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ヴァレオ、低速走行向け「ニアフィールドライダー」の初発表など「人とくるまのテクノロジー展2021 ONLINE」出展概要

2021年5月26日 発表

ヴァレオブースのイメージ

 ヴァレオジャパンは、5月26日~7月30日の期間にオンライン開催される自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2021 ONLINE」の出展概要を発表した。

 自動運転の分野では、自動運転に不可欠な高精度な自車位置推定と3次元地図データのリアルタイム更新を行なう「ヴァレオDrive4 Locate」を発表。自動運転車にとって自車位置を正確に推定することは非常に重要であり、誤差が大きいと右左折時のふくらみ、停止線の超過、横断歩道への侵入など、さまざまな問題が起きるリスクがあるという。ヴァレオDrive4U Locateは、標準のGNSSと唯一の自動車グレードのLiDARであるヴァレオSCALAとポイントクラウドマップのみを使用して、市街地でセンチメートルレベル(12cm以内)の精度での自車位置推定を提供する。

ヴァレオDrive4U Locate

 また、死角や至近距離にある物体や障害物の形状や距離を正確に検知し、3次元コクーンを形成する「ニアフィールドライダー」を初発表。低速走行に最適というニアフィールドライダーは、カメラやレーダーによる検知を補完し、3次元ニアフィールド・コクーンを形成する。ヴァレオのレーザースキャナーSCALAはメカ式となるが、ニアフィールドライダーはフラッシュライトを使って垂直78°×水平110°という広い視野角を実現し、近距離は5cm、遠距離は30mまで死角や至近距離にある物体や障害物の完全な形状を検出。コンパクトな形状で、クルマへの取り付け場所を選ばず容易に設置可能という。

ニアフィールドライダー

 一方、新たな自動運転車両に統合できるすぐに使えるテクノロジーとして、センサー、電子制御ユニット、アルゴリズムで構成される「ヴァレオ・モビリティキット」も出展。これはヴァレオの「プラグアンドプレイ」認識システムにより、インストール後すぐに運用することができ、無人でのロジスティクスソリューションなどに使用可能。これにより、自動車の品質と信頼性を備えた実証済みのテクノロジーを活用した新しいビジネスを、手頃なコストで実現できるという。ユーザーは4種類のセンサー(超音波センサー、魚眼カメラ、ヴァレオSCALAレーザースキャナー、ニアフィールドLiDAR)から選択できる。

モビリティキット

 電動化の分野に関しては、群馬大学CRANTSと共同で48V四輪駆動電気自動車の軽トラックのデモカーを制作。ヴァレオの48Vシステムを採用することで、発進時の加速性能と走破性に優れた4WD EVを手に届きやすい価格で実現するとのこと。48V 4WD EVには、ヴァレオの48V電動モーター(eDrive)15kWを前後軸に1台ずつ配置し、DC/DCコンバーターを1台搭載。48Vシステムはクリーンで廉価なEV軽トラックを実現するソリューションであり、今後登場する軽自動車より小さくて手軽な新区分の小型ニューモビリティ車両に搭載することも可能という。

48V四輪駆動電気自動車の軽トラックのデモカー

 また、OEM向けの最新テクノロジーとして「ヴァレオAquaBlade後付けキット」を発表。AquaBladeは、ブレード全長の穴からウォッシャー液をフロントガラスに吹きかけて洗浄するワイパーシステム。AquaBlade後付けキットにより、既存のウォッシャーシステムを活かしながら、AquaBladeに簡単にアップグレードできるのが特徴。ウォッシャータンクやポンプを追加する必要はなく、約30分程度の簡単な作業でAquaBladeを搭載できるとのこと。また、簡単にリフィールを交換可能で、寒冷地向けのウィンター用リフィール、撥水コートガラス向けに設計したリフィールも用意する。

AquaBlade後付けキット

 そのほか、車室内の空気を健康で快適にするエアクオリティ製品としてカーエアコン用消臭抗菌剤「わさびd'air(デェール)」も用意。わさびの抗菌成分によりエアコンの不快臭の発生を抑えるというもので、臭いの元となるバクテリアを100分の1にでき(自社調査)、車室内を快適に保つ。わさびd'airはエアコン用フィルターにクリップ止めするだけで、ほとんどの車両に取り付けることができるとしており、2006年7月の発売以来、順調に販売数を伸ばし、2020年末までに累計出荷数が430万個を越えたとのこと。

わさびd'air