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スバル、新型「レガシィ アウトバック(日本仕様)」正式発表 414万7000円と429万円の2グレード設定

2021年10月7日 発表

X-BREAK EX:414万7000円

Limited EX:429万円

新型レガシィ アウトバック Limited EX

スバルSUV勢のフラグシップモデルが6代目に進化

 スバルは10月7日、新型「レガシィ アウトバック(日本仕様)」を正式発表した。2グレードが設定され、スポーティでラギッド(たくましい)デザインの「X-BREAK EX」が414万7000円、スバルのSUVフラグシップとしての質感と洗練さを強調したデザインの「Limited EX」が429万円。

 ボディカラーは、「クリスタルホワイト・パール」「アイスシルバ―・メタリック」「クリスタルブラック・シリカ」「クリムゾンレッド・パール」「マグネタイトグレー・メタリック」「ストームグレー・メタリック」のほか、さらにレガシィ アウトバックならではの世界観を表現する「ブリリアントブロンズ・メタリック」「オータムグリーン・メタリック」「サファイアブルー・パール」が新たに加わり、全9色の設定となる。

グレード価格一覧

グレードエンジン変速機駆動方式価格
X-BREAK EX水平対向4気筒DOHC 1.8リッター直噴ターボ“DIT”CVT(リニアトロニック)4WD4,147,000円
Limited EX4,290,000円

 レガシィ アウトバックは、1995年に北米市場で誕生して以来、乗用車とSUVの長所を融合させたクロスオーバーSUVとしてその歴史を積み重ねてきた。歴代モデルを通じ「どこまでも走り続けられるような安心感と快適性」「荷物を効率的に積める積載性」「質感の高い内装」といったクルマとしての本質的価値を磨き続けることで、乗る人の生活をさらに豊かなものにするパートナーとして信頼を築き上げ、スバルのフラグシップクロスオーバーSUVとして、唯一無二のキャラクターを確立している。

 今回の新型でも「知的好奇心を刺激し、新たな発見を促すクロスオーバー」というコンセプトのもと、歴代モデルが培ってきた価値に最新の技術を組み合わせることで、さらなる進化を遂げた。

 エンジンは、低回転域から力強いトルクを発生させる水平対向4気筒1.8リッター直噴ターボエンジンを採用。また、スバルグローバルプラットフォーム+フルインナーフレーム構造などによる車体剛性の最適化で、動的質感と衝突安全性能を大幅に向上させた。先進安全装備では、リアルワールドにおける安全性を進化させた「新世代アイサイト」や、3D高精度地図データを採用した高度運転支援システム「アイサイトX(エックス)」を全車標準装備とすることで、新次元のストレスフリーなセーフティドライビングを実現している。

新型レガシィ アウトバックの内装

 エクステリアは、スピード感のあるシルエットに、厚みや力強さを強調したボディパネルと一体感を増したクラッディングを組み合わせることで、ひと目見ただけで感じられるアクティブさとタフさを表現。インテリアは、乗る人すべてがゆったりくつろげる居心地のよい室内空間で、レガシィ アウトバックらしさを実現した。また、ハーマンカードンサウンドシステムや本革シート(ナッパレザー)を採用することで、フラグシップクロスオーバーSUVとしての上質感を演出し、さらに大型センターインフォメーションディスプレイやフル液晶メーターを採用することで、運転に必要な情報の認知から操作をよりスマートにサポートできる構成とした。

機能の向上や追加でより安心で安全なアウトバックに進化

安全性能「新世代アイサイト」を全車標準装備

 広角化した新開発のステレオカメラに加えて、前後4つのレーダーを組み合わせることで360度センシングを実現し、さらにソフトウェアの性能向上や電動ブレーキブースターの採用などにより、これまで以上に幅広いシーンで安全運転をサポートしてくれる「新世代アイサイト」を全車標準装備。また、見通しのわるい交差点や店舗の駐車場などから出庫する際に、前側方レーダーによって前側方から接近する車両を検知し、システムが衝突の危険があると判断した場合は、警報音やアイサイトアシストモニターなどで注意を喚起。回避操作がない場合はブレーキ制御を行ない、出会い頭の衝突回避をサポートする「前側方プリクラッシュブレーキ」を搭載する。

