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3年ぶりエアレース復活、室屋義秀選手「ドキドキとワクワクが交錯する感じ」 日本開催にWCAR競技統括「検討を視野に入れている」

2021年5月13日 開催

新生エアレースに参戦する室屋義秀氏が2021シーズンキックオフ会見開催

 エアレースパイロットの室屋義秀氏は5月13日、2022年開幕予定の新生エアレース「エアレース世界選手権(WCAR:World Championship Air Race)」への正式参戦決定を受けて「2021年シーズンキックオフ会見」を開催。

 会見では、エアレース世界選手権の競技統括であるウィリー・クルークシャンク(Willie Cruickshank)氏もイギリスからオンラインで生出演して、日本で開催する可能性について、その期待感などを話した。

3年ぶり2022年にエアレースが復活

 エアレース世界選手権(World Championship Air Race)は、2019年にシーズンが終了した「レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ」を引継ぎ、新たな運営編成で立ち上がったFAI(国際航空連盟)が公認する究極の三次元モータースポーツとなる。

 新シリーズについて、室屋選手は「機体自体は2019年まで行なわれたレッドブルエアレースと同じような飛行機を使って、パイロン使ってレースをしていくことになると思う。今現在は12名のパイロットが発表されて、来年2022年に開始されるという情報がわれわれのもとにも届いてます」と解説。

 3年ぶりのエアレース復活に、室屋選手は「やっぱりワクワクしますよね。ドキドキとワクワクが交錯する感じなんですけれども、2019年に終わって3年近く経つので、その間に温めてきた思いもあるし、トレーニングは続けてきているので、いつでもレースレディという状態ではあるので、その中でまたどれだけ自分の力が出せるかとっても楽しみです」と話した。

 また、レースを戦う機体について、室屋選手は「これまでと同じ形態の機体になるんですけど、インテークの取り組みとか少しずつ改良が加わって行くと思います。具体的に何をしているかは(同会見を)海外でも見れちゃうんでね、ここではあまり言わないんですけど、やっぱり2019年よりは早くなっていくと思います」と語った。

 新シリーズに向けて、室屋選手は「2019年に総合優勝を逃しているので、2022年は総合優勝を取れるように取り組んでいきたいと思います」との意気込みを話した。

12名のパイロットが参戦決定

 これまでに、参戦パイロットとしてレッドブルエアレース・ワールドチャンピオンシップのマスタークラス参戦パイロットの7選手、レッドブルエアレース・ワールドチャンピオンシップ、チャレンジャークラスから昇格した5選手、12名の参戦が決定している。

・マット・ホール(オーストラリア)
・ダリオ・コスタ(イタリア)
・フロリアン・バーガー(ドイツ)
・メラニー・アストル(フランス)
・マルティン・ソンカ(チェコ)
・パトリック・デビッドソン(南アフリカ)
・ミカエル・ブラジョー(フランス)
・ベン・マーフィー(イギリス)
・ピート・マクロード(カナダ)
・ケビン・コールマン(アメリカ)
・フアン・ベラルデ(スペイン)
・室屋義秀(日本)
※順不同

 参戦パイロットについて、室屋選手は「12名のうち5名は旧チャレンジャークラスからのステップアップになってます。7名が旧マスタークラスからの移行になっていますので、2019年にチャンピオン獲ったマット・ホール、2018年チャンピオンのマルティン・ソンカ、2名は非常に注目と言うか、またライバル関係になるんだろうなということは予想しています」との考えを話した。

 また、チャレンジャークラスから上がってくる選手については、室屋選手「まだ未知数ではあるんですけど、特にドイツ人のフロリアン・バーガー選手などは、チャレンジャークラスでずっと勝ち続けていて、フライトの技量をわれわれも見るんですけれども、非常に飛び抜けて上手な選手なので、非常にコンペチターとしては、近いところにくるんじゃないかなという風に思ってます」との感想を述べた。

新シーズンのスタートは2022年第1四半期

 開催地や日程などのレースカレンダーについては、新シーズンのスタートは2022年第1四半期、1月から3月あたりに予定されており、会場の詳細などは夏に発表予定としている。

エアレース世界選手権の競技統括であるウィリー・クルークシャンク氏

 エアレースを復活させたことについて、競技統括であるクルークシャンク氏は「エアレース世界選手権は世界一のエアロスポーツであり、素晴らしい未来があると考えております。Red Bullが撤退したからといって、それを単純に消滅させることはどうしてもできませんでした。それが大きなきっかけです」と話した。

 日本で開催する可能性について、クルークシャンク氏は「再び日本でレースができることを切望しておりますが、地方自治体、運営団体、地元のスポンサーの合意のもと、そして協力のもとイベントを商業的に実行できるかどうかにかかっていると思っています」とコメントした。

 これを聞いた室屋選手からも「日本はエアレースで一番ファンが多い国だと思うので、ぜひぜひできるように願ってますので頑張って下さい」と述べ、それを受けてクルークシャンク氏も「もちろんです、検討を視野に入れております。商業的に成功できるように、実際にいろいろ進めさせていただければと思っております」と応えた。

 日本のファンに向けて、クルークシャンク氏は「日本には世界でいちばん熱狂的なエアレースファンがいると皆が口を揃えて言います。ワールドチャンピオンエアレースのことを大変喜んでいることが、本当に嬉しいです」とメッセージを贈った。

室屋選手のエアレースチーム参戦体制は夏頃発表へ

 同会見では、室屋選手が代表を務めるパスファインダーとして活動計画も報告され、新たな2021年シーズンに向けて、室屋選手は「2021年はちょっとスロースタートですけれども、秋に向けていろんな活動が展開されていくと思います。同時に、2022年のエアレース参戦に向けての活動も夏以降活発になってくると思います。また、いろいろご報告できる段階になりましたら、皆さんに報告してきたいと思います」と会見を締めくくった。

室屋義秀氏が代表取締役を務める株式会社パスファインダーとしての活動計画なども報告された
2021年スケジュール