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SUPER GT第5戦SUGO、GT500はカルソニックブルーのGT-Rが5年ぶりの優勝、GT300はスバルブルーのBRZが3年ぶりの優勝

2021年9月12日 開催

5年ぶりに優勝した12号車 カルソニック IMPUL GT-R(平峰一貴/松下信治組、BS)

 SUPER GT 第5戦SUGOが9月11日~12日の2日間にわたり開催された。12日には13時30分から決勝レースが行なわれ、GT500は12号車 カルソニック IMPUL GT-R(平峰一貴/松下信治組、BS)が5年ぶりに、GT300はポールからスタートした61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)が3年ぶりに優勝した。

【Rd.5 SUGO 決勝 前半】2021 AUTOBACS SUPER GT Rd.5 SUGO GT 300km RACE
【Rd.5 SUGO 決勝 後半】2021 AUTOBACS SUPER GT Rd.5 SUGO GT 300km RACE

GT500クラスは、ポールからスタートした8号車 ARTA NSX-GTが支配するもペナルティに

 決勝レースは、1周フォーメーションラップが追加されたことで各車ともタイヤが十分温まった状態で1コーナーに入っていき、クリーンなスタートになった。ポールポジションからスタートした8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組、BS)が徐々にリードを広げていった。

 予選2位からスタートした16号車 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹組、DL)は徐々に遅れだし、予選3位の12号車 カルソニック IMPUL GT-R(平峰一貴/松下信治組、BS)、予選4位の17号車 Astemo NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組、BS)に抜かれていく。

 レースの1/3を経過した辺りからルーティンのピットストップが始まった。1号車 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組、BS)、16号車 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT、17号車 Astemo NSX-GT、64号車 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹組、DL)といったトップを走る8号車以外のNSX-GT勢は、早めのピットストップに入ってアンダーカットを狙うという作戦にでる。32周目にはその8号車も入り、NSX-GT勢は早めに全車がピットストップを終えた。

 GT500の全車がピットストップを終えたのは37周目。トップは8号車 ARTA NSX-GT、2位に12号車 カルソニック IMPUL GT-R、3位に17号車 Astemo NSX-GTとなった。4位は3号車 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正組、MI)だったが、エンジンに異音が発生しピットイン後リタイアになってしまった。その結果、4番手に上がってきたのはポイントリーダーの1号車 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組、BS)。同じくサクセスウェイトが重い組となる37号車 KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/阪口晴南組、BS)とのピットストップ後のバトルを制して4位まで順位を上げてきた。

 順調にトップを走っていた8号車 ARTA NSX-GTだが、45周目にサーキットのモニタで8号車に対してピット作業違反によるドライブスルーペナルティ表示が出る。8号車がピットに入るかどうかチーム側で調整していた47周目、19号車 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋、YH)のエンジンルーム辺りから出火し、最終コーナーに緊急停止。即時セーフティカーが出されて消火作業などが行なわれた。

 これで各車の差はぐっとつまり、ピットスルーペナルティをセーフティカー明けに消化しなければならなくなった8号車は最後尾まで下がることになり、上位の望みがなくなってしまった。しかも、そのペナルティを消化する際に、ピットレーン出口が赤信号になっていたのをそのまま行ってしまった。最終的にピットでの10秒ストップが出され、さらなるペナルティを消化することで完全に勝負権を失うことになった。GT500は完走10台というサバイバルレースになったこともあって、8号車は1ポイント獲得の10位になった。

GT500クラスは、12号車 カルソニック IMPUL GT-Rが優勝

 8号車がピットスルーを消化すると、トップに立ったのは12号車 カルソニック IMPUL GT-R。2位の17号車 Astemo NSX-GT、3位の1号車 STANLEY NSX-GTが12号車に追いついていき、3車によるトップ争いになった。

 FCYが出て解除になったタイミングで1号車 STANLEY NSX-GTが17号車 Astemo NSX-GTの前に出て2位に上がった。

 終盤4位を走っていた37号車 KeePer TOM'S GR Supraは、1コーナーで強引にインに入ってきた39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一組、BS)と接触。このダメージにより37号車はピットに入りリタイアとなった。チャンピオン争いでランキング上位になっている37号車のリタイアはトヨタ陣営にとっては痛い展開だ。

