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BMW、新型BEV「iX」は981万円から 前後にモーターを備えた4輪駆動モデル

2021年11月4日 発売

981万円~1116万円

次世代BEV「iX(アイエックス)」発売

 ビー・エム・ダブリューは11月4日、長距離走行が可能な次世代BEV(電気自動車)「iX(アイエックス)」を発売した。新型iXは前輪と後輪を駆動する電気モーターをそれぞれ備える4輪駆動モデルで、満充電で450km走行可能な「iX xDrive40」、650km走行可能な「iX xDrive50」の2モデルをラインアップ。価格は前者が981万円、後者が1116万円。

 新型iXは、SAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)をベースにコンセプト、デザイン、パワートレーンなど、その全てをBMWが次世代を見据えて開発したモデル。サステイナブル(持続可能性)であることを目的にパワートレーンには電気モーターを採用し、大型のリチウムイオンバッテリの搭載により、1回の充電で長距離走行を可能としたBEVになる。

 エクステリアでは大胆かつモダン、最小限をコンセプトに、フロントではキドニーグリルを大型化し、キャラクターを強調しつつ、ラインアップの中で最もスリムなヘッドライトデザインを採用することで次世代のイメージを強調。リアまわりではヘッドライト同様に薄くシャープなテールランプを採用してデザインの一体感を表現しつつ、エアロダイナミクスを追求したディフューザーや、リアトレッドをワイドにすることで、存在感を表現したという。

iX xDrive40、iX xDrive50ともにボディサイズは4955×1965×1695mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは3000mm。車両重量はiX xDrive40が2380kg、iX xDrive50が2530kg

 インテリアでは、BMWのモデルとして初めてメーターパネルとコントロールディスプレイを一体化させ、デザインを際立たせるとともに形状を湾曲したカーブドディスプレイとすることで、操作性、視認性を向上。多くのボダン類を廃止し、送風口をスリム化することで運転席まわりをすっきりとさせつつ、BMW特有のiDriveコントローラーを他モデル同様に装備することで優れた操作性を実現。また、六角形のステアリングホイールをBMWモデルとして初採用した。大人5名乗車でもゆったりとした室内空間を誇るとしており、さらにオプション設定の「ファースト・クラス・パッケージ」を装備することで電動シートの調整スイッチ、スタート/ストップボタン、iDriveコントローラーなどがクリスタル製となり、未来感ある演出も可能という。

iXでは多くのボダン類を廃止し、運転席まわりをすっきりとしたデザインに
ラゲッジスペース

 パワートレーンについて、iX xDrive50は前輪に最高出力190kW、最大トルク365Nmを発生する電気モーターと、後輪に最高出力230kW、最大トルク400Nmを発生する電気モーターを持ち、システムトータルでの最高出力は385kW、最大トルクは765Nm。リチウムイオンバッテリの容量は303Ahで、一充電走行距離は650km、交流電力量消費率は190Wh/kmとなっている。

パワートレーンについて

 また、iX xDrive40は前輪に最高出力190kW、最大トルク290Nmを発生する電気モーターと、後輪に最高出力200kW、最大トルク340Nmを発生する電気モーターを持ち、システムトータルでの最高出力は240kW、最大トルクは630Nm。リチウムイオンバッテリの容量は232Ahで、一充電走行距離は450km、交流電力量消費率は183Wh/km。

 急速充電器での充電は最大150kWまで対応し、自宅や公共の普通充電の設備では最大11kWでの充電が可能。150kWの急速充電利用時は、40分以内で約80%までの充電が完了し、約500kmの長距離走行が可能。10分の急速充電でも約100km走行できるという。普通充電においては、一晩(約7時間)で0%から100%の状態まで充電できるとしている。

急速充電器での充電は最大150kWまで対応

 ユニークな取り組みとしては、基本的に無音のBEVにおいて音による効果で「駆けぬける歓び」を表現したという「アイコニック・サウンド・エレクトリック」。これはオーディオスピーカーから、特別に作曲された音が発せられるというもので、アカデミー賞、ゴールデングローブ賞のノミネート多数の実績を誇り、映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」を担当するなど、著名なドイツ出身の映画音楽作曲家の1人であるハンス・ジマー氏がサウンドの作曲を担当。MY MODESの設定でSportを選択するとサウンドを強調、Personalを選択すると音響の全体バランスを重視、Efficientを選択するとサウンド・オフにすることが可能という。

 そのほか安全機能・運転支援システムでは「ドライビング・アシスト・プロフェッショナル」を採用。アクティブ・クルーズ・コントロール(ストップ&ゴー機能付)、レーン・チェンジ・ウォーニング(車線変更警告システム)、レーン・ディパーチャー・ウォーニング(車線逸脱警告システム)、ステアリング&レーン・コントロール・アシスト、サイド・コリジョン・プロテクション、衝突回避・被害軽減ブレーキ(事故回避ステアリング付)、前車接近警告機能、後車衝突警告機能、クロス・トラフィック・ウォーニングおよびペダル踏み間違い急発進抑制機能を標準装備としている。