 さらに、11.6インチセンターインフォメーションディスプレイにフロントビューモニターを表示させている際、見通しのわるい交差点などで前側方レーダーによって接近車両を検知すると、映像内にインジケーターで通知してくれる「前側方警戒アシスト」も採用した。

 そのほかにも、プリクラッシュブレーキの制御だけでは衝突回避が困難な場合、システムが周囲に回避スペースがあると判断すると、ステアリングの制御も同時に行ない衝突回避をサポートする「緊急時プリクラッシュステアリング」も装備。また、「エマージェンシーレーンキープアシスト」は、約60km/h以上で走行しているとき、隣接車線の後方車両が接近しているにも関わらず車線変更を行なおうとしたり、車線からはみ出しそうになったりすると、音と表示でドライバーに注意を喚起するとともにステアリング操作をアシストして車線からの逸脱を抑制する。

高度運転支援システム「アイサイトX」を全車標準装備

 一定の条件を満たした自動車専用道路において、GPSや準天頂衛星システム「みちびき」などからの情報と、車線単位の道路情報を持つ3D高精度地図データを組み合わせることで、自車位置を正確に把握し、運転支援機能を大幅に拡張してくれる。作動条件が揃うとメーターにアイコンが表示され、ステアリングのスイッチを押すとシステムが作動。幅広いシーンで「アクセル」「ブレーキ」「ステアリング」操作のアシストを行ない、快適なロングドライブをサポートしてくれる。

 具体的には、自動車専用道路上での渋滞時(0km/h~約~約50km/h)、一定の条件を満たすと、ステアリングから手を放すことが可能となり、渋滞時のドライバーの運転負荷を大幅に軽減してくれる「渋滞時ハンズオフアシスト」。自動車専用道路上での渋滞時、ドライバーが前を向いているなど一定の条件が揃えば、スイッチ操作をすることなく発進してくれる「渋滞時発進アシスト」。自動車専用道路を走行中、進入するカーブの曲率に合わせて、適切な速度に制御してくれる「カーブ前速度制御」。料金所の手前で、ETCゲートを安全に通過できる速度まで自動で減速し、通過後はセット車速まで自動で加速する「料金所前速度制御」などがある。

 そのほかにも、自動車専用道路での高速走行時(約70km/h~約120km/h)、ドライバーが方向指示器を操作し、システムが作動可能と判断すると、ステアリングを制御して車線変更のアシストを行なう「アクティブレーンチェンジアシスト」。ツーリングアシスト作動中に“長時間ステアリングから手を放している”とシステムが判断した場合や、渋滞時ハンズオフアシスト作動中にセンターディスプレイのバイザー部にある専用カメラがドライバーの脇見や居眠りを検出した場合に警告を行ない、それでもステアリングを握らないらない状態が続いた場合は、ドライバーに異常が発生したと判断し、徐々に減速しながら停止して、ハザードランプやホーンで周囲に異常を知らせてくれる「ドライバー異常時対応システム」といった機能もある。

コネクティッドサービス「スバル スターリンク」を採用

 11.6インチセンターインフォメーションディスプレイやGPS、車載通信機などを搭載し、24時間365日コールセンターとつながることで、交通事故やトラブルが発生した際に、サポートするサービスも設定。車両を安全に利用する上で重要な案内(リコールなど)をディスプレイに表示する「基本機能」は無料で、エアバッグが作動するような衝突事故が発生した場合に、自動的にコールセンターにつながり警察や消防、医療機関などと連携して、より迅速に救命活動が行なわれるようにサポートしてくれる「先進事故自動通報(ヘルプネット)」。急な体調不良で運転が困難になったときや、あおり運転を受けたときなど、緊急時に車内の“SOS”ボタンを押すだけでコールセンターにつながる「スバルSOSコール」。

 さらに、車両故障など突然のトラブル時に専用ボタンを押すとコールセンターに接続して、ロードサービス窓口への取り次ぎや状況に応じた適切なアドバイスを24時間体制で行なってくれる「スバルiコール(安心ほっとライン)」。車両の盗難警報装置が作動した場合や、警告灯が点灯するような車両故障が発生した場合に、専用アプリやメールで通知してくれる「故障診断アラート&セキュリティアラート」といった機能がある「スバルつながる安心パッケージ」は、新車購入なら初度登録日から5年間無料、6年目以降は有料で利用できる。

