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SUPER GT第4戦もてぎ、1号車NSX-GTが見事にポールトゥウィン
GT300はFCYを味方につけた2号車ロータスが優勝
2021年7月18日 16:12
- 2021年7月18日 開催
SUPER GT第4戦もてぎが7月17日~18日の2日間にわたってツインリンクもてぎ(栃木県芳賀郡茂木町)で開催された。決勝レースは18日13時より行なわれた。GT500で優勝したのは1号車 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組、BS)で、2位の19号車 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋、YH)の猛烈な追い上げを振り切って優勝した。3位は36号車 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/坪井翔組、BS)。
GT300はレース終盤までルーティンのピットインを引っ張っていた2号車 muta Racing Lotus MC(加藤寛規/阪口良平組、BS)がFCYのタイミングを活かして優勝した。2位は11号車 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信組、DL)、3位は52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組、BS)。
GT500は1号車NSX-GTが見事にポールトゥウィン
レースは路面温度50℃を超えるというタイヤに厳しい環境の中で行なわれた。何台かのクルマがスターティンググリッドに出て行けないなどのトラブルでちょっとした混乱はあったが、2周のフォーメーションラップ後にスタートが切られた。
ポールポジションの1号車 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組、BS)が順当にスタート。予選2位だった19号車 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋、YH)は順調にスタートを切ったものの、1号車からはやや引き離されていった。しかし、タイヤが温まってくるとペースを取り戻し、7周目にGT300に詰まった1号車をオーバーテイクしてトップに立った。
序盤は2台のマッチレースになり、そこに36号車 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/坪井翔組、BS)と37号車 KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/阪口晴南組、BS)の2台のトムスが続くという展開になった。
レースは23周目前後からピット作業が始まり、まずはホンダ勢がピット作業を行なった。3位を走っている16号車 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹組、DL)を除いていずれも早めにピットに入る。いち早くピットに入った1号車 STANLEY NSX-GTは、交換したタイヤで速いタイムをマークし、タイヤ交換をしていないトップの19号車 WedsSport ADVAN GR Supraを猛烈に追い上げる。
ホンダ勢はいわゆるアンダーカットと呼ばれる相手よりも早くピットインすることで差を詰める作戦を成功させ、19号車がピットの出口に出てきたところで1号車がその横を駆け抜け19号車の前に出た。
31周目にトップを走っていた16号車 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTがルーティーンのピット作業を行なうと、トップに立っていたのは山本尚貴選手がドライブしている1号車 STANLEY NSX-GT。それを猛烈に追い上げているのは宮田莉朋選手がドライブする19号車 WedsSport ADVAN GR Supra。
宮田選手は猛烈な勢いで追い上げ、みるみる差が詰まってくる。残り21周の段階で完全に2台はテールトゥノーズになり、そこからは激しいレースが行なわれた。
42周目に64号車 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹組、DL)がGT300車両とクラッシュし、最終コーナー外側に車両を止めたことでFCY(フルコースイエロー、コース全体が80km/hに制限される)が出て競争は一時中断。44周目に解除となり、再び2台のマッチレースが行なわれた。
一時は19号車が1秒以内まで追い上げたものの、抜きにくいコースとして知られるツインリンクもてぎだけに、1号車の山本選手が要所要所を押さえ追い越し可能となる隙を見せない。
結局山本選手はそのまま19号車を振り切って優勝した。1号車 STANLEY NSX-GTは2020年のチャンピオンを決めた最終戦以来の優勝。今回は本田技研工業 代表取締役 社長 三部敏宏氏をはじめとした多数の役員が来席している中での優勝を実現した。
