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BMW、新型EVの3モデル「iX」「iX3」「i4」日本導入を予告 ヴィードマン社長が2021年の展望を語る新春記者会見レポート

新型「M4」に6速MT仕様をラインアップ

2021年1月26日 開催

ビー・エム・ダブリュー株式会社 代表取締役社長クリスチャン・ヴィードマン氏

 ビー・エム・ダブリューは1月26日、同日オンライン開催した新春記者会見においてBMWの新型「M3」「M4」、BMW Motorrad初のMモデル「M 1000 RR」を発表。また、同会見において、同社代表取締役社長 クリスチャン・ヴィードマン氏が、2021年に新型EV(電気自動車)「iX」「iX3」「i4」を発表することを予告した。

 同会見は、ヴィードマン氏が2020年の振り返りや2021年のビジネスについて話すもので、冒頭に2020年の販売実績が紹介された。4輪ではBMWが3万5712台、MINIが2万196台となりBMW GROUPとして5万5908台。2輪ではBMW MOTORRADが5562台となった。ヴィードマン氏は「昨年、新型コロナウイルスの影響は避けられませんでした。しかし、そのような中でも前進したと考えます」と評価した。

2020年の販売実績

 その中で、BMWブランドについては、パフォーマンスモデルとなるMモデルは2020年は対前年比で7.7%成長し、12月については特に好調で対前年比15.4%の伸びを記録したという。また、2020年のハイライトとして、BMW「7シリーズ」「X7」「8シリーズ」が属する高級車セグメントにおいて対前年比で21.2%の成長を果たしたことを報告、日本限定モデルを導入する戦略が販売に貢献したことを強調した。

Mモデルは2020年は対前年比で7.7%成長
「7シリーズ」「X7」「8シリーズ」が属する高級車セグメントにおいて対前年比で21.2%の成長を果たした
MINIブランドは、外国メーカー車モデル別新車登録台数にて2016年から5年連続で1位になったことを報告。3月2日のイベントであらたな発表があることを予告
2021年にBMW MOTORRADブランドからは史上最多となる16の新モデルを導入する予定であることを明らかにした

 そして、2021年に向けて、ヴィードマン氏は「E モビリティのパイオニアとしてBMWグループは、BMWとMINIを合わせて2020年に全世界で19万2646台の電動化車両を販売しました。この数字は実に2019年と比べて3分の1に当たる31.8%の成長です。BMWグループは2023年までに25の電動化モデルを販売し、そのうち半数をフルEVとする予定です。2021年、BMW グループ ジャパンは電動化戦略を加速させ、2つのフルEV BMW iXおよびBMW iX3を発表し、さらにBMW i4も発表します」と予告した。

2021年秋に正式な発売を予定している「BMW iX」。予約注文の受付はBMWオンライン・ストアにおいて2020年12月16日より開始されている
BMW iX3。BMW ix3はパワーオブチョイスの戦略に沿って3種類のドライブトレーンを提供するという

 また、2021年は、BMW AGの100%出資子会社であるビー・エム・ダブリュー日本法人が1981年9月22日の設立から40周年を迎えることを報告。同社の歴史を紹介するビデオを公開するとともに、歴史をともにしたディーラー、オーナーズクラブ代表からのコメントが紹介された。

BMW AGの100%出資子会社として1981年9月22日の設立から40周年を迎えたことを報告
BMWブランドの日本における歴史を紹介するビデオを公開
40周年に向けてコメントを寄せた株式会社バルコム 代表取締役 山坂哲郎氏
40周年に向けてコメントを寄せた三洋自動車株式会社 濱口氏
BMW Club Japan 細淵雅邦会長が会見会場で将来のBMWブランドへの期待感をコメントした

 今後のBMWブランドの発展を期待するコメントを受けて、ヴィードマン氏は「BMW グループ ジャパンは今後も引き続き日本市場に投資して行きます。今年3月にパーツセンターは千葉県山武市から印西市に移管します。これまでよりかなり広いスペースになりますので、より質も効率もよいサービスを全国のお客さまに提供できるようになります。新しいパーツセンターを皆さまにご覧いただくことを楽しみにしています。また、40周年を記念して公式スペシャルサイトをオープンします。今後1年を通して限定モデルの展開やディーラーでの特別イベントなど様々な施策を実施していく予定です」と明かした。

BMWブランド・マネジメントディビジョン プロタクト・マネージャーの岩﨑格氏
BMWモトラッド・ディビジョン リテールビジネスデベロップメント&カスタマーケア サービス&ワランティ・マネージャーの平野司氏

 この後、同会見で発表された新型「M3」「M4」についてBMWブランド・マネジメントディビジョン プロタクト・マネージャーの岩﨑格氏から、BMW Motorrad「M 1000 RR」についてBMWモトラッド・ディビジョン リテールビジネスデベロップメント&カスタマーケア サービス&ワランティ・マネージャーの平野司氏から、製品説明が行なわれた。

 その中で新型「M3」「M4」については、M3シリーズでは8速AT仕様(右ハンドル)の「M3 Competition」「M3 Competition Track Package」と、M4シリーズでは6速MT仕様(右/左ハンドル)「M4」、8速AT仕様(右/左ハンドル)「M4 Competition」「M4 Competition Track Package」が日本導入されることが明らかにされた。

 新型「M3」「M4」に採用された大型キドニーグリルについて、岩﨑氏は「この大型のキドニーグリルに驚かれた方も多いと思います。このキドニーは最大限の冷却性能を発揮すると同時に、冷却系の開口部を中央に集中させることによって、バンパー左右からサイド、リア、アンダースポイラー、さらにはリアのディフューザーに繋がるデザイン、空力特性と両立しています」と紹介した。

 また、M3 Competition、M4 Competitionには、ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能の採用など、パフォーマンスモデルでありながら安全運転支援機能を充実させていることを紹介。岩﨑氏は「これだけのスポーツモデルでありますが、日常使いやお友達やご家族とのロングツーリングにも対応できる安全性能を備えました」と強調した。

 一方で、それらの安全運転支援機能を装備しない「トラック・パッケージ」モデルをラインアップしたことも紹介。MカーボンバケットシートやMカーボンセラミックブレーキ、標準よりも軽量な鍛造ホイールなどを組み合わせることで、コンペティションモデルに対して軽量化を図り、サーキットなどのスポーツ走行に特化したグレードであることを説明。

 岩﨑氏は「タイヤにつきましてもオプションで通常のスポーツタイヤではなく、よりサーキット走行に適したトラックタイヤを選ぶことができます。まさに“サーキットスペシャル”といえるような仕様」などと話した。

 新春記者会見の締めくくりに、ヴィードマン氏は「なかなか落ち着かない世の中ではありますがBMWグループジャパンは、顧客第一のポリシーのもと、社員、ディーラーがワンチームとなって、この難局を乗り越えていきます」との意気込みを示して、会見を締めくくった。