事故の被害を自車だけでなく他車の被害も軽減させる衝突安全性能

 車体強度の大幅な向上やフレームワークの最適化を実現し、衝突エネルギー吸収率を一段と高めるスバルグローバルプラットフォームを採用。キャビンを強固なピラーやフレーム類で囲うように結合することで衝突時の変形防止を図る「新環状力骨構造ボディ」は、スバル独自の2つの技術を掛け合わせることで、世界トップレベルの衝突安全性能を実現。さらに、フロントフレーム下に前面衝突時の衝撃をより効果的に分散させるセカンドロードパスを採用。自車の衝突安全性を高めるとともに、衝突相手車両車両の被害軽減も図られている。

 また、衝突を検知するとブレーキ制御を行なって一定の速度まで自動で減速。自車が対向車線にはみ出さないようにサポートすることで、多重事故などの二次被害の抑制する「ポストコリジョンブレーキコントロール」を採用。さらに作動と同時にハザードランプを自動で点滅させて周囲に注意を促す機能も搭載する。

 乗員を保護する機能は、デュアルSRSエアバッグをはじめ、側面衝突時に備えるSRSサイドエアバッグ+SRSカーテンエアバッグや、前面衝突時に下肢へのダメージを軽減する運転席SRSニーエアバッグ、さらにシートベルトによる拘束保護性能を高める助手席SRSシートクッションエアバッグを採用。さらに、歩行者との衝突を検知した場合は、Aピラーやフロントガラス下部といった硬いパーツを覆うように「歩行者保護エアバッグ」が展開し、歩行者への衝撃を緩和する。

新開発の1.8リッター直噴ターボ“DIT”エンジンを搭載

先代モデルに搭載されていた水平対向4気筒 DOHC 2.5リッターエンジン(FB25型)は、最高出力129kW(175PS)/5800rpm、最大トルク235Nm/4000rpmだったので、排気量が2.5リッターから1.8リッターとダウンサイジングしながらもターボを搭載したことで、出力を落とすことなく(+2PS)、トルクは+65Nmと大幅にアップさせ、さらに低回転から発生できるようになった

 搭載する水平対向4気筒DOHC 1.8リッター直噴ターボ“DIT”エンジンは「レヴォーグ」と同型で、最高出力130kW(177PS)/5200-5600rpm、最大トルク300Nm(30.6kgfm)/1600-3600rpmを発生。日常での扱いやすさを重視し、低回転域から300Nmの高トルクを発生。アクセルを踏み込むとしっかりとした加速感が得られ、高速道路上での合流や追い越しなども気持ちよく行なえるという。また、少ない燃料でより多くのエネルギーを生み出すリーン燃焼などの採用により、優れた環境性能も実現。レギュラーガソリン仕様のため経済性にも優れる。

 また、変速ショックのない滑らかな加速と、リニアなレスポンスを可能にするリニアトロニックもレヴォーグと同型となる。変速比幅の拡大によって、発進時の力強い加速や高速巡航時の燃費性能が向上したほか、優れた静粛性も実現している。さらに8速マニュアルモードも採用し、操る愉しさも一段と高められた。

 新型レガシィ アウトバックの「思いのままに運転する愉しさとともにクルマに乗るすべての人が快適に過ごせる上質な走り」を実現させているのは、総合安全性能のレベルを引き上げるとともに、ドライバーの意思に忠実なハンドリングや不快な振動騒音の低減によって快適な乗り心地を可能にした「スバルグローバルプラットフォーム」の恩恵。その高いポテンシャルをベースに、ボディ全体の骨格連続性を高める「フルインナーフレーム構造」や微小な変形を抑える「構造用接着剤」なども採用し、さらなる高剛性化と軽量化を達成している。

デザイン

 スバル共通のデザインフィロソフィー“DYNAMIC×SOLID”を、アウトバックのキャラクターに適応させ、「アクティブ&タフ」というデザインコンセプトのもと、ひと目見てアクティブ性能を感じられるデザインを具現化。フロントは、大型化したグリル開口部を中心にダイナミックな造形とし、クラッディングを拡大することで、タフで力強いイメージを演出。フロントマスク全体が精悍なデザインに仕上げられている。

