに入ってタイヤを交換して差を縮めることで前にでる作戦)を警戒して先にタイヤ交換。その数周後にハミルトン選手もタイヤ交換して、フェルスタッペン選手、ハミルトン選手の順位でピットアウト。このレースで唯一と考えられるピットストップが終了した。

 その後、トップのフェルスタッペン選手と2位のハミルトン選手が1秒程度の差という緊張感の高いレースが展開されることになる。ハミルトン選手は前に近づくことは可能だが、オーバーテイクするまでには至らないという周回が続き、毎ラップ毎ラップ1コーナーでハミルトン選手が追い抜く気配を見せる。しかし、DRS(1秒以内に近づくとリアウィングのフラップが開いてストレートの速度が伸びる仕組み)を利用してもインに飛び込むまで追いつくことはできない。

 これでレースは終わりるのかと思われた43周目、ハミルトン選手は突然ピットに飛び込み、フェルスタッペン選手とはピット戦略を変えて、2度目のタイヤ交換を行なう。こハミルトン選手は新しいタイヤにすることで、ワンストップを選択したフェルスタッペン選手との差を縮めていく選択をする。

 タイヤ交換を終えた時点で22秒差、残り22周で逆転を目指す。レッドブル陣営は、このままの差だと最終周に追いつくという無線をフェルスタッペン選手に飛ばす。コース上ではハミルトン選手がどんどん飛ばし、差を縮めていく。途中にはフェルスタッペン選手が「最後までタイヤ持たないよ」という無線が国際映像に流れる。

 残り10周の段階で両者の差は約7秒。カタロニア・サーキットはDRSがあっても抜きにくいサーキットだとされているが、それでもタイヤが限界以上に使われてしまえば、抜かれる可能性は十分にある。結局60周目に、ハミルトン選手が1コーナーでフェルスタッペン選手をオーバーテイクして前に出た。

 抜かれたフェルスタッペン選手はすぐにタイヤを交換し、新品のソフトタイヤに交換。2位を維持したままコースに戻り、ファステストラップをマークして1点取り返した。

 結局レースはピットストップ戦略でレッドブル・ホンダを上回ったメルセデスのハミルトン選手が優勝。これで今季4戦して3勝目。2位はレッドブル・ホンダのフェルスタッペン選手、3位はメルセデスのボッタス選手と、4戦中3戦で表彰台の顔ぶれが同じとなった。

 4位はフェラーリのシャルル・ルクレール選手(16号車 フェラーリ)、5位はレッドブル・ホンダのもう1台セルジオ・ペレス選手(11号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)、6位がダニエル・リカルド選手(3号車 マクラーレン・メルセデス)。

 アルファタウリ・ホンダ勢は角田選手はマシントラブルにより序盤でリタイアとなったほか、ガスリー選手はスタートでグリッド位置よりも前に出すぎたということで5秒ペナルティが出されてやや順位を下げたが、最終的には2ストップを戦略を成功させ、終盤にアストンマーティン勢をオーバーテイクした。最終週には9位を走るアルピーヌに約0.2秒差まで迫る10位に追い上げ、貴重なポイントを持ち帰った。

F1第4戦スペインGP 決勝結果(暫定)

順位号車ドライバー車両周回数タイム
144ルイス・ハミルトンメルセデス661時間33分07秒680
233マックス・フェルスタッペンレッドブル・レーシング・ホンダ66+15.841秒
377バルテリ・ボッタスメルセデス66+26.610秒
416シャルル・ルクレールフェラーリ66+54.616秒
511セルジオ・ペレスレッドブル・レーシング・ホンダ66+63.671秒
63ダニエル・リカルドマクラーレン・メルセデス66+73.768秒
755カルロス・サインツフェラーリ66+74.670秒
84ランド・ノリスマクラーレン・メルセデス65+1周
931エステバン・オコンアルピーヌ・ルノー65+1周
1010ピエール・ガスリーアルファタウリ・ホンダ65+1周
1118ランス・ストロールアストンマーティン・メルセデス65+1周
127キミ・ライコネンアルファロメオ・レーシング・フェラーリ65+1周
135セバスチャン・ベッテルアストンマーティン・メルセデス65+1周
1463ジョージ・ラッセルウイリアムズ・メルセデス65+1周
1599アントニオ・ジョビナッツィアルファロメオ・レーシング・フェラーリ65+1周
166ニコラス・ラティフィウイリアムズ・メルセデス65+1周
1714フェルナンド・アロンソアルピーヌ・ルノー65+1周
1847ミック・シューマッハハース・フェラーリ64+2周
199ニキータ・マゼピンハース・フェラーリ64+2周
NC22角田裕毅アルファタウリ・ホンダ6DNF