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富士24時間、決勝レーススタート 水素カローラは順調に周回中

2021年5月21日~23日 開催

富士24時間、スタート直後のトップ争い。1時間経過した時点では9号車 MP Racing GT-Rがトップに立っていた

 5月22日15時、富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)で「スーパー耐久シリーズ 2021 Powered by Hankook 第3戦 NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース」(以下、富士24時間)の決勝レースが始まった。21日に予定されていた予選は雨のためにキャンセルとなったものの、決勝日の天気は曇り。年間ランキング順のグリッドで各社スタートした。

 グリッドでの注目の的となったのは、ルーキーレーシングの32号車 ORC ROOKIE Corolla H2 concept(井口卓人/佐々木雅弘/モリゾウ/松井孝充/石浦宏明/小林可夢偉組)。水素エンジンを搭載したカローラスポーツとなるが、パワートレーンはGRヤリスのものが転用されており、4WD機構を備えるものとなっている。水素エンジンもGRヤリスのエンジンから燃料噴射装置であるデンソー製のインジェクターを変更した程度で水素燃焼を行なっており、今後の内燃機関のカーボンニュートラル論議に対して一石を投じる車両だ。

 決勝レースは曇り空の下、15時にスタート。1時間を経過した段階でのトップはST-Xクラスの9号車 MP Racing GT-R(JOE SHINDO/柴田優作/影山正美/松田次生/元嶋佑弥/井上恵一組)。水素カローラもスタートドライバーである小林可夢偉選手のドライブで順調に走行しており、1回目の給水素ピットインは10周目に実施。無事、1度目の給水素を行なっていた。

 水素カローラのレースペースは最速タイムで2分6秒494。同じエンジンを用いるST-2クラスのGRヤリスの最速タイムが1分56秒433なので、水素エンジンとガソリンエンジンで約10秒の差が生じている。

32号車も順調に周回を重ねつつ、順調に給水素を行なっている

 水素カローラではさまざまなテストをしていると思われるので、この差を素直に水素エンジンとガソリンエンジンのパワー差と捉えるのは難しいが、最高出力面では現時点でガソリンエンジンに分があると見てよいだろう。

 いずれにしろレースは始まったばかり、2時間過ぎにドライバーはモリゾウ選手に替わり、水素カローラは順調に周回を重ねている。残り20時間以上の長丁場で、どのようなレースが展開されていくのか。スーパー耐久ではYoutubeのS耐TVで24時間生中継をしていくので、その戦いを見ていただきたい。