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大型車の車輪脱落事故が2020年度に統計史上最多131件 国交省が事故防止キャンペーン実施

2021年10月1日~2022年2月28日 実施

 国土交通省は、大型車の車輪脱落事故防止対策を強化することを目的に「大型車の車輪脱落事故防止キャンペーン」を10月1日~2022年2月28日の期間実施する。大型車の冬用タイヤへの交換時期に車輪の脱落事故が急増する傾向を踏まえて、冬用タイヤ交換時の確実な作業の徹底を呼びかける。

 大型車の車輪脱落事故の発生状況としては、2020年度は統計史上最多となる131件(対前年度19件増加)の事故が発生。具体的には冬期(11月~2月)が多く、特に東北地域で多く発生。車輪脱着作業後1か月以内に多く発生し、車輪脱落箇所は左後輪に集中しているという。

令和2年度車輪脱落事故発生状況

 大型車の車輪脱落事故防止キャンペーンでは、大型車の冬用タイヤへの交換時期に車輪の脱落事故が急増する傾向を踏まえて実施するもので、主な実施項目としては、「各地方運輸局が行う街頭検査における、大型車のホイール・ナットの緩みの確認」「運送事業者、タイヤ販売業者、自動車整備事業者等の関係者に向けて、啓発チラシを活用し確実な作業実施を依頼」「自動車運送事業者による『大型車のホイール・ナットの緩みの総点検』を実施」「ホイール・ナットへのマーキング等の活用を推進し、日常点検において、ホイール・ナットの緩みの点検を重点的に実施するよう啓発」といった取り組みが行なわれる。

 同省が公開した啓発用チラシでは、ホイールの締付け方式には、球面座で締め付けるJIS方式と、平面座で締め付けるISO方式があることや、また「排出ガス規制・ポスト新長期規制適合」の大型車から、左右輪・右ねじとする「新・ISO方式」が採用されていることを紹介。それぞれ正しい取り扱い方法を確認して、適切なタイヤ交換作業の実施を呼びかけている。