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メルセデス・ベンツ、新型「メルセデス・マイバッハ Sクラス」 最新テクノロジーとクラフトマンシップによる高級素材を随所に採用
2021年7月1日 10:45
- 2021年7月1日 先行予約開始
- メルセデス・マイバッハ S 580 4MATIC:2648万円
- メルセデス・マイバッハ S 680 4MATIC:3201万円
メルセデス・ベンツ日本は7月1日、新型「メルセデス・マイバッハ Sクラス」を発表し、先行予約を開始した。価格はメルセデス・マイバッハ S 580 4MATICが2648万円、メルセデス・マイバッハ S 680 4MATICが3201万円。納車は11月以降を予定している。
「メルセデス・マイバッハ」は、メルセデス・ベンツによる最新鋭のテクノロジーを備え、ゆったりとくつろげる室内空間にプレステージ感あふれるデザインとクラフトマンシップにより仕上げられた高級素材を随所に採用した、新しい高級車。
「マイバッハ」の誕生から100年を経て誕生した新型メルセデス・マイバッハ Sクラスは、メルセデス・ベンツのフラグシップであり、持てる最新技術の全てを搭載した新型Sクラスのロングホイールベースモデルから、さらにホイールベースを180mm延長することで後席の居住性が向上。リアドアの電動開閉機能やアクティブロードノイズキャンセレーション機能などショーファードリブンとしての快適性、静粛性を追求した最新技術の数々を採用している。さらに、レザーに施された専用のステッチや使用面積が大幅に増加したインテリアのウッドトリムなどにより、ラグジュアリーを極めたアピアランスが特徴となる。
オプションでツートーンボディカラーも導入予定
外観はクラシックな3ボックスセダンを基調に、フロントのショートオーバーハングとリアのロングオーバーハングというセダンの伝統的様式に沿ったプロポーションを備えている。クロームフィンを中央に配したボンネットやメルセデス・マイバッハ専用のフロントグリルは荘厳とした雰囲気を醸し出し、縦に走る立体的なトリムが際立ったフロントグリルには、中央上部のクローム部分にブランド名の一部である「MAYBACH」の文字を刻印。クロームで仕上げられたフロントバンパーのエアインテークは左右方向のボリュームを強調している。
新型Sクラスよりホイールベースを180mm延長するも、乗降性の向上も図ったリアドアと垂直に近い角度のCピラーでバランスの取れたサイドビューとして、Cピラーにはサイドトリムに溶け込むフレームによって囲まれた固定型のクォーターライトと、特別なステータスを強調するマイバッハブランドのエンブレムを配置。ドアハンドルは格納型とし、空力性能の向上とともに、シンプルでクリーンなデザイン性に寄与している。
威厳をもたらす20インチの鍛造ディッシュタイプアルミホイールを標準装備とし、オプションで21インチの鍛造マルチスポークのアルミホイールを選択可能。また、フロントドアを開いた際に、足下の地面にマイバッハブランドのエンブレムをLEDで投影するブランドロゴプロジェクターライトも採用される。
リアにはツーピース型コンビネーションランプを備え、新型メルセデス・マイバッハ Sクラスでは内部にライトを追加するとともに、一部が動的に点灯する機能が与えられたことにより、夜間走行時には特有の見栄えを演出。リアバンパーとエグゾーストエンドも専用の意匠とし、落ち着きと重厚感のあるリアエンドデザインとした。
今後オプションとして導入を予定しているツートーンボディカラーは、作業をカスタム塗装工場で実施し、ボディが通常の生産ラインに戻るまでに最長で1週間かかるとのこと。ツートーンカラーの塗装工程のはじめは、通常の塗装工程を使ってトップコートとクリアコートを静電塗装したのち、カスタム塗装工場へ送られる。その向上ではボディシェル全体に手作業による研磨を施してクリーニングし、難易度の高いマスキングの工程に移行。マスキングも全て手作業で、位置決めやわずか4mmの分割ラインなど、熟練工による繊細な仕事が繰り返されるという。ドア部分は重りを使い荷重をかけて作業を行ない、後の工程でドアに装着される部品やトリムなどと同じ重量にすることで下がり代を調整することで、完成時には側面とドアの分割線がきっちりと揃うようになるとのこと。
なお、ボディと分割ラインは触っても分からないように仕上げるが、担当者が満足できなかった場合にはボディ全体を再び研磨してトップコートとクリアコートの静電塗装が改めて行なわれる。
車内は後席の快適性を重視
内装は、デジタル・アナログ・ラグジュアリーの融合と調和が図られており、大型有機ELメディアディスプレイと高級素材や精巧なクラフトマンシップが独特で上質な室内空間を創出。12.3インチのコックピットディスプレイの表示モード「マイバッハ」では、メルセデス・マイバッハのステータスをアピールするブランドカラーのローズゴールドがメーターの周囲と指針にあしらわれ、システム始動時にはコックピットディスプレイとメディアディスプレイに専用のアニメーションが表示される。
また、アンビエントライトには新たにメルセデス・マイバッハ Sクラス専用の「ロースゴールドホワイト」「アメジストグロー」の2色を追加している。
シートは新型Sクラスを踏襲した上で、ダイヤモンドパターンとダブルシームを加え、前席バックレストの背面は上質なウッドパネルとアンビエントライトを採用。ファーストクラスパッケージ(4人乗り仕様)を選択した場合、後席を包み込むようにインテリアウッドトリムが配置され、高級感を演出している。アクセルペダルとブレーキペダル、ヘッドレストクッション、フロントシートバックレストのほか、ファーストクラスパッケージ(4人乗り仕様)選択時は左右リアシートバックレストの間のインテリアウッドトリム部にもマイバッハブランドのエンブレムがあしらわれ、ステアリングホイールやイルミネーテッドステップカバーには「MAYBACH」の文字が刻まれる。
