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GM、新型「コルベット(C8)」公開 史上初のミッドシップ&右ハンドル仕様現る

2021年5月29日 開催

富士スピードウェイを走行する新型コルベット

日本が先行販売となる右ハンドル仕様の新型コルベット

 ゼネラルモーターズ・ジャパンは5月29日、富士スピードウェイにてコルベット史上初のミッドシップエンジンを搭載した新型「シボレー コルベット(C8)」の右ハンドル仕様を世界初披露する「オールニュー コルベット プライベート プレビュー(ALL-NEW CORVETTE PRIVATE PREVEIEW)」を開催した。

 このイベントは当初、新型コルベットを予約したユーザーを招待して行なわれる予定だったが、状況を鑑みて無観客&ライブ配信という内容に切り替えて催された。

2LT(クーペ)ボディカラーはゼウスブロンズメタリック
ゼネラルモーターズ・ジャパン株式会社 代表取締役社長 若松格氏

 開催にあたり、ゼネラルモーターズ・ジャパン代表取締役社長の若松格氏は「2020年1月に東京オートサロンにて、日本はもちろんアジアで初公開した新型コルベットがついに届きました。すでにご予約をいただいてから1年以上経っていますが、やっと5月下旬から納車が順次始まりました。日本の初期配車分の300台はすでに完売していて、予想以上の反響で嬉しい限りです」とあいさつ。

 新型コルベットは日本だけでなく、世界でも人気が高く、現在供給が追い付かない状況だという。若松社長は自身も新型コルベットを日本国内シェイクダウンで約2500kmほど試乗したとのことで「新型はドライバー中心にレイアウトされたクルマで、ペダルの位置も最適化されているし、ステアリングは電動テレスコピックと電動チルトが備わり、シートにも電動調整機能があり、誰でも最適なドライビングポジションが取れ、長時間乗ってもまったく疲れない、ストレスレスなクルマです。また、これまでのコルベットはロングノーズでドライバーは腰でトルクを感じるような仕上がりだったが、新型は自分がクルマの中心にいて、そこを軸にクルマが転回していくのを感じられる。まったく別のクルマに仕上がっている」と紹介した。

富士スピードウェイのホームストレートに並べられた新型コルベット

 日本では「クーペ(2LT)/1180万円」「クーペ(3LT)/1400万円」「コンバーチブル/1550万円」の3グレードが販売されるが、会場ではクーペ(2LT)1台がガレージに展示され、クーペ(3LT)3台とコンバーチブル2台が、実際にデモンストレーション走行を行なった。

写真で見る シボレー新型「コルベット(C8)」右ハンドル仕様

https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1328009.html

 若松社長に初期配車300台の内訳を聞いてみたところ、3LTが圧倒的に多いとのことだが、コンバーチブルもこれまでは全体の10%ぐらいだったが、新型コルベットに関しては40%を超えそうな勢いという。また、現状では次にいつ入ってくるか明言はできないものの、予約は可能とのことで、詳細はディーラーで聞いてほしいとのこと。

 富士スピードウェイのコースでは、プロドライバー5名によるデモンストレーション走行が行なわれ、走行後にはモータージャーナリストの清水和夫氏、レーシングドライバーの久保凛太郎選手を交えてトークショーが実施された。また、その模様はライブ配信も行なわれた。

ライブ配信する映像を撮影しながら走行していた

 トークショーで若松社長は「コルベットがミッドシップになるのは運命であったといっても過言ではないです。まさに満を持して登場したということです。また、右ハンドルが初めて設定されたのは、このクルマをグローバルで多くの人に乗ってもらいたい、そんな強い意志があるんです」と解説。

 コンバーチブルをドライブした清水氏は「これまでのコルベットはフロントエンジンで、ミッドシップのライバルと戦うために、ピーキーなタイヤを履かせたり、サスペンションのブッシュを硬くしたりと、速さを追い求めるために失っていたものがあったかと思う。ただ、今回ミッドシップになって全体的な運動性能が上がっているのはもちろん、音や振動も静かで乗り心地がよく、粗々しい部分もなくスッと限界までいけちゃうクルマ」と第1印象を語った。また、コンバーチブルの剛性面については、コルベットは最初の設計段階から“コンバーチブルありき”で作っているから、まったく問題ないと解説した。

 また清水氏は「ゴルフバッグが2つ詰めて、快適な室内で、走りを楽しめるし、日常の普段使いも問題ない。でも、サーキットも本気で走れてしまう新型コルベットの本籍はサーキットではない」と自論を展開した。

トークショーの模様はライブ配信された
モータージャーナリスト 清水和夫氏
レーシングドライバー 久保凛太郎選手
トークショーの他に車両解説もライブ配信された

 久保選手は「走り出して1コーナーを曲がった瞬間に、『あ、全然違うクルマだ』とすぐ分かりました。今までのコルベットは、リアタイヤにいかにトラクションを乗せるのかを頑張って作り込んでいるのを感じていましたが、多少ピーキーな挙動があっても、ある意味これがコルベットの醍醐味だよね的に乗っていました。しかし、ミッドシップになって、リアのトラクションが凄い。エンジンのパワーをすべて縦のトラクションに使えるので、加速もいいし、アクセルを踏むのが楽しくてしょうがない。そんな印象です」とコメント。その模様はライブ配信でも流されていたが、本人も「普段はもっとしゃべるキャラクターなのですが、あまりに楽しくてトークするのをの忘れて運転に集中し過ぎちゃいました」と振り返った。

 また、新型コルベットをどんなシチュエーションで乗りたいかという質問に対して清水氏は「普段街乗りメインで、たまに富士スピードウェイに来てスポーツ走行を楽しんで、その帰りに山でソロキャンプして一泊する。荷物もたくさん積めるからゴルフにも行きたい」と回答。また久保選手は「最近子供が生まれたので、もう少し大きくなったら、トランクにベビーカーを積んで、息子と男2人で旅行とか行きたいですね」と話した。

 最後に若松社長は「多民族国家アメリカで生まれたコルベットは、クルマに人が合わせるのではなく、クルマが人に寄り添うように設計されています。ドライビングポジション1つをとってもそうです。使い方ももちろん多種多様に対応できますので、ご自身にあった使い方をしてほしいです」と締めくくった。

実はヘルメットをこっそり持参していたけれど、乗るタイミングがなかったと残念がっていた若松社長
【GM】新型シボレー コルベット(C8)富士スピードウェイ