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メルセデス・ベンツ、新型「メルセデス・マイバッハ GLS 600 4MATIC」 究極のラグジュアリーSUV
2021年7月1日 10:45
- 2021年7月1日 発表
- 2729万円
メルセデス・マイバッハのフラグシップSUV
メルセデス・ベンツ日本は7月1日、「GLS」をベースにメルセデス・マイバッハとしてふさわしい徹底的な改良を施した「メルセデス・マイバッハ GLS 600 4MATIC」を発表した。価格は2729万円。
1921年から美しいスタイルと贅を尽くした室内空間による圧倒的な高級感で人々を魅了してきた伝説の名車「マイバッハ」。“究極の洗練されたラグジュアリー”を追求する威厳と風格を備えたブランドとして現代に生まれ変わったメルセデス・マイバッハは、最新鋭のテクノロジーを備え、ゆったりとした室内空間にプレステージ感あふれるデザインとクラフトマンシップにより仕上げられた素材を随所に採用した新たな高級SUVモデルを誕生させた。
上質さと力強さを両立したエクステリアデザイン
メルセデス・ベンツのラインアップの中でSUVの「Sクラス」と評されるGLSのボディフォルムや先進技術をベースに、最高水準のセダンと同等の高級感と快適性を融合したSUVであるメルセデス・マイバッハGLS。その特別なポジションを表現するべく威厳がありながらスタイリッシュかつ力強いスタイリングを実現。
フロントにはメルセデス・ベンツのSUVで唯一、伝統の「スリーポインテッドスター」が輝くボンネットマスコットを採用。フロントグリルは縦方向のピンストライプをモチーフとし、上端を太くしたボートのオールのような形をしていて、フロントグリルを取り囲むクロームの上部中央には「MAYBACH」の文字が刻まれている。
フロントエプロンにはクローム処理を施したメッシュのエアインテークを設け、V8エンジンの強力なパワーを控え目にアピールすると同時に、エンジンルーム内の冷却機能も備える。ハイグロスクロームのアンダーカバーと相まって、洗練された高級感を演出している。
サイドビューではクローム仕上げのBピラーが際立ち、BピラーからCピラーにかけての後席空間の広さを外観からでも想起できるアクセントとして配置。ルーフレールもハイグロスクローム仕上げとして機能と美しさを両立した。さらにDピラーにはメルセデス・マイバッハのエンブレムをあしらっている。
アルミホイールはメルセデス・ベンツが製造する乗用車の中で最大の23インチで、フロントグリルのピンストライプをモチーフとした鍛造でポリッシュ仕上げのマルチスポークデザインで足下にエレガントな印象を付与した。
リアはスリーポインテッドスター下部とリアバンパー上部を走る2本のクロームトリムで、水平基調のデザインを表現。バンパー下部のアンダーガードと左右のエグゾーストエンドをハイグロスクローム仕上げとすることで、一体化しているようなアピアランスを形成している。
4人乗車に変更して、ゆとりある広さを実現
室内で特徴的なのはSUVならではの高めのヒップポイント。セダンのSクラスと比較すると運転席で250mm以上、後席で280mmそれぞれ高くなっているものの、電動ランニングボードにより乗降は容易に行なえる。また、後席をベースモデルのGLSより120mm後方に、30mm内側に移動させ、さらにゆとりを感じる広さを実現した4人乗りが標準仕様となる。
インテリアはデジタル技術と上質な素材が融合した高級感漂う空間で、ダッシュボードやステアリングは厳選したナッパレザーで覆われ、エアアウトレットのルーバーにはクロームの加飾を施し、フロントグリルのピンストライプを想起させるデザインとなっている。イグニッションをONにするとMAYBACHの文字と専用の配色によるグラフィックが浮かび上がり、コクピットディスプレイの表示モードは「クラシック」「スポーツ」「プログレッシブ」「ジェントル」などから選べる。