 結局レースは12号車 カルソニック IMPUL GT-Rが優勝、2016年 第5戦富士以来の5年ぶりの優勝となった。ドライバーの平峰一貴選手、松下信治選手、両ドライバーともにGT500初優勝となった。2位は1号車 STANLEY NSX-GTで、ポイントリーダーによる最も重い重量での18ポイント獲得はシリーズを戦う上で大きな意味がある2位となった。1号車はポイントを55まで伸ばし、2位の17号車の41点に大きな差をつけた。

 3位は17号車 Astemo NSX-GTでランキング2位に浮上。4位はトヨタ勢としては最上位となる36号車 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/坪井翔組、BS)が入り、5位は39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra、6位は予選15位から追い上げた24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R(高星明誠/佐々木大樹組、YH)となった。

レース後半、1号車や17号車に近づかれるものの、速さを見せて優勝した12号車 カルソニック IMPUL GT-R(平峰一貴/松下信治組、BS)
2位に入った1号車 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組、BS)
3位に入った17号車 Astemo NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組、BS)
優勝記者会見、平峰一貴選手(左)、松下信治選手(右)

GT300クラスは、「予選は速いけどレースが……」と言われ続けた61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTが新型BRZでの初優勝

3年ぶりに優勝した61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)
優勝をよろこぶ井口卓人選手(左)と山内英輝選手(右)

 GT300のスタートもクリーンなスタートで、予選順位順で1コーナーに入っていった。序盤は、予選5位の55号車 ARTA NSX GT3(高木真一/佐藤蓮組、BS)だ。

 あっという間に前の2台を抜いて3位に上がるが、予選2位からスタートした18号車 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/名取鉄平組、YH)にひっかかりなかなか前に行けない状況が続く。最終的に18号車を抜いた後、トップを走る61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)に徐々に追いついて行く。しかし、40周目のルーティンストップが行なわれるまでBRZがトップを守る展開となった。

 55号車 ARTA NSX GT3が先にピットインしたが、両車がピット作業を終えると、前には61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTが出ていた。そしてGT500の炎上事故によるセーフティカーが出ると、ピットインしていなかった52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組、BS)、65号車 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟組、BS)などは大きく損をすることになった。

 レースが再開されると61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTは、55号車 ARTA NSX GT3を引き離していった。スバルBRZは徐々に55号車を引き離し、そのままチェッカーを受け優勝した。

 スバルBRZの優勝は、2018年 第6戦SUGO以来、3年ぶり。この優勝でスバルBRZはランキングトップに浮上し、シーズン後半に向かうことになる。

 2位は55号車 ARTA NSX GT3、3位は56号車 リアライズ日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組、YH)、4位は87号車 グランシード ランボルギーニ GT3(松浦孝亮/坂口夏月組、YH)、5位は60号車 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑組、DL)、6位はレース後半で追い上げた34号車 Yogibo NSX GT3(道上龍/密山祥吾組、YH)。

今シーズンに新型BRZとなってからは初優勝となる61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)
2位に入った55号車 ARTA NSX GT3(高木真一/佐藤蓮組、BS)
優勝記者会見、井口卓人選手(左)、山内英輝選手(右)

SUPER GT第5戦SUGO GT500クラス結果

順位カーナンバーマシンドライバータイヤサクセスウェイト周回数時間(2位以下は1位との差)
112カルソニック IMPUL GT-R平峰一貴/松下信治BS16831時間56分41秒101
21STANLEY NSX-GT山本尚貴/牧野任祐BS80838秒511
317Astemo NSX-GT塚越広大/ベルトラン・バゲットBS608311秒145
436au TOM'S GR Supra関口雄飛/坪井翔BS648312秒437
539DENSO KOBELCO SARD GR Supraヘイキ・コバライネン/中山雄一BS288312秒596
624リアライズコーポレーション ADVAN GT-R高星明誠/佐々木大樹YH228324秒626
723MOTUL AUTECH GT-R松田次生/ロニー・クインタレッリMI448328秒532
864Modulo NSX-GT伊沢拓也/大津弘樹DL48330秒822
916Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT笹原右京/大湯都史樹DL208342秒921
108ARTA NSX-GT野尻智紀/福住仁嶺BS26812周
1137KeePer TOM'S GR Supra平川亮/阪口晴南BS56758周
1214ENEOS X PRIME GR Supra大嶋和也/山下健太BS706221周
38ZENT CERUMO GR Supra立川祐路/石浦宏明BS225726周
19WedsSport ADVAN GR Supra国本雄資/宮田莉朋YH404538周
3CRAFTSPORTS MOTUL GT-R平手晃平/千代勝正MI563746周

