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写真で見る トヨタ新型「ノア」「ヴォクシー」(4代目)2022年フルモデルチェンジ

2022年1月13日 発売

新型ノア(左)と新型ヴォクシー(右)。ボディカラーはノアがスティールブロンドメタリックで、ヴォクシーはマッシブグレー

3ナンバーサイズになり今まで以上に余裕のある室内空間を実現

 数ある国産車の中でも激戦区となっているのが、ミドルサイズのミニバン市場だ。折しも2022年以降、各社のニューモデルが続々とデビューするとあって、より一層注目されるのは間違いのないところ。そんなホットな市場にトヨタ自動車が満を持して送り込むのが、4代目「ノア」および「ヴォクシー」となる。

フロントマスクに個性の違いが現れている

 ノア、ヴォクシーは「ライトエース」「タウンエース」の後継車として2001年にデビュー。扱いやすい5ナンバーサイズのボディにスライドドアを配置、広い室内に最大8人乗車を可能としており、手頃なプライスと相まって人気のモデルとなった。その後、2007年に2代目がデビュー、2014年に登場した3代目からはハイブリッドモデルもラインアップするなど、着実に商品価値を高めてきた。

 4代目となる新型も基本的にはこれまでのキャラクターを踏襲。プラットフォームは新たにプリウスやカローラ系と同じTNGA(Toyota New Global Architecture)のGA-Cプラットフォームとすることで軽量かつ高剛性なボディを実現。フロントがストラット、リアはミニバン用に新規開発したトーションビームのサスペンションにより、乗り心地に加え優れた操縦性、安定性を実現している。

 後部ドアは車両両側にスライドドアを装備。電動となるパワースライドドア装着車には、機械的に自動展開、格納を可能にした「ユニバーサルステップ」がオプション設定される。また、パワースライドドア装着車には、後方から車両が接近してドアや降車した乗員と接触する可能性が高いと判断した場合、ドアの途中停止やオープン操作をキャンセルする「安心降車アシスト」(メーカーオプション)も設定される。

 乗車定員はキャプテンシートとベンチシートが選択可能な2列目、跳ね上げ式3人乗車の3列目となっており、7人乗りと8人乗りが選択可能。快適性を重視するユーザー、多人数乗車を重視するユーザー、どちらにも対応できる設定。ただし、ボディはついに5ナンバーサイズと決別し、4695×1730×1895mm(全長×全幅×全高[4WDは1925mm])と車幅を35mm拡大。そのぶん、Cピラー(2列目シート付近)間距離は先代より75mm広い1295mmを確保しており、今まで以上に余裕ある室内空間を実現した。

両側スライドドアを装備
オプションのユニバーサルステップ
機械式のため構造がスッキリ。価格も抑えられている

 バックドアもひと工夫。パワーバックドア装着車は開閉ボタンを車両側面に配置することで操作性を向上させたほか、任意の位置でストップ可能な機能を搭載。手動式のバックドアにも任意の角度で保持できる「フリーストップバックドア」を世界初採用。開閉スペースが狭い場所でも容易に荷物の出し入れが可能としている。

バックドアはルーフ部にヒンジがある跳ね上げ式
パワーバックドアの開閉スイッチ。車両後部にまわり込む必要がないのは使ってみるとかなり便利
任意の位置でストップ可能
こちらは手動タイプ。リール式充電ケーブルのような構造で物理的にドアを支える。必要ない場合はドア側のキャッチからカンタンに取り外すことが可能

 パワートレーンはガソリンエンジンとハイブリッドの2本立て。ハイブリッド車には直列4気筒DOHC 1.8リッターの「2ZR-FXE」ユニットを核とした新世代システムを搭載。新開発のパワー半導体を採用した「PCU(パワーコントロールユニット)」、小型化&高出力化を果たした「ハイブリッドトランスアクスル高出力モーター」、新開発のリチウムイオン電池セルを採用し出力を向上した「ハイブリッドバッテリ」などを組み合わせることにより、動力性能と燃費の向上を実現している。エンジンスペックは最高出力72kW(98PS)/5200rpm、最大トルク142Nm(14.5kgfm)/3600rpm。フロントモーターは「1VM」型を搭載しており、最高出力70kW(95PS)、最大トルク185Nm(18.9kgfm)となる。WLTCモード燃費は最良値で23.4km/L。また、2WD(FF)車に加え4WD車も設定されていて、こちらはリアをモーターで駆動する新型「E-Four」を採用しており、「1WM」型モーターは最高出力30kW(41PS)、最大トルク84Nm(8.6kgfm)を発揮。モーター出力向上により4WD作動領域や後輪へのトルク配分が拡大され、幅広いシチュエーションへの対応が