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三菱重工グループ、IDIADAと高度自動運転車両の試験・検証システムの共同開発に合意

2021年9月16日 発表

3社の技術を結集して世界標準となるシステムの開発を目指す

 三菱重工業、三菱重工機械システム、三菱重工冷熱の三菱重工グループ3社は9月16日、スペインに本社を置く多国籍企業で、自動車産業のエンジニアリング、試験、認証を行なっているApplus+ IDIADAと、高度自動運転車両の試験・検証システムの共同開発を進めることに合意したと発表した。

 自動運転システムは世界的に開発が進められ、今後飛躍的な能力向上と普及が見込まれているが、その安全・安心を保証するためには、自動運転車両が直面する多様な自然環境下においてセンサーやシステムが正常に機能することを検証する必要があり、今後は全天候型環境試験に対するニーズも高まることが想定されているという。

 これを受け、三菱重工グループ3社は、任意の自然環境(雪、霧、雨、光など)と走行状況の組み合わせを自由に生成して自動運転システムを高精度に試験できる屋内型の統合環境試験装置と、仮想環境下における網羅的検証が可能なシステムをIDIADAと共同で開発することで合意。この開発により、自動車OEMやセンサーメーカーによる自動運転システム開発期間の短縮および、開発費用の低減に寄与することを目指すとしている。

 今回の統合環境試験装置の開発にあたっては、三菱重工が有するレーダ波反射・散乱制御技術、三菱重工冷熱が有する空調・冷凍機の環境試験技術、三菱重工機械システムが有する自動車用試験装置に関するシステムインテグレーション技術など、三菱重工グループ3社の技術を結集。今後IDIADAとの協力体制のもと、世界標準の自動運転車両試験・検証システムを確立することにより、安全かつ安心な自動運転システムの社会実装への貢献も目標としている。

 三菱重工グループは、2021事業計画の成長戦略の一環として、「モビリティ等の新領域」におけるソリューションビジネスの開拓に取り組んでおり、本プロジェクトは「CASE化を支えるインフラ」をテーマとするさまざまな取り組みの1つに相当するという。