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トヨタL&F、新型「電動トーイングトラクター」 飛行場の貨物や重量物の移動をCO2ゼロで可能に

2021年10月25日 発売

768万円

新型「電動トーイングトラクター(3TE25)」

高容量バッテリを採用し、長時間の連続稼動も可能

 豊田自動織機 トヨタL&Fカンパニーは10月25日、エンジン車と同等の走行性能を備え、重量物を牽引・移動できる新型「電動トーイングトラクター(3TE25)」を発売した。価格は768万円。

 トヨタL&Fのトーイングトラクターは、1956年の発売から空港での貨物けん引作業や、製造業での重量物水平搬送などの作業環境で活用されている車両。今回発売された新型の電動トーイングトラクターは、高効率モーターおよびドライブユニットを搭載することで、けん引力・走行速度・登坂能力などエンジン車と同等の走行性能を実現し、高容量バッテリの採用により長時間の連続稼動を可能とした。これにより、取り扱い貨物が多く走行条件の厳しい大規模空港における電動化ニーズに対応し、加えて、ボンネットタイプフレームの採用や高い耐水性により、エンジン車同様に屋外でも利用できるという。

 近年、脱炭素社会の実現に向けた取り組みが世界的に広がる中、トーイングトラクターの主要市場である航空業界においても、CO2排出削減に向けた取り組みが加速。2021年7月には、成田空港や羽田空港など国内21空港が、国土交通省より「重点調査空港」に選定され、空港施設・空港車両からのCO2排出削減に向けた取り組みが始まっている。

 トヨタL&Fはこうしたクライアントの取り組みに応えるため、電動トーイングトラクターを発売。エンジントーイングトラクターの電動化代替ニーズに応え、空港などのカーボンニュートラルに貢献するとしている。

新型電動トーイングトラクターの主な特徴

 高容量バッテリ(600Ah)搭載による長時間稼動を可能とし、エンジントーイングトラクター同等の走行性能を実現。また、エンジントーイングトラクター同等の旋回半径・広い前後視野を確保。さらに、作業性を向上させるLEDヘッドランプを標準装備としているほか、オプションとして機台と台車連結時の微調整が可能なリアインチング装置、充電プラグ機台外側配置、LED後部作業灯を設定している。

 また、安全面としては、最高速制限設定やオーバースピードアラームなどを搭載するマルチファンクションディスプレイを標準装備とし、着座後シートベルトを装着しないと走行動作を制限しシートベルト未装着での運転を防止する「シートベルトインターロック」をオプションで設定している。

機台と台車連結時の微調整を可能とする「リアインチング装置」はオプション設定
機台外側からバッテリフードを開けずに充電可能な「充電プラグ機台外側配置」もオプション設定

標準仕様

電動トーイングトラクター(3TE25)
最大けん引力25,100N
最大けん引重量27,000kg
走行速度/平坦路無負荷最高速度25.0km/h
走行速度/平坦路けん引速度(9t)21.0km/h
走行速度/けん引登坂速度(5%、9t)9.5km/h
ボディサイズ3495×1445×1390mm(全長×全幅×全高)
最小旋回半径3200mm
車両合計重量4860kg
バッテリ80V/600Ah(電圧/容量)
走行モーター11.2kW×2