2位は何度も熱い追い上げを見せた19号車 WedsSport ADVAN GR Supraでトヨタ勢の最上位。3位は36号車 au TOM'S GR Supra、4位は16号車 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT、5位はやはりアンダーカットを成功させて追い上げた8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組、BS)、6位は3号車 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正組、MI)で日産勢の最上位。
SUPER GT 第4戦もてぎ GT500決勝結果(暫定)
順位 | カーナンバー | 車両名 | ドライバー | タイヤ | サクセスウェイト | 周回数 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | STANLEY NSX-GT | 山本尚貴/牧野任祐 | BS | 22 | 63 |
2 | 19 | WedsSport ADVAN GR Supra | 国本雄資/宮田莉朋 | YH | 10 | 63 |
3 | 36 | au TOM'S GR Supra | 関口雄飛/坪井翔 | BS | 30 | 63 |
4 | 16 | Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT | 笹原右京/大湯都史樹 | DL | - | 63 |
5 | 8 | ARTA NSX-GT | 野尻智紀/福住仁嶺 | BS | 14 | 63 |
6 | 3 | CRAFTSPORTS MOTUL GT-R | 平手晃平/千代勝正 | MI | 16 | 63 |
7 | 37 | KeePer TOM'S GR Supra | 平川亮/阪口晴南 | BS | 46 | 63 |
8 | 38 | ZENT CERUMO GR Supra | 立川祐路/石浦宏明 | BS | 10 | 63 |
9 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | 松田次生/ロニー・クインタレッリ | MI | - | 63 |
10 | 39 | DENSO KOBELCO SARD GR Supra | ヘイキ・コバライネン/中山雄一 | BS | 26 | 63 |
11 | 12 | カルソニック IMPUL GT-R | 平峰一貴/松下信治 | BS | 6 | 63 |
12 | 24 | リアライズコーポレーション ADVAN GT-R | 高星明誠/佐々木大樹 | YH | - | 63 |
13 | 14 | ENEOS X PRIME GR Supra | 大嶋和也/山下健太 | BS | 70 | 62 |
14 | 17 | Astemo NSX-GT | 塚越広大/ベルトラン・バゲット | BS | 52 | 49 |
15 | 64 | Modulo NSX-GT | 伊沢拓也/大津弘樹 | DL | 2 | 43 |
GT300は、FCYのタイミングをうまく活用してピットに入ったダークホース2号車 muta Racing Lotus MCが優勝
GT300はグリッド順位どおりのスタートとなった。11号車 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信組、DL)はフォーメーションラップへの参加がやや遅れて心配されたが、無事にスタート切っていった。
レースが大きく動いたのはレース中盤。ポイントリーダーの56号車 リアライズ日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組、YH)が、88号車 JLOC ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥組、YH)と接触し、両車がダメージを受けともにピットイン。トップ争いから脱落することになった(その後両車ともに修復してコースには復帰している)。
レースの1/3が経過した辺りからピット作業が始まり、この中で大きく順位を上げたのが52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組、BS)。左側の2輪のみ交換という作戦を遂行し、ピット作業の時間を削減することで、大きく順位を上げた。
244号車 たかのこの湯 GR Supra GT(三宅淳詞/堤優威組、YH)にピットアウト後抜かれるが、その後再度抜き返した。この時点でタイヤ交換を終えた組で最も上位にいたのがポールポジションからスタートした11号車 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信組、DL)。最後までピットインを引っ張っていた2号車 muta Racing Lotus MC(加藤寛規/阪口良平組、BS)がピットに入ればトップに戻る、そんな算段になっていた。
ところが、42周目にGT500車両がクラッシュして最終コーナーの外側に止まったことでFCYが導入されたが、その直前にピットレーンに入っていたのが2号車 muta Racing Lotus MC。これにより、FCYで他車が80km/hに速度制限している間にピット作業を終え、トップのまま戻ることに成功した。