マイバッハGLSの内装は、5種類のウッドインテリアトリムと、3種類のインテリアカラー(ブラック、マホガニーブラウン/マキアートベージュ、クリスタルホワイト/シルバーグレー)のナッパレザーの組み合わせが選択でき、クリスタルホワイト/シルバーグレーは高級ヨットの艇内をモチーフにしていて、ホワイトレザーにあしらったパイピングのローズゴールドは、メルセデス・マイバッハ専用のディテールの1つとなっている。
シートの中心線に沿ってあるボックスプリーツ加工も、高度なクラフトマンシップの表現の1つで、本革シート表皮の中央に凹みを入れ左右の部分を折り込んで互いに向き合わせることにより、滑らかで広いシート表面とし、背中の形に合わせてフィットして荷重面積を広げることでゆったりと座れるように設計したという。また、後席から見ることができる、前席バックレスト背面にもインテリアウッドトリムを配し、美しさと高級感を添えている。
乗降を助ける全自動ランニングボードを採用
専用の電動格納式ランニングボードを採用。ランニングボードの全長は206cmで、後席ドア下部がもっとも幅広く21cmを確保。アルミニウム製で表面には滑りにくいようラバーストリップが施され、後端にはメルセデス・マイバッハのエンブレムを配置。格納状態ではサイドスカート内側に隠れているため外部からはほぼ見えず、車体の中心へ向けて45度傾けて格納したことで、十分な地上高も確保したという。
いずれかのドアを開くとアルミダイキャスト製の電動アームによってランニングボードが姿を現し水平状態にセットされるが、ドアハンドルを引いてからランニングボードが所定の位置に付くまでに要する時間は約1秒。周囲が暗い場合はドアのアンビエントライトに加えてサイドスカートに内蔵されたLEDの帯がランニングボードを照らして乗降をサポートしてくれる。
ドアを開くとAIRMATICサスペンションが車高を25mm下げてくれるので、ランニングボードと路面との距離はさらに近くなり乗降性が向上。センターディスプレイの専用メニューから、常時格納や手動操作以外での展開不可などの設定も可能となっている。通常はドアを閉じると自動的に格納されるが、手動モードの場合は車速が44km/h以上に達すると自動的に格納してくれる。また、ランニングボードは専用センサーを備えていて、何らかの障害物と接触すると自動的に停止する機構も備えている。
室内は広々とした快適なおもてなし空間
室内はGLSの3列シートを2列にしたことで、後席をGLSよりも120mm後方へ配置して余裕あるレッグスペースを確保。後席バックレストの通常の角度は27度だが、それでも1020mmのヘッドクリアランスを実現している。さらに、メルセデス・マイバッハSクラスと同様に最大で43.5度までのリクライニングを可能とし、ゆったりとくつろいだり仮眠を取るにも最適な空間とした。また、後席の後方にはパーセルシェルフが付いた固定式のパーティションを設置、居住スペースとラゲッジスペースを分離したことで、ボディ剛性/騒音レベルや空調効果の向上を図ることができたという。
後席の間には専用シャンパングラスの収納部と750ccのシャンパンボトル3本が入る大型のクーリングボックスを装備。また、センターコンソールに配置されたカップホルダーにも温度調整機能を完備する。ナッパレザーのアームレスト前方には、快適機能のすべてを操作できる7インチ画面のMBUXリアタブレットを装備するだけでなく、MBUXリアエンターテインメントシステムのモニターも後席左右に配置され、リアシートではさまざまななコンテンツを楽しむことができる。
すべてのシートにリラクゼーション機能を標準装備し、それぞれのバックレストには身体に圧力を加えるポイントが10か所あり、シートヒーターとの組み合わせで温めながら押圧を行なうことも可能としている。
また、ノイズ軽減タイヤやフロントおよびサイドウィンドウに遮音ガラスを採用したことで静粛性が極めて高く、理想的なオーディオルームも実現。標準装備となる「Burmesterハイエンド3Dサラウンドサウンドシステム」は、高性能スピーカー27個と24チャンネルアンプ、合計出力1590Wのシステムにより、室内の条件に合わせて適正に調整された優れたクオリティのサウンドを再現。さらに前後席間の会話をサポートする双方向車内通信システムも備えている。
E-ACTIVEボディコントロールを搭載