 サイドはボディパネル面に厚みとボリューム感を持たせ、安心感やタフさを表現。道を選ばず、どこにでも行けそうな「たくましさ」を感じさせるデザインを採用。リアは立体感を強調したリアコンビネーションランプなどにより、「頼もしさ」に加え、先進的でシャープなイメージを表現したという。

新型アウトバックのボディサイズは、4870×1875×1670mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2745mm。また、先代モデルのボディサイズは、4815×1840×1605mm(全長×全幅×全高)。ホイールベースは2745mmで同じ

 内装は、伸びやかな連続造形で開放感を表現したアッパーエリアと、適度な包まれ感を演出したロアエリアとのコンビネーションでレガシィ アウトバックらしい室内空間を実現。また、11.6インチの大型ディスプレイと12.3インチフル液晶メーターは、フラグシップに相応しい先進感を表現している。

 Limited EXのメーカーオプションとなる「本革(ナッパレザー)シート」は、本革の素材にしなやかで自然な触感が心地よいナッパレザーを使用。特殊な「なめし加工」による質感高い仕立てにより、ゆったりと包み込まれるような快適な座り心地と、体をしっかりと支える高いホールド性を両立。カラーは、空間を上質かつ華やかに彩るタンと、品のある落ち着きを感じさせるブラックの2色を設定。インパネやドアトリムを同色の表皮巻とするトータルコーディネートによって、フラグシップモデルとしての特別感を際立たせている。また、X-BREAK EXに標準装備される「撥水ポリウレタンシート」では、表面についた水分が染み込みにくいポリウレタン素材のシート表皮を採用。よりアクティブなシーンで活躍するだけでなく、飲み物をこぼしてしまったときなど日常の使い勝手にも優れる。

使い勝手のよさと快適性にもこだわり抜いた

 ボディサイズの見直しを図り、スタイリッシュな外観はそのままに居住空間と荷室積載量を拡大。ラゲッジスペースは、VDA法で561L(カーゴフロアボード上部は522L/下部のサブトランクは39L)の容量を誇り、隅々まで効率よく使えるフラットな大空間の荷室スペースを確保している。

 また、大きな荷物でも積み降ろしがしやすいワイドな開口部、後端部を軽く押し下げるだけでカバーが跳ね上がるポップアップ式トノカバー(取り外してサブトランクに収納可能)、小物や汚れた荷物でも気軽に収納できる床下のサブトランクなど、優れた使い勝手を実現した。さらに、リアゲートにある「六連星オーナメント」はセンサーを内蔵していて、肘など体を近づけることでリアゲートを自動で開けることができる「ハンズフリーオープンパワーリアゲート」を採用。両手がふさがっていても、簡単に開けることができる(Limited EXは標準装備、X-BREAK EXはメーカーオプション)。

 天井に備わるルーフレールはグレードで性能が異なり、Limited EXの「クロスバータイプルーフレール」は、サーフボードやカヌーなどを搭載しやすいクロスバータイプを採用。前後部分に穴を開けることで、ロープを通して固定しやすいように工夫が凝らされている。また、荷物を積まないときには収納することによって、風切り音を低減した。

 一方、X-BREAK EXの「ラダータイプルーフレール」は、クロスバータイプよりも最大積載荷重を向上したことで、さらにさまざまな荷物を載せることが可能。また、グリーンカラーのアクセントを配した部分の裏側にはロープフックをかけられる構造を取り入れ、多彩な使い方ができるようになっている。

 オフロードでの走行性能に関しても、最低地上高を213mm確保(先代モデルは200mm)するとともに、斜面に乗り上げるときや斜面から平坦地に降りるときのアプローチアングル/ディパーチャーアングル、斜面や丘部の頂上を越えるときのランプブレークオーバーアングルなども最適化し、さまざまなシーンでの走破性を向上させている。

 サウンドの快適性についても、世界的な高級オーディオメーカー「ハーマン(HARMAN)」の伝統ある旗艦ブランド「ハーマンカードン」を採用し、フロント6個とリア4個のスピーカーとウーファーシステムに加え、圧縮音源をオリジナルに近づけて再生する「Clari-Fi」、音質向上と消費電力の低減に貢献する「GreenEdge」など、ハーマンの最新技術もインストール済み。