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ホンダ、効率的な道路維持管理を可能にする「道路状況監視システム」をアメリカで試験運用開始

2021年12月14日(現地時間) 発表

車両が獲得した知覚データを道路環境の維持に活用

 本田技研工業のグループ会社であるHRI-US(Honda Research Institute USA,Inc.)は12月14日(現地時間)、GPS座標やカメラなどの車両データを使って道路状況を評価し、危険の可能性を発見する「道路状況監視システム」の試験運用の開始を発表した。

 この道路状況監視システムは、道路管理者が常に効率よく車線の状態を監視でき、ホンダのコンセプトである「みんなの安全(Safety for Everyone)」の実現への貢献が期待されるという。

 また、HRI-USは、すでにオハイオ州でパイロットプログラムを実施していて、GPS座標とカメラなどのセンサーを使用して、道路事業者と共有できるリアルタイムの道路状況情報を収集するシステムを試験運用を開始。ホンダはオハイオ州運輸局と協力して、道路維持管理業務の効率を高めるために、2022年初頭からパイロットプログラムの一部として使用しているホンダ車からの道路状況データを提供する予定という。さらに、車線表示が薄くなっている箇所では、ドライバーに警告を出すことも検討しているという。

 具体的には、車線の状況を監視する際、車両の左右にある車線を「緑」「黄」「グレー」「赤」の4つのカラーコードで視覚的に分類し、理想的なレーン状態なら「緑」、良好なレーン状態は「黄色」、車線がない場合は「グレー」、補修が必要な場合は「赤」で表示されるもの。これらの道路状況の情報は、緯度・経度、画像や動画とともに車両に取り込まれ、匿名化された後、安全なプラットフォームで解析し、道路管理者はこのプラットフォームにアクセスして、道路状況や危険情報の場所、種類、深刻度を特定し、静止画像や動画を取得することが可能になるという。

 HRI-USの科学者で、道路状況監視システムのプロジェクトリーダーParitosh・Kelkar氏は、「良好な道路状況を維持することは、道路を共有するすべての人の安全を守ることにつながります。コネクテッドカーから取得したリアルタイムで高精度な道路データは、危険な道路状況を特定、報告し、より迅速に修復するプロセスを改善する可能性を持っています」と述べている。

 オハイオ州交通局長のJack Marchbanks氏は「私たちはオハイオ州内の道路を定期的に検査し、舗装標識の色あせや損傷などの問題が確認された場合は、迅速に対処しています。手間のかかる作業です。よい舗装標示は、今日のドライバーと明日の自動車にとって重要です。私たちは、ホンダと協力してこのプロセスを改善することに興奮しています」とコメントしている。

Honda Road Condition Monitoring System(1分44秒)