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SUPER GT開幕戦岡山、豊田章男オーナー来場の初戦でルーキーレーシングGR Supraがチーム初優勝

GT500を優勝した14号車 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太組、BS)。ルーキーレーシングとして初優勝

豊田章男オーナーが訪れるなか、ルーキーレーシングが初優勝

 SUPER GT開幕戦岡山の決勝レースが4月11日、岡山国際サーキットで開催された。決勝レースは、ピットインが集中する混乱の中2位からスタートした14号車 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太組、BS)がピット作業で逆転してトップに立つ展開。2位で激しく追い上げる36号車 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/坪井翔組、BS)を振り切って優勝した。

 開幕戦岡山には、ルーキーレーシングのオーナーである豊田章男氏も来場しており、その前でチームとして初優勝を達成することになった。

 GT300は56号車 リアライズ日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ、YH)が、GT500と同様にピットインの混乱を上手くいかして中盤にトップに立ち、そのまま優勝した。

GT500決勝:14号車 ENEOS X PRIME GR Supraが優勝

 スタートは予選順位どおり始まり、序盤はポールポジションを獲得した37号車 KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/阪口晴南組、BS)がリードした。予選2位からスタートした14号車 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太組、BS)は激しく追い上げる展開に。しかし、8周目にヘアピンでGT300車両が追突され、コースの内側に止まった車両を排除するためにセーフティカーが出る。これでレースは振り出しに戻ることになった。

 レースの再開は13周目。トップ5はブリヂストンタイヤ装着のGR Supraで、このレースがGT500では2戦目となる阪口晴南選手(37号車)を、ベテランの大嶋和也選手(14号車)が激しく攻め立てるという展開に。

 GR Supra5台の後に、23号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)、17号車 Astemo NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組、BS)が続くレース展開になった。ホンダ勢の予選上位はダンロップタイヤを履く2台(16号車 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT、64号車 Modulo NSX-GT)だったが、いずれも決勝レースではペースが上がらず順位を下げていった。

 そうしたGT500のピットストップが始まったのは、レースの3分の1を過ぎた30周目。徐々に各車ピットに入っていく。33周目にGT300の車両がコース脇に止まると、各車ともセーフティカーを警戒してピットイン。ここでトップ5のGR Supraをはじめ上位勢はほぼ同時にピットイン。

 ただでさえ狭いピットの岡山国際サーキットのピットレーンは大混乱となった。トップの37号車 KeePer TOM'S GR Supraは斜めに止まる必要があり、ピットアウト時に後ろに戻す時に手間取り、ピット作業の早かった14号車 ENEOS X PRIME GR Supraに逆転されてしまう。

 さらに同じチームの36号車 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/坪井翔組、BS)、39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一組、BS)の2台に抜かれ、順位を3つ下げることになってしまった。

 レース終盤はトップを走る14号車と2位の36号車が3位以下を引き離してマッチレースに。毎周にわたり36号車の坪井選手が激しく山下健太選手の14号車を攻め立てる。残り8周のヘアピンで、36号車の坪井選手がアウト側から仕掛けるが、止まりきれずそのままグラベルを横切ることに。これで、トップと2番手の差は9秒差になり、14号車の勝利はほぼ確実になった。

 レースはそのままゴールとなり、優勝は14号車 ENEOS X PRIME GR Supra。ルーキーレーシングの豊田章男オーナーがサーキットに訪れる中、見事に優勝してみせた。2位は36号車 au TOM'S GR Supra、3位はピット作業の混乱で順位を下げることになった37号車 KeePer TOM'S GR Supraで、GR Supra勢が表彰台を独占することになった。4位も39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra。

 ホンダ勢の最上位はレース終盤に38号車 ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明組、BS)をオーバーテイクしてGR Supraのトップ5独占を阻止した17号車 Astemo NSX-GT。ケーヒンから日立アステモに変更された最初のレースで5位に入り、ホンダ勢でトップになった。

 日産勢は51周目にエースカーである23号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)が、GT300車両と接触して右フロントを破損。そのままピットに入りガレージに入れられレースから脱落した。日産勢の最上位は9位の3号車 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正組、MI)。

SUPER GT 第1戦岡山 GT500決勝結果(暫定)

順位カーナンバー車両名ドライバータイヤ周回数
114ENEOS X PRIME GR Supra大嶋和也/山下健太BS82
236au TOM'S GR Supra関口雄飛/坪井翔BS82
337KeePer TOM'S GR Supra平川亮/阪口晴南BS82
439DENSO KOBELCO SARD GR Supraヘイキ・コバライネン/中山雄一BS82
517Astemo NSX-GT塚越広大/ベルトラン・バゲットBS82
638ZENT CERUMO GR Supra立川祐路/石浦宏明BS82
78ARTA NSX-GT野尻智紀/福住仁嶺BS82
81STANLEY NSX-GT山本尚貴/武藤英紀BS82
93CRAFTSPORTS MOTUL GT-R平手晃平/千代勝正MI82
1012カルソニック IMPUL GT-R平峰一貴/松下信治BS82
1116Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT笹原右京/大湯都史樹DL82
1219WedsSport ADVAN GR Supra国本雄資/宮田莉朋YH82
1364Modulo NSX-GT伊沢拓也/大津弘樹DL82
1424リアライズコーポレーション ADVAN GT-R高星明誠/佐々木大樹YH82
R23MOTUL AUTECH GT-R松田次生/ロニー・クインタレッリMI49

GT300決勝:ピットインの混乱を活かして、昨年王者の56号車 リアライズ日産自動車大学校 GT-R逆転優勝

GT300を優勝した56号車 リアライズ日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ、YH。2020年のチャンピオンマシン

 GT300のスタートも、ポールポジションを獲得した11号車 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信組、DL)と、2位からスタートした52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組、BS)のマッチレースを展開した。

 GT500の8周目にセーフティカーが出され、GT300もレースは振り出しに戻ることになった。その後もこの2台のマッチレースは続くことになり、3位以下を大きく引き離した。11号車の安田選手は、52号車の川合選手ががっちりと押さえて、トップの座を維持した。

 GT500の33周目に1コーナーの先でクラッシュした車両がコース脇で停止すると各車ともセーフティカーを警戒してピットに入った。GT500もそうだったが、GT300のピットも大混乱に。その結果ピットを早く終えて前に出たのが、予選4番手からスタートした56号車 リアライズ日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ、YH)。2度目のセーフティカーが出るとピット作業を終えた中でトップに立っていた。

 2番手が65号車 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟組、BS)、3番手が52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT。2度目のセーフティカーが出るまでトップに立っていた11号車 GAINER TANAX GT-Rはピットのタイミングを逃すことになり、5位に落ちてしまった。

 結局レースはそのまま56号車 リアライズ日産自動車大学校 GT-Rが、2位に対してわずか0.5秒差で逃げ切って優勝した。2位は65号車 LEON PYRAMID AMG、3位は52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT、4位はポールからスタートした11号車 GAINER TANAX GT-Rで、5位は244号車 たかのこの湯 GR Supra GT(三宅淳詞/堤優威組、YH)、6位は96号車 K-tunes RC F GT3(新田守男/平良響組、DL)となった。

SUPER GT 第1戦岡山 GT300決勝結果(暫定)

順位カーナンバー車両名ドライバータイヤ周回数
156リアライズ日産自動車大学校 GT-R藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラYH76
265LEON PYRAMID AMG蒲生尚弥/菅波冬悟BS76
352埼玉トヨペットGB GR Supra GT吉田広樹/川合孝汰BS76
411GAINER TANAX GT-R平中克幸/安田裕信DL76
5244たかのこの湯 GR Supra GT三宅淳詞/堤優威YH76
696K-tunes RC F GT3新田守男/平良響DL75
725HOPPY Porsche松井孝允/佐藤公哉YH75
860SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT吉本大樹/河野駿佑DL75
988JLOC ランボルギーニ GT3小暮卓史/元嶋佑弥YH75
1010GAINER TANAX with IMPUL GT-R星野一樹/石川京侍DL75
1118UPGARAGE NSX GT3小林崇志/名取鉄平YH75
1248植毛ケーズフロンティア GT-R田中優暉/富田竜一郎YH75
1321Hitotsuyama Audi R8 LMS川端伸太朗/篠原拓朗YH75
144グッドスマイル 初音ミク AMG谷口信輝/片岡龍也YH75
159PACIFIC NAC CARGUY Ferrari木村武史/ケイ・コッツォリーノYH75
1661SUBARU BRZ R&D SPORT井口卓人/山内英輝DL74
1734Yogibo NSX GT3道上龍/密山祥吾YH74
187Studie PLUS BMW荒聖治/山口智英YH74
1950Arnage AMG GT3加納政樹/柳田真孝YH74
2031TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT嵯峨宏紀/中山友貴BS74
2122アールキューズ AMG GT3和田久/城内政樹YH74
2287グランシード ランボルギーニ GT3松浦孝亮/坂口夏月YH73
236Team LeMans Audi R8 LMS本山哲/片山義章YH73
2435arto RC F GT3ショーン・ウォーキンショー/ジュリアーノ・アレジYH73
2555ARTA NSX GT3高木真一/佐藤蓮BS69
265マッハ車検 GTNET MC86 マッハ号平木湧也/平木玲次YH68
R2muta Racing Lotus MC加藤寛規/阪口良平BS47
R360RUNUP RIVAUX GT-R青木孝行/内田優大YH28
R30TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT永井宏明/織戸学YH5