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SUPER GT第2戦富士、GT500はヨコハマタイヤ装着のGR Supraが、GT300は新型BRZがポールポジションを獲得
2021年5月3日 18:10
- 2021年5月3日~4日 開催
ヨコハマタイヤ装着車が2018年以来のポールポジションを獲得
SUPER GT 第2戦「2021 AUTOBACS SUPER GT Round2 たかのこのホテル FUJI GT 500km RACE」が、5月3日~5月4日の2日間に渡り、静岡県小山町の富士スピードウェイにおいて開催されている。初日となった5月3日の午後には予選が行なわれ、明日の決勝レースに向けたグリッド順位が決定した。
ポールポジションを獲得したのはGT500が19号車 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋組、YH)。ヨコハマ勢として2018年以来となるポールポジションの獲得で、ドライバーの宮田莉朋選手は初めてのポールポジション獲得となった。2位はわずか0.003秒差という僅差で8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組、BS)。以下6位までをトヨタ GR Supra勢が占めており、トップ6のうち5台がGR Supraという圧倒的な結果だ。ニッサン勢の最上位は23号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)の7位。
GT300は61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)がポールポジションを獲得した。前戦岡山では上位入賞を期待されるなか、予選1回目で脱落という意外な結果で終わっただけに、そのリベンジを果たした形だ。2位は55号車 ARTA NSX GT3(高木真一/佐藤蓮組、BS)、3位は60号車 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑組、DL)。
GT500クラスはトップ6のうち5台がGR Supraという圧倒的な予選結果。ポールは19号車 WedsSport ADVAN GR Supra
2020年はCOVID-19の感染拡大という状況の中でゴールデンウィーク中の伝統の富士500kmレースは中止ということになってしまったが、今シーズンは例年の予定通りゴールデンウィークの中に開催されることになった。ただし、国や静岡県などの規定に基づき、観客の総数を制限したり、グランドスタンドのシートは全席指定になり、観客同士のソーシャルディスタンスが確保されるようになどに配慮しながら開催されることになった。なお、本レースはこうした感染対策の観点からも、明日の決勝レース日などで当日券の販売は行なわれないため、事前に販売されたチケットが必要になるので注意したいところだ。前売りチケットの購入をしていない場合には、「J SPORTS」の放送(J SPORTS 4で14時から)やJ SPORTSオンデマンドによるストリーミング配信などで、ぜひ楽しんでいただきたい。
GT500は予選1回目(Q1)、予選2回目(Q2)の順で行なわれたが、注目されたのは2020年のチャンピオン車両である1号車 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/武藤英紀/牧野任祐組、BS)に、昨年の末から病気療養中だった牧野任祐選手が復帰してきたことだ。牧野選手が病欠の間、開幕戦で代役を務めた武藤英紀選手もセカンドドライバーに登録されていたが、予選前に行なわれた公式練習でも走行し、予選前に発表されたドライバー登録ではQ2を走行するドライバーとして牧野選手が登録されていた。ところが、1号車は山本選手が走ったQ1で15位とまさかの最下位に終わってしまい、残念ながら牧野選手が予選で走る事はなくなってしまった。
GT500のQ1でトップタイムをマークしたのは前回優勝したことで40kgのサクセスウェイトを詰んでいる14号車 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太組、BS)。それだけでなくGR Supra勢は6台全車両がQ1を突破し、Q2へ進んだ。残り2台は2位に入った8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組、BS)と、8位に入った23号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)というホンダ、ニッサンが1台ずつという状況で、GR Supra勢強しという印象が強いQ1となった。
Q2でGR Supraどうしのポール争いを征したのは19号車 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋組、YH)で、ヨコハマタイヤとしては久々のポールポジション獲得となった。また、同チームとしては2016年のタイ戦以来のポールポジションとなるので、約5年ぶりのポールポジション。宮田莉朋選手としては初めてのポールポジション獲得となった。
2位は8号車 ARTA NSX-GTで、GR Supraの上位独占という状況に一矢報いてみせた。しかも、19号車と8号車の差は0.003秒差という非常に僅差と、熱い予選の戦いが繰り広げられた。3位は38号車 ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明組、BS)、4位は36号車 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/坪井翔組、BS)、5位は37号車 KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/阪口晴南組、BS)、6位は14号車 ENEOS X PRIME GR Supraとなった。ニッサン勢の最上位は23号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)の7位になった。