SUPER GT 500クラス ランキング

順位カーナンバードライバーRd1Rd2Rd3Rd4Rd5合計次戦サクセスウェイト
11山本尚貴388211555110
21牧野任祐88211552110
317塚越広大/ベルトラン・バゲット6204114182
436関口雄飛/坪井翔1561184080
514大嶋和也/山下健太20153570
612平峰一貴/松下信治125202856
73平手晃平/千代勝正261552856
837平川亮/阪口晴南1211142856
923松田次生/ロニー・クインタレッリ20242652
1019国本雄資/宮田莉朋5152040
1139ヘイキ・コバライネン/中山雄一85162040
1224高星明誠/佐々木大樹1151632
138野尻智紀/福住仁嶺43621530
1416笹原右京/大湯都史樹2821224
1538立川祐路/石浦宏明5331122
1664伊沢拓也/大津弘樹113510
171武藤英紀33110
GT500クラスの表彰台

SUPER GT第5戦SUGO GT300クラス 決勝結果

順位カーナンバーマシンドライバータイヤサクセスウェイト周回数時間(2位以下は1位との差)
161SUBARU BRZ R&D SPORT井口卓人/山内英輝DL54781時間56分55秒821
255ARTA NSX GT3高木真一/佐藤蓮BS457811秒442
356リアライズ日産自動車大学校 GT-R藤波清斗/J.P.デ・オリベイラYH817813秒633
487グランシード ランボルギーニ GT3松浦孝亮/坂口夏月YH7832秒56
560SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT吉本大樹/河野駿佑DL697841秒972
634Yogibo NSX GT3道上龍/密山祥吾YH7852秒372
788JLOC ランボルギーニ GT3小暮卓史/元嶋佑弥YH667852秒465
896K-tunes RC F GT3新田守男/小高一斗DL15781分06秒725
9244たかのこの湯 GR Supra GT三宅淳詞/堤優威YH100781分06秒930
1011GAINER TANAX GT-R平中克幸/安田裕信DL75781分07秒333
117Studie PLUS BMW荒聖治/山口智英YH781分09秒705
1218UPGARAGE NSX GT3小林崇志/名取鉄平YH9771周
1331TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT嵯峨宏紀/中山友貴BS771周
1465LEON PYRAMID AMG蒲生尚弥/菅波冬悟BS75771周
159PACIFIC NAC CARGUY Ferrari木村武史/ケイ・コッツォリーノYH36771周
162muta Racing Lotus MC加藤寛規/阪口良平BS69771周
1735arto RC F GT3ショーン・ウォーキンショー/ジュリアーノ・アレジYH771周
186Team LeMans Audi R8 LMS本山哲/片山義章YH771周
1925HOPPY Porsche松井孝允/佐藤公哉YH27771周
2030TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT永井宏明/織戸学YH24771周
2152埼玉トヨペットGB GR Supra GT吉田広樹/川合孝汰BS66771周
225マッハ車検 GTNET MC86 マッハ号平木湧也/平木玲次YH18762周
234グッドスマイル 初音ミク AMG谷口信輝/片岡龍也YH60762周
2450Arnage AMG GT3加納政樹/柳田真孝YH762周
2521Hitotsuyama Audi R8 LMS川端伸太朗/篠原拓朗YH762周
2610GAINER TANAX with IMPUL GT-R星野一樹/石川京侍DL21753周
2748植毛ケーズフロンティア GT-R田中優暉/飯田太陽YH744周
360RUNUP RIVAUX GT-R青木孝行/内田優大YH

SUPER GT 300クラス ランキング

順位カーナンバードライバーRd1Rd2Rd3Rd4Rd5合計次戦サクセスウェイト
161井口卓人/山内英輝1622139117
256藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ20431138114
3244三宅淳詞/堤優威6208236108
455高木真一/佐藤蓮114153090
560吉本大樹/河野駿佑32062987
611平中克幸/安田裕信91612678
788小暮卓史/元嶋佑弥251542678
865蒲生尚弥/菅波冬悟15822575
92加藤寛規/阪口良平12202369
1052吉田広樹/川合孝汰11112266
114谷口信輝/片岡龍也31162060
129ケイ・コッツォリーノ/横溝直輝841236
1325松井孝允/佐藤公哉45927
1487松浦孝亮/坂口夏月8824
1596新田守男/平良響53824
1630永井 宏明/織戸学53824
1710星野一樹/石川京侍16721
185平木湧也/平木玲次6618
1934道上龍/密山祥吾5515
2018小林崇志/名取鉄平2139
GT300クラスの表彰台