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BMW、都市交通用マイクロモビリティを手掛ける「CUBE」「SoFlow」とパートナーシップ締結

2021年9月3日(現地時間) 発表

新たな都市型モビリティ(コンセプトモデル)を提案

 BMWグループは9月3日(現地時間)、ミュンヘンモーターショー「IAA MOBILITY 2021」にて、持続可能性を高めた排出ガスの出ない都市型モビリティのコンセプトモデルとなる「Concept Dynamic Cargo」を手掛けるCOBEおよび「Concept CLEVER COMMUTE」を手掛けるSoFlowとのパートナーシップ締結を正式発表するとアナウンスした。

 CUBEが作るConcept Dynamic Cargoはコンパクトな3輪カーゴバイクで、高い俊敏性と柔軟な使用方法を兼ね備えたモデル。また、革新的なアタッチメントを備えた可変式の「ローディング・プラットフォーム」を採用し、荷物や子供の運搬、レジャーなど幅広く対応できるという。

 この3輪モデルの重要なコンポーネントは、ピボットアクスルを介してリアセクションに接続されたフロントメインフレームで、あらゆるコーナーで安定した状態を保てるとしている。

コーナリング中もリアセクションは傾かないので安定感が高いという

 また、ペダルを踏むと同時に電動パワートレーンが作動し、後輪を駆動することで通常の自転車と同じような乗り心地を実現。2輪車に比べてあらゆる天候下での走行安定性が格段に向上しているだけでなく、剛性が高く軸が回転しない後輪は、汎用性の高いピックアップスタイルの輸送プラットフォームの基礎になるという。

 後部には、荷物や子供を運ぶためのモジュール式アタッチメントを取り付けられ、モジュラーの設計によっては、さらに多くの使い方への展開が可能となっている。この輸送モードではライダーが余分な重量を意識することなく、あらゆる荷物を安全かつ安定して運ぶことができる利点があるとしている。

Concept Dynamic Cargo
子供も安全かつ安定して乗せられる

 CUBE CEOののアンドレアス・フォティ氏は「未来のモビリティは、私たちの時代の重要な課題の1つです。e-bikeは、確立された数少ない潜在的なソリューションの1つで、私たちは新しいモビリティソリューションの設計と導入に積極的に関わっていきたいと考えています。BMWからのアイデアに触発され、私たちはあらゆるノウハウを投入して、シリーズ生産に適したカーゴバイクを開発しました。私たちは、誰もが気軽に使え、楽しめる、超小型で俊敏かつ安全なトライクを開発しました。電動サポートにより、都市部以外でも柔軟に使用することができ、コンパクトなデザインは軽量で操作性にも優れています。また、柔軟な輸送オプションにより、ほとんど何でも輸送することができます」とコメントしている。

コンパクトに畳めるフレキシブルなeスクーター

Concept CLEVER COMMUTE

 SoFlowの手掛けるConcept CLEVER COMMUTEは、人間工学に基づいたデザインで日常使用に適したモデル。優れた走行安定性と収納時の非常にコンパクトなサイズを特徴とし、新しい複合モビリティの選択肢を提供するという。梱包時のサイズが小さいため、公共交通機関に持ち込めるほか、自動車のトランクに入れて持ち運ぶのにも適しているとしている。

駅構内などで運ぶ交通機関モード

 交通機関モード時は、フットボードを側面から折りたたみ、後輪をその開口部に下から入れることでホイールベースを大幅に短縮でき、エスカレーターでも難なく運ぶことができるという。また、このモードではトロリーケースのように両輪で転がすことも可能とし、前輪に内蔵されたハブモーターを電気によって推進力を発生させ、スロープなども簡単に登れるという。

 また、小型車のトランクに簡単に収まるサイズに折り畳むことができ、大型車のトランクであれば家族分の複数台を収容できる。例えばBMWの3シリーズ以上なら、後部席の背もたれを折り畳むことなく縦方向で収めることも可能で、MINIの場合は横方向にして搭載することができる。

コンパクトに畳めるので自動車のトランクにも収容可能

 SoFlow AGの共同設立者兼CEOのマニュエル・フグ氏は「BMWグループとの新たなコラボレーションは、SoFlowのサクセスストーリーの中でも重要な章となりました。今回BMWにインスパイアされたSoFlowコンセプトCLEVER COMMUTEは、超小型e-モビリティの分野における最新の開発であり、われわれの専門知識を生かすことができます。この革新的なコンセプトが間もなく道路に登場することを楽しみにしています」と述べている。

 BMWグループのニューテクノロジー&チャイナ部門の車両コンセプト責任者であるヨッヘン・カーグ氏は「BMWグループは、個人向けモビリティのプレミアム・プロバイダーとしての役割を果たしながら、未来の住みやすい都市の創造に積極的に貢献しています。都市中心部の交通密度が着実に増加していることを考慮すると、マイクロモビリティ・ビークルのコンセプトは、都市のモビリティの相互接続性の向上に大きく貢献することができます。だからこそ、私たちは意図的に自社のコア・ビジネスの枠を超えて検討しているのです。BMWグループはこれまでにも、BMW Motorrad X2City、パーソナル・ムーバー・コンセプト、高架道路コンセプトのBMW Vision E 3 Wayなど、革新的なマイクロモビリティ・ソリューションを発表してきました。今回のConcept Dynamic CargoとConcept CLEVER COMMUTEで、当社のエンジニアは、自動車部門のノウハウをマイクロモビリティ・ビークルのコンセプトに転用する能力を再び実証しています。当社のコアビジネス以外の車両/コンセプトについては、関連業界のパートナーにライセンスを供与して導入を推進することが最も効率的であり、双方にとって魅力的な選択肢であることがわかっています。今回、CUBEおよびSoFlowと契約を締結できたことを嬉しく思います」と述べている。