以下、GT500予選結果(暫定)
順位 | カーナンバー | 車両名 | ドライバー | タイヤ | サクセスウェイト | Q1タイム | Q2タイム |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 19 | WedsSport ADVAN GR Supra | 国本雄資/宮田莉朋 | YH | - | 1分27秒406 | 1分26秒496 |
2 | 8 | ARTA NSX-GT | 野尻智紀/福住仁嶺 | BS | 8 | 1分27秒195 | 1分26秒499 |
3 | 38 | ZENT CERUMO GR Supra | 立川祐路/石浦宏明 | BS | 10 | 1分27秒329 | 1分27秒031 |
4 | 36 | au TOM'S GR Supra | 関口雄飛/坪井翔 | BS | 30 | 1分27秒220 | 1分27秒081 |
5 | 37 | KeePer TOM'S GR Supra | 平川亮/阪口晴南 | BS | 24 | 1分27秒227 | 1分27秒230 |
6 | 14 | ENEOS X PRIME GR Supra | 大嶋和也/山下健太 | BS | 40 | 1分27秒176 | 1分27秒242 |
7 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | 松田次生/ロニー・クインタレッリ | MI | - | 1分27秒478 | 1分27秒283 |
8 | 39 | DENSO KOBELCO SARD GR Supra | ヘイキ・コバライネン/中山雄一 | BS | 16 | 1分27秒418 | 1分27秒579 |
9 | 16 | Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT | 笹原右京/大湯都史樹 | DL | - | 1分27秒509 | - |
10 | 64 | Modulo NSX-GT | 伊沢拓也/大津弘樹 | DL | - | 1分27秒555 | - |
11 | 17 | Astemo NSX-GT | 塚越広大/ベルトラン・バゲット | BS | 12 | 1分27秒717 | - |
12 | 3 | CRAFTSPORTS MOTUL GT-R | 平手晃平/千代勝正 | MI | 4 | 1分27秒753 | - |
13 | 12 | カルソニック IMPUL GT-R | 平峰一貴/松下信治 | BS | 2 | 1分27秒897 | - |
14 | 24 | リアライズコーポレーション ADVAN GT-R | 高星明誠/佐々木大樹 | YH | - | 1分28秒138 | - |
15 | 1 | STANLEY NSX-GT | 山本尚貴/武藤英紀/牧野任祐 | BS | 6 | 1分28秒649 | - |
GT300クラスはグランドスタンド裏に展示されている新型BRZと同型の61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTが新型になって初ポールを獲得
GT300の予選は、ここ最近の通例通りポイントランキングによりAグループ、Bグループの2つのグループに分かれて行なわれた。Aグループのトップタイムをマークしたのは、午前中の公式練習でもトップタイムをマークした61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)。前回のレースではノーポイントに終わったSUBARU BRZは、この富士に賭けるところが大きかったが、順当にQ2へと進んだ。それと対照的だったのは、開幕戦で優勝した56号車 リアライズ日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組、YH)だ。60kg(ポイント×3kg)というサクセスウェイトが響いたのか、グループ13位に終わり、Q1敗退となってしまった。
続いて行なわれたBグループのトップタイムをマークしたのは60号車 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑組、DL)。1分35秒727という好タイムをマークして、AグループのBRZのタイムをも上回ってトップタイムをもぎ取っていった。
続いて行なわれたQ2では、61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTが、前の車両のスリップストリームを最終ラップに上手く使い1分35秒343をマークして、新型BRZとして初めてのポールポジションを獲得した。ドライバーの山内選手としては、5度目のポールポジション獲得となる。岡山では公式練習こそ速いタイムをマークしていたが、予選はQ1で落ちてしまうという意外な結果に終わっていただけに、今回の富士でポールポジションを取れたのは見事な「ストライク・バック(逆襲)」と言えるだろう。
なお、ポールポジション記者会見で市販車の新型BRZとの共通点を聞いたところ井口選手は「シャキッとしているところ、低重心でコーナリングを楽しめるマシン」だそうで、山内選手は「扱いやすさやドライブしているコントロールしている楽しさが共通している」と説明した。なお「SUBARUファンのユーザーが買ってもそれが楽しめるか?」と聞いたところ山内選手の答えは「もちろんです!」とのことだった。
スバル、新型「BRZ」のSTIパーツ装着車両をSUPER GT第2戦会場で展示中
https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1322468.html
以下、2位は55号車 ARTA NSX GT3(高木真一/佐藤蓮組、BS)で、3位はQ1のBグループトップタイムだった60号車 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT。4位は同じくGR Supraの52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組、BS)、5位は2号車 muta Racing Lotus MC(加藤寛規/阪口良平/小高一斗組、BS)、6位は11号車 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信組、DL)となった。
以下、GT300予選結果(暫定)
順位 | カーナンバー | 車両名 | ドライバー | タイヤ | サクセスウェイト | Q1 | Q2 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 61 | SUBARU BRZ R&D SPORT | 井口卓人/山内英輝 | DL | - | 1分35秒963 | 1分35秒343 |
2 | 55 | ARTA NSX GT3 | 高木真一/佐藤蓮 | BS | - | 1分36秒046 | 1分35秒485 |
3 | 60 | SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT | 吉本大樹/河野駿佑 | DL | 9 | 1分35秒727 | 1分35秒824 |
4 | 52 | 埼玉トヨペットGB GR Supra GT | 吉田広樹/川合孝汰 | BS | 33 | 1分36秒413 | 1分36秒005 |
5 | 2 | muta Racing Lotus MC | 加藤寛規/阪口良平/小高一斗 | BS | - | 1分36秒104 | 1分36秒077 |
6 | 11 | GAINER TANAX GT-R | 平中克幸/安田裕信 | DL | 27 | 1分36秒295 | 1分36秒111 |
7 | 10 | GAINER TANAX with IMPUL GT-R | 星野一樹/石川京侍 | DL | 3 | 1分36秒650 | 1分36秒339 |
8 | 5 | マッハ車検 GTNET MC86 マッハ号 | 平木湧也/平木玲次 | YH | - | 1分36秒728 | 1分36秒519 |
9 | 65 | LEON PYRAMID AMG | 蒲生尚弥/菅波冬悟 | BS | 45 | 1分36秒336 | 1分36秒570 |
10 | 31 | TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT | 嵯峨宏紀/中山友貴 | BS | - | 1分36秒427 | 1分36秒620 |
11 | 4 | グッドスマイル 初音ミク AMG | 谷口信輝/片岡龍也 | YH | - | 1分37秒067 | 1分36秒795 |
12 | 18 | UPGARAGE NSX GT3 | 小林崇志/名取鉄平 | YH | - | 1分36秒517 | 1分36秒849 |
13 | 96 | K-tunes RC F GT3 | 新田守男/平良響 | DL | 15 | 1分36秒925 | 1分36秒871 |
14 | 7 | Studie PLUS BMW | 荒聖治/山口智英 | YH | - | 1分36秒364 | 1分36秒908 |
15 | 360 | RUNUP RIVAUX GT-R | 青木孝行/田中篤/内田優大 | YH | - | 1分36秒664 | 1分37秒637 |
16 | 9 | PACIFIC NAC CARGUY Ferrari | 木村武史/ケイ・コッツォリーノ | YH | - | 1分36秒449 | 1分38秒646 |
17 | 34 | Yogibo NSX GT3 | 道上龍/密山祥吾 | YH | - | 1分37秒202 | - |
18 | 30 | TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT | 永井宏明/織戸学/上村優太 | YH | - | 1分36秒782 | - |
19 | 6 | Team LeMans Audi R8 LMS | 本山哲/片山義章 | YH | - | 1分37秒327 | - |
20 | 88 | JLOC ランボルギーニ GT3 | 小暮卓史/元嶋佑弥 | YH | 6 | 1分36秒866 | - |
21 | 35 | arto RC F GT3 | ショーン・ウォーキンショー/ジュリアーノ・アレジ | YH | - | 1分37秒398 | - |
22 | 25 | HOPPY Porsche | 松井孝允/佐藤公哉 | YH | 12 | 1分36秒877 | - |
23 | 50 | Arnage AMG GT3 | 加納政樹/柳田真孝 | YH | - | 1分37秒924 | - |
24 | 244 | たかのこの湯 GR Supra GT | 三宅淳詞/堤優威 | YH | 18 | 1分36秒968 | - |
25 | 48 | 植毛ケーズフロンティア GT-R | 田中優暉/飯田太陽 | YH | - | 1分38秒685 | - |
26 | 56 | リアライズ日産自動車大学校 GT-R | 藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ | YH | 60 | 1分36秒992 | - |
27 | 22 | アールキューズ AMG GT3 | 和田久/城内政樹/山下亮生 | YH | - | 1分40秒003 | - |
28 | 87 | グランシード ランボルギーニ GT3 | 松浦孝亮/坂口夏月 | YH | - | 1分37秒585 | - |
29 | 21 | Hitotsuyama Audi R8 LMS | 川端伸太朗/篠原拓朗 | YH | - | 1分37秒791 | - |