FCYが解除後2号車は、11号車 GAINER TANAX GT-R、52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GTと1秒差の中に3台という緊迫したトップ争いを展開。結局11号車も52号車も2号車をオーバーテイクすることができず、そのままチェッカーを受けた。
優勝は2号車 muta Racing Lotus MC、2位は11号車 GAINER TANAX GT-R、3位は52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT、4位は244号車 たかのこの湯 GR Supra GT、5位は4号車 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組、YH)、6位は25号車 HOPPY Porsche(松井孝允/佐藤公哉組、YH)となった。
SUPER GT 第4戦もてぎ GT300決勝結果(暫定)
順位 | カーナンバー | 車両名 | ドライバー | タイヤ | サクセスウェイト | 周回数 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | muta Racing Lotus MC | 加藤寛規/阪口良平 | BS | 3 | 58 |
2 | 11 | GAINER TANAX GT-R | 平中克幸/安田裕信 | DL | 27 | 58 |
3 | 52 | 埼玉トヨペットGB GR Supra GT | 吉田広樹/川合孝汰 | BS | 33 | 58 |
4 | 244 | たかのこの湯 GR Supra GT | 三宅淳詞/堤優威 | YH | 18 | 58 |
5 | 4 | グッドスマイル 初音ミク AMG | 谷口信輝/片岡龍也 | YH | 9 | 58 |
6 | 25 | HOPPY Porsche | 松井孝允/佐藤公哉 | YH | 12 | 58 |
7 | 9 | PACIFIC NAC CARGUY Ferrari | ケイ・コッツォリーノ/横溝直輝 | YH | - | 58 |
8 | 30 | TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT | 永井宏明/織戸学 | YH | - | 58 |
9 | 65 | LEON PYRAMID AMG | 蒲生尚弥/菅波冬悟 | BS | 69 | 58 |
10 | 18 | UPGARAGE NSX GT3 | 小林崇志/名取鉄平 | YH | 6 | 58 |
11 | 21 | Hitotsuyama Audi R8 LMS | 川端伸太朗/篠原拓朗 | YH | - | 58 |
12 | 61 | SUBARU BRZ R&D SPORT | 井口卓人/山内英輝 | DL | 48 | 58 |
13 | 60 | SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT | 吉本大樹/河野駿佑 | DL | 69 | 58 |
14 | 96 | K-tunes RC F GT3 | 新田守男/平良響 | DL | 15 | 58 |
15 | 10 | GAINER TANAX with IMPUL GT-R | 星野一樹/石川京侍 | DL | 21 | 58 |
16 | 34 | Yogibo NSX GT3 | 道上龍/密山祥吾 | YH | - | 58 |
17 | 360 | RUNUP RIVAUX GT-R | 青木孝行/内田優大 | YH | - | 58 |
18 | 31 | TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT | 嵯峨 宏紀/中山 友貴 | BS | - | 57 |
19 | 6 | Team LeMans Audi R8 LMS | 本山哲/片山義章 | YH | - | 57 |
20 | 50 | Arnage AMG GT3 | 加納 政樹/柳田 真孝 | YH | - | 57 |
21 | 48 | 植毛ケーズフロンティア GT-R | 田中優暉/飯田太陽 | YH | - | 57 |
22 | 22 | アールキューズ AMG GT3 | 和田久/城内政樹 | YH | - | 57 |
23 | 55 | ARTA NSX GT3 | 高木真一/佐藤蓮 | BS | 33 | 56 |
24 | 88 | JLOC ランボルギーニ GT3 | 小暮卓史/元嶋佑弥 | YH | 21 | 50 |
25 | 7 | Studie PLUS BMW | 荒聖治/山口智英 | YH | - | 46 |
26 | 56 | リアライズ日産自動車大学校 GT-R | 藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ | YH | 72 | 46 |
27 | 5 | マッハ車検 GTNET MC86 マッハ号 | 平木湧也/平木玲次 | YH | - | 43 |
28 | 35 | arto RC F GT3 | ショーン・ウォーキンショー/ジュリアーノ・アレジ | YH | - | 36 |
29 | 87 | グランシード ランボルギーニ GT3 | 松浦孝亮/坂口夏月 | YH | - | 10 |