サスペンションはE-ACTIVE BODY CONTROLを採用。AIRMATICのシステムをベースに4輪それぞれに48V対応のアクチェーターを追加し、スプリングレートとダンパーの減衰力を個別制御することを可能とした。
ロードサーフェススキャンはステレオカメラで前方の路面のアンジュレーションをモニターし、あらかじめダンパーの減衰力を演算して準備する機能で、これによりタイヤへの初期入力から適切に減衰させるとともに、ばね上にその振動を極力伝えずフラットな乗り心地を実現。
ダイナミックカーブ機能の「CURVE」を選択すると、コーナリング時のロールによるばね上の傾きを修正して水平になるように制御。オフロードモードの脱出機能は、砂丘などでスタックした際に抜け出せるよう支援するもので、サスペンションが4輪を個別に上下させる動作を繰り返し、タイヤが地面に加える荷重を増減させることによりトラクションを生み出してくれる。
パワートレーンはV型8気筒4.0リッターエンジン+ISG
パワートレーンには3982ccのV型8気筒ツインターボエンジン「M177」に、48V電気システムとISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)を組み合わせたユニットを採用。システム最高出力は410kW(558HP)、最大トルクは730Nmを誇る。また、ISGのブーストモードにより瞬間的に16kW(22PS)と250Nmを利用可能としている。
低中負荷域で気筒休止を行なうことも大きな特徴の1つで、ダイナミックセレクトで「コンフォート」を選択した場合、エンジン回転数が800~3250rpmの領域で4つのシリンダーを休止。アクセルを強く踏み込めばすぐに復帰する。4気筒と8気筒の切り替えは極めてスムーズに行なわれ、快適性が損なわれることもないという。また、振り子型ダンパーを備えたことで4気筒で発生する2次振動も低減させた。
トランスミッションは9G-TRONICを採用し、変速比幅が広いことからエンジン回転数を必要以上に上げることなく常に快適な走行性能を実現。4輪駆動システムの4MATICは走行状況に応じて前後の駆動力配分を0:100~100:0まで可変させて常に最適な駆動力を確保してくれる。
AIを搭載する対話型インフォテインメントシステムMBUX
AI(人工知能)による学習機能により、個別対応能力を備えた対話型インフォテインメントシステム「MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)」を搭載し、クルマと搭乗者のコミュニケーションを実現。
高精細ワイドスクリーンコックピット(タッチスクリーン操作対応)や、自然対話式音声認識機能を備えたボイスコントロールなども装備し、ボイスコントロールは「ハイ、メルセデス」をキーワードとして起動。標準装備の自然対話式音声認識機能は多くのインフォテインメント機能(目的地入力、電話通話、音楽選択、メッセージ入力・読み上げ、気象情報)に加え、クライメートコントロールや照明など多様な機能にも対応。
従来の音声認識機能は指示語が決まっていて、ユーザーがその通りに発話する必要があったが、MBUXは「温度24度」という明確な指示でなくても「暑い」といった通常会話のような言い回しでも理解し、インフォテインメントおよび車両機能の操作が行なえるという。また、クラウド上のシステムの向上により認識できる言葉、認識性能も向上。言語支援機能の基本的動作原理は、音声入力データからバックグラウンドノイズを除去し、圧縮して転送。ボイスコントロールは車載コンピュータとクラウドの両方を使うハイブリッドシステムとなっていて、インターネットに接続できない環境下でも応答できるようになっている。
MBUXは高度な個別対応能力を備えさまざまな設定を行なうが、定期的に決まった電話番号へ電話をするユーザーに対しては、その時刻になるとディスプレイに相手の電話番号を「おすすめ」として表示したり、毎日聞くお気に入りのラジオ番組があれば、その時刻になると自動的に切り替えを提案するなど、ユーザーに合わせて適応してくれる機能を備えている。