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BMW、ハイパワーラグジュアリー「コンセプトXM」 最高出力750PS/最大トルク1000Nm、EVのみで80kmの走行が可能

2021年11月30日(現地時間) 発表

BMW Mが手掛けるニュー・ビークル・コンセプト「コンセプトXM」

2022年末から製造されるプラグインハイブリッドモデル

 BMWは11月30日(現地時間)、芸術イベント「アート・バーゼル・マイアミ・ビーチ(Art Basel Miami Beach)2021」にて、BMW Mが手掛けるニュー・ビークル・コンセプト「コンセプトXM」を世界で初めて展示すると発表した。

 コンセプトXMは、2022年末に予定されている史上最強のBMW Mカーで、量産も見据えているモデル。また、今後発売されるBMWのラグジュアリーモデルに採用するという、新しいプログレッシブ・フロント・エンド・デザインも初披露としている。コンセプトXMは、米国のBMW Group Plant Spartanburgで2022年末から製造されるとしていて、プラグインハイブリッド形式のみとなる。

 大胆なエクステリア・スタイリングは、「ダイナミズム」「敏捷性」「正確性」といったこの車両の卓越した性能と、最大80kmのEV走行距離を反映しているといい、搭載されている新開発のMハイブリッド・ドライブ・システムは、V型8気筒エンジンと高性能電気モーターを組み合わせ、最高出力550kW(750ps)、最大トルク1000Nmを発揮する。

 BMW M社のCEOであるフランシスカス・ファン・ミール氏は、「BMWコンセプトXMは、ハイパフォーマンスカー・セグメントを完全に再構築したものです。このコンセプトXMは、ハイパフォーマンスカーのセグメントを完全に再構築したものです。伝説的なBMW M1以来の純粋なBMW Mモデルであるこの量産車は、BMWブランドの段階的な電動化への取り組みを示すものでもあります」と述べている。

 また、BMWデザイン部門の責任者であるドマゴイ・ドゥケック氏は、「BMWコンセプトXMのデザインは、ラグジュアリー・セグメントの中心に位置するBMW Mの贅沢な声明です。独自のアイデンティティを持ち、BMWのラインアップの中で他のモデルにはない、表現力豊かなライフスタイルを体現しています」とコメントしている。

デザインスケッチ

最大限の存在感を生み出すプログレッシブ・フロント・エンド・デザイン

 初公開となる新たなプログレッシブ・フロント・エンド・デザインは、ヘッドライトは2つの独立したモジュールに分割され、視覚的に印象的な外観を生み出す新しいデザインが特徴。特にシャープなスタイルで、スリムなアッパーモジュールのデイタイム・ドライビング・ライト・シグネチャーが強い印象を与えている。

 水平基調のキドニーグリルは、ヘッドライトの間に大胆に配置され、外側のエッジに向かって細くなり、ほぼ八角形のアウトラインとなって、フロントエンドのダイナミックなキャラクターを強調。

 ブラックのキドニー・グリル・エレメントは、複雑な形状に囲まれていて、ハイグロス・ブラックの表面に自由に浮かんでいるかのように表現。グリル内のMスタイルのダブルバーが幅を感じさせつつ、人目を引く輪郭照明がグリルを際立たせていて、暗闇でもキドニーとデイタイム・ドライビング・ライトの印象的な構成によりひと目で分かるようにしたという。

 ルーフの色は、Aピラーのブラック・フィニッシュとコントラストを形成。また、Aピラー上部の屋根には、スリムなLEDサーチライトが組み込まれるほか、ボンネットにあるエアインテークは、ルーフのLEDサーチライトを模したもので、ダイナミックな印象を付与。堂々としたボディの下端には、すっきりとしたブラックのフロントエプロンが配され、外周部のボディカラーの三角形のブレードは、垂直に配置されたエアインテークを強調するとともに、コンセプトXMのスポーティで堅牢なスタンスを強調している。

 リアエンドはホイールアーチが大きく広がり、力強く走る姿を印象付けている。また、非常にスリムで大胆なL字型のテールランプをリアのほぼ全幅に伸ばしたことで、より力強さを強調。バンパーには、特徴であるツインテールパイプが配され、デュアル・ブランチ・ツイン・テールパイプ・エキゾースト・システムは、V8エンジンの排圧を軽減するとともに、エンジンパワーと特有のサウンドを生み出すという。テールパイプを縦に配置しつつ六角形にすることで、このクラシックなアイコンに新たな命を吹き込んだとしている。

内装はハイパフォーマンスとエクストロバットラグジュアリー。

 内装はMシリーズならではのドライバーに焦点を当てたコクピットデザインで、インストルメントパネル、センターコンソール、ドアトリム、シートのラインとサーフェスデザインは、力強い形状と高品質な素材によってプログレッシブな印象を付与。ブラウンのビンテージ風レザー、カッパー(銅)、カーボンファイバーが、ラグジュアリーとモータースポーツの架け橋となり、大胆なトリムエレメントによってドライバーズエリアは視覚的に分けられている。

 前席とは対照的な後席は、贅沢で豪華なラウンジのような雰囲気を演出。特別な素材、視覚的に力強い表面、表現力豊かなディテールにより、リアシートはユニークなMラウンジとなり、ブラック・ティンテッド・リア・サイド・ウィンドウは、ここでのプライバシー感を際立たせている。また、運転席には温かみのあるブラウンレザーを使用し、後席にはリッチなカラーシェードのペトロールを採用し、大きなリアシートには深い座面の窪みがあり、ゆったりとくつろげる空間としている。

 コンセプトXMには、最新世代の「BMW iDrive」をベースにしたM専用バージョンのコントロール/オペレーション・システムが採用され、コンセプトXMの高性能なキャラクターをデジタルの世界でも表現。また、ハイブリッド・ドライブ・システムのモードやEV走行モードもBMWカーブドディスプレイに魅惑的な美しさで表示するという。これらは、将来のすべてのBMW Mモデルのドライビングエクスペリエンスに、さらなる迫力をもたらすUI(ユーザー・インターフェース)を予告するものだとしている。

THE Concept XM - Knights A-coming.(1分50秒)