新型メルセデス・マイバッハ Sクラスでは後席の快適性を追求し、後席左右のエグゼクティブシートは座面とバックレストを別々に調整でき、バックレストのリクライニング角度は最大43.5度、もっとも起こした角度は19度に設定されている。リクライニングポジションにした場合、着座認識機能が誰も着座していないことを確認すれば、助手席シートが自動的に前方へ移動する機能も備えられている。
助手席のバックレストは改良型となり、従来よりもさらに前方へ26度倒れ、後席からの前方視界を拡大。フットレストを助手席側背面に、レッグレストを左右後席下にそれぞれ設け、両者を使うと体のほぼ全体を支える快適なリクライニングポジションをとることができるようになる。また、レッグレストは調整範囲が従来と比べて約50mm拡大し、新たにふくらはぎのリラクゼーション機能が追加された。
全モデルでオプションとなる4人乗り仕様のファーストクラスパッケージを選択すると、後席が左右独立シートとなり、クーリングボックス、格納式テーブルやシャンパングラスも装備される。さらに、サスペンションやパワートレーンのセッティングを切り替えられるDINAMIC SELECTには、新たに「Comfort」モードよりさらに快適性を重視した「MAYBACH」モードを設定している。
パワートレーンは2種類を設定。乗り心地や小回りを向上させるシステムなども採用
パワートレーンは2種類が用意され、メルセデス・マイバッハ S 580 4MATICにはV型8気筒 4.0リッターツインターボエンジン「M176」に48V電気システムとISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)を組み合わせたユニットを採用。エンジン単体の最高出力は370kW(503PS)、最大トルクは700Nmで、ISGにより最高出力15kW(20PS)、最大トルク200Nmを短時間で発生可能となる。また、燃費性能にも配慮され、低中負荷域で気筒休止する機構も備えている。
メルセデス・マイバッハ S 680 4MATICには最高出力450kW(612PS)、最大トルク900Nmという余裕あるパワースペックを備えるV型12気筒 6.0リッターツインターボエンジン「M279」が搭載される。
いずれのモデルもトランスミッションには9速ATの「9G-TRONIC」を採用。1速~9速の変速比幅が広くなることでエンジン回転数が大幅に低減され、必要以上にエンジン回転数を上げることなく快適な走行性能を実現しつつ、優れたエネルギー効率と快適性を実現している。
また、全車で4輪駆動システムの「4MATIC」を採用。これまででは、大型なボディを有するメルセデス・マイバッハ Sクラスでの4輪駆動システムの採用は、後輪駆動と比較して小回りがききづらくなるというデメリットを伴っていたが、後輪操舵システム「リア・アクスルステアリング」を採用することでそのデメリットを解消。駐車の際などの非常に低速な範囲では最大約10度リアホイールを傾け、駐車時の小回りや、アクティブパーキングアシスト使用時に縦列駐車から斜め前方への発進時などの利便性を高めた。約60km/h以下では、リアホイールをフロントホイールとは逆方向に最大4.5度傾け、日常の走行シーンでの取り回しを向上。約60km/h~120km/hの速度域では、リアホイールをフロントホイールと同じ方向に最大3度操舵することで、走行安定性を大きく高めている。
このリア・アクスルステアリングの採用により、小回り性能を犠牲にしないだけでなく、中高速域での安定性や4輪駆動によるメリットも全て並立させている。
加えて、メルセデス・マイバッハ S 580 4MATICはフルアクティブサスペンション「E-ACTIVE BODY CONTROL」をオプションで選択可能。AIRMATICのシステムをベースに4輪それぞれに48V対応のアクチェーターを追加し、スプリングレートとダンパーの減衰力を個別制御可能とした。
ロードサーフェススキャンはステレオカメラで前方の路面のアンジュレーションをモニターし、あらかじめダンパーの減衰力を演算して準備する機能で、これによりタイヤへの初期入力から適切に減衰させるとともに、ばね上にその振動を極力伝えずフラットな乗り心地を提供。ダイナミックカーブ機能のCURVEでは、コーナリング時のロールによるばね上の傾きを修正し、水平になるように制御する。
そのほかにも衝突安全性に寄与する機能も採用されており、側面衝突の可能性があるとクルマ側が判断すると、運転席/助手席のバックレストのサイドサポートに内蔵されたエアクッションが膨張してドアと乗員の間をサポートするだけでなく、E-ACTIVE BODY CONTROLが瞬時に車高を上げ、頑強な構造部分であるサイドシルでも衝撃力が受け止められるようにする。
充実した装備・機能と安全運転支援システム
そのほかにも、ドライバーの顔や指紋、声などの生体認証によるシートポジションの設定機能を採用。「MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)」「Mercedes me connect」を標準装備するとともに、ARナビゲーションをフロントウィンドウに投影するシステムや、「3Dコックピットディスプレイ」などがオプション設定されている。
安全運転支援システムは、「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック (自動再発進機能付)」「アクティブステアリングアシスト」「アクティブレーンチェンジングアシスト」「アクティブブレーキアシスト」などの機能が強化された。