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SUPER GT第2戦富士、GT500はホンダNSX-GTが日立Astemoとして初優勝、GT300はトヨタGR Supra GT(SYNTIUM LMcorsa)が優勝
2021年5月4日 20:52
- 2021年5月4日 開催
日本最高峰のレースシリーズ“SUPER GT”の第2戦となる「2021 AUTOBACS SUPER GT Round2 たかのこのホテル FUJI GT 500km RACE」が、5月3日~5月4日の2日間にわたり、富士スピードウェイにおいて開催された。5月4日には110周の決勝レースが行なわれたが、その会場にはトヨタ自動車の豊田章男社長や日産自動車 アシュワニ・グプタCOOなど、マニファクチャラーのトップも駆けつけるという華やかな雰囲気の中で行なわれた。
GT500クラスは今回初めて導入されたFCY(フルコースイエロー)が導入される直前に17号車 Astemo NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組、BS)がドンピシャでピットに入った結果、大きなアドバンテージを得て、終盤のトップ争いをなんとかしのぎきって優勝した。2位は開幕戦優勝の14号車 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太組、BS)、3位は開幕戦でも3位に入った37号車 KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/阪口晴南組、BS)。
GT300はレースの大半を52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組、BS)が支配したが、最後の最後でスローダウンしピットに入ってリタイアすることになってしまった。その結果2位にいた60号車 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑組、DL)が繰り上がって優勝した。2位はポールからスタートした61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)、3位は55号車 ARTA NSX GT3(高木真一/佐藤蓮組、BS)。
スターティンググリッドにはトヨタ自動車の豊田章男社長と日産自動車のアシュワニ・グプタCOOがそろい踏み
SUPER GTの第2戦となる富士500kmレースは、毎年ゴールデンウィークに行なわれる伝統のレースで、2020年はCOVID-19の感染拡大によりシーズン入りが7月に延期になってしまったため、500kmレースは開催されなかったので、実に2年ぶりのゴールデンウィークの500kmレースとなった。
そうしたこともあってか、今回のレースは実に多彩なゲストが呼ばれていた。元ジャニーズで現在はユーチューバーとしても活躍しているタレントの手越祐也さんもその1人で、レース前に国歌独唱を行なった。最近ではこうした国歌独唱にゲストが呼ばれることも久しくなかったため、感染対策をしながらではあるが徐々に新しいレースの形ができ上がりつつある。
そして、今回もルーキー・レーシングのチームオーナーであるモリゾウ選手ことトヨタ自動車 社長 豊田章男氏は、同チームのピットやグリッドでその姿を確認することができた。さらに、今回もう1人の自動車メーカーのトップもSUPER GTのグリッドに来場していた。それが日産自動車 COO アシュワニ・グプタ氏で、グリッドでチームを激励したり、日産のファンに向かってお辞儀で挨拶をしていた。
日産/ニスモ、2021年のモータースポーツ体制を発表した「モータースポーツファンイベント」レポート
https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1306348.html
また、グプタ氏はポールポジション(19号車WedsSport ADVAN GR Supra)の前で、GTアソシエイション(以下GTA) 代表取締役 坂東正明氏と記念撮影を行なっており、ニッサンのCOOがGR Supraの前で記念撮影という珍しい光景が現出していた。
GT500クラスはSUPER GTの歴史に残る、トップ4台による接近したトップ争いを制して17号車 Astemo NSX-GTが日立Astemoとして初優勝
GT500のスタートではポールポジションからスタートした19号車WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋組、YH)だが、スタートしてすぐに1コーナーまでに後ろのブリヂストン勢に飲み込まれていく。それに替わってトップに立ったのは2番グリッドからスタートした8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組、BS)。さらに、ブリヂストンを履いたGR Supra勢が続く、19号車は1周目を終えると6位まで順位を下げていた。
ところがレースが3周目の1コーナーを迎えると、23号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)の右の排気口あたりから出火し白い煙を吐き出しながら2コーナーの先に停車することになった、2号車からは火が見えており、その後マーシャルにより火は消し止められたが、これでリタイアになってしまった。これにより3周目からセーフティーカー(SC)が導入されることになった。
レースは30周目あたりから1回目のピットストップが始まったが、32周目に4位を走っていた38号車 ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明組、BS)の右リアのハブが壊れてタイヤがストレートで取れてしまう。このタイヤを回収するため、今回から正式に導入されたFCY(フルコースイエロー。コース全体がイエローになり追い越し禁止になり80km/hの速度制限が設定される)がレースの中では初めて出された。
これで大きく得をしたのが、そのFCYが出る直前のタイミングでピットに入っていた17号車 Astemo NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組、BS)。コース上の速度が最も遅くなるFCY中にピットに入ったので、ロスタイム分を得して全車がピットインを終えると、ピットストップ前にトップを走っていた36号車 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/坪井翔組、BS)の前に出てトップに立った。
その後全車が2回目のピットストップを終えると、8号車 ARTA NSXがトップに立っていた、その後ろには36号車 au TOM'S GR Supraが2位、17号車 Astemo NSX-GTが3位という順位に。ところが、コース脇に止まったクルマを排除するために終盤に出されたFCY解除されると、36号車 au TOM'S GR Supraが1コーナーでスローダウンして、その後コカ・コーラコーナーでストップすることに。さらに8号車 ARTA NSXには黄旗中に追い越し違反が取られてドライブスルーペナルティになり、これでトップ2台が消えることになった。
残り10周でトップに立っていたのは17号車 Astemo NSX-GT、そしてその真後ろに14号車 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太組、BS)。この2台で残り10周で激しいトップ争いが展開さることになった。さらに、そこに15位から追い上げてきた1号車 STANLEY NSX-GT、37号車 KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/阪口晴南組、BS)も追い付いてきて、トップ4が数秒以内で争う激しいレースになった。
結局2位以下の猛攻をしのぎきった17号車 Astemo NSX-GTが優勝。スポンサーのケーヒンが他の会社と合併したことによりブランドが「日立Astemo」に変更されてから初優勝となった。2位は前戦優勝に続き表彰台獲得となった14号車 ENEOS X PRIME GR Supraでポイントリーダーの座を堅持した。3位は終盤に1号車をオーバーテイクした37号車 KeePer TOM'S GR Supra、4位は1号車 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/武藤英紀/牧野任祐組、BS)、5位は3号車 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正組、MI)でニッサン勢の最上位、6位は39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一組、BS)となった。
以下、GT500クラス決勝結果(結果は暫定)。
順位 | カーナンバー | 車両名 | ドライバー | タイヤ | サクセスウェイト | 周回数 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 17 | Astemo NSX-GT | 塚越広大/ベルトラン・バゲット | BS | 12 | 110 |
2 | 14 | ENEOS X PRIME GR Supra | 大嶋和也/山下健太 | BS | 40 | 110 |
3 | 37 | KeePer TOM'S GR Supra | 平川亮/阪口晴南 | BS | 24 | 110 |
4 | 1 | STANLEY NSX-GT | 山本尚貴/武藤英紀/牧野任祐 | BS | 6 | 110 |
5 | 3 | CRAFTSPORTS MOTUL GT-R | 平手晃平/千代勝正 | MI | 4 | 110 |
6 | 39 | DENSO KOBELCO SARD GR Supra | ヘイキ・コバライネン/中山雄一 | BS | 16 | 110 |
7 | 19 | WedsSport ADVAN GR Supra | 国本雄資/宮田莉朋 | YH | - | 110 |
8 | 8 | ARTA NSX-GT | 野尻智紀/福住仁嶺 | BS | 8 | 110 |
9 | 12 | カルソニック IMPUL GT-R | 平峰一貴/松下信治 | BS | 2 | 110 |
10 | 64 | Modulo NSX-GT | 伊沢拓也/大津弘樹 | DL | - | 110 |
11 | 16 | Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT | 笹原右京/大湯都史樹 | DL | - | 110 |
12 | 24 | リアライズコーポレーション ADVAN GT-R | 高星明誠/佐々木大樹 | YH | - | 109 |
13 | 36 | au TOM'S GR Supra | 関口雄飛/坪井翔 | BS | 30 | 98 |
- | 38 | ZENT CERUMO GR Supra | 立川祐路/石浦宏明 | BS | 10 | 31 |
- | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | 松田次生/ロニー・クインタレッリ | MI | - | 2 |
GT300クラスは、GR Supra本家の52号車に悲劇が訪れる中、カスタマーチームの60号車 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTが優勝
GT300ではポールポジションからスタートした61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)がそのままトップに立った。しかし、予選3位から2位に上がった60号車 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑組、DL)が激しく追いかける状態に。序盤はこの2台による激しいトップ争いが展開された。
しかし、1回目のピットインを終えると、トップに立っていたのは52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組、BS)。1回目のピットインでフルサービス(燃料補給とドライバー交代だけでなくタイヤ交換も行なうこと)を行なった61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTに対して、52号車は1回目のピットストップではタイヤ交換などを行なわず、順位を上げる作戦に出たのだ。
2回目のピットストップを終えても引き続きトップに立っていたのは52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT。また、トップから10秒離れて2位に上がっていたのが55号車 ARTA NSX GT3(高木真一/佐藤蓮組、BS)で、3位には予選3位からスタートした60号車 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT、4位にポールからスタートした61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTという順位になっていた。終盤に55号車 ARTA NSX GT3を60号車 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTと61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTが抜いていき、それぞれ2位と3位に上がった。
そのまま52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GTが優勝すると思った残り7周、なんとその52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GTが急にスローダウンし、そのままピットに入りレース終了となった。これにより、2位だった60号車 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTが1位、61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTが2位、そして55号車 ARTA NSX GTが3位に繰り上がる。その3台の差は約1秒。ゴールまで激しいトップ争いが展開されたが、そのままの順位でゴールすることになった。
4位は65号車 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟組、BS)、5位は10号車 GAINER TANAX with IMPUL GT-R(星野一樹/石川京侍組、DL)、6位は88号車 JLOC ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥組、YH)となった。
以下は、GT300決勝結果(結果は暫定)。
順位 | カーナンバー | 車両名 | ドライバー | タイヤ | サクセスウェイト | 周回数 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 60 | SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT | 吉本大樹/河野駿佑 | DL | 9 | 103 |
2 | 61 | SUBARU BRZ R&D SPORT | 井口卓人/山内英輝 | DL | - | 103 |
3 | 55 | ARTA NSX GT3 | 高木真一/佐藤蓮 | BS | - | 103 |
4 | 65 | LEON PYRAMID AMG | 蒲生尚弥/菅波冬悟 | BS | 45 | 103 |
5 | 10 | GAINER TANAX with IMPUL GT-R | 星野一樹/石川京侍 | DL | 3 | 102 |
6 | 88 | JLOC ランボルギーニ GT3 | 小暮卓史/元嶋佑弥 | YH | 6 | 102 |
7 | 56 | リアライズ日産自動車大学校 GT-R | 藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ | YH | 60 | 102 |
8 | 4 | グッドスマイル 初音ミク AMG | 谷口信輝/片岡龍也 | YH | - | 102 |
9 | 18 | UPGARAGE NSX GT3 | 小林崇志/名取鉄平 | YH | - | 102 |
10 | 2 | muta Racing Lotus MC | 加藤寛規/阪口良平/小高一斗 | BS | - | 102 |
11 | 244 | たかのこの湯 GR Supra GT | 三宅淳詞/堤優威 | YH | 18 | 102 |
12 | 5 | マッハ車検 GTNET MC86 マッハ号 | 平木湧也/平木玲次 | YH | - | 102 |
13 | 25 | HOPPY Porsche | 松井孝允/佐藤公哉 | YH | 12 | 102 |
14 | 96 | K-tunes RC F GT3 | 新田守男/平良響 | DL | 15 | 102 |
15 | 87 | グランシード ランボルギーニ GT3 | 松浦孝亮/坂口夏月 | YH | - | 101 |
16 | 11 | GAINER TANAX GT-R | 平中克幸/安田裕信 | DL | 27 | 101 |
17 | 21 | Hitotsuyama Audi R8 LMS | 川端伸太朗/篠原拓朗 | YH | - | 101 |
18 | 30 | TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT | 永井宏明/織戸学/上村優太 | YH | - | 101 |
19 | 34 | Yogibo NSX GT3 | 道上龍/密山祥吾 | YH | - | 101 |
20 | 7 | Studie PLUS BMW | 荒聖治/山口智英 | YH | - | 101 |
21 | 50 | Arnage AMG GT3 | 加納政樹/柳田真孝 | YH | - | 101 |
22 | 35 | arto RC F GT3 | ショーン・ウォーキンショー/ジュリアーノ・アレジ | YH | - | 100 |
23 | 6 | Team LeMans Audi R8 LMS | 本山哲/片山義章 | YH | - | 100 |
24 | 360 | RUNUP RIVAUX GT-R | 青木孝行/田中篤/内田優大 | YH | - | 100 |
25 | 9 | PACIFIC NAC CARGUY Ferrari | 木村武史/ケイ・コッツォリーノ | YH | - | 100 |
26 | 48 | 植毛ケーズフロンティア GT-R | 田中優暉/飯田太陽 | YH | - | 100 |
27 | 52 | 埼玉トヨペットGB GR Supra GT | 吉田広樹/川合孝汰 | BS | 33 | 97 |
28 | 31 | TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT | 嵯峨宏紀/中山友貴 | BS | - | 72 |
- | 22 | アールキューズ AMG GT3 | 和田久/城内政樹/山下亮生 | YH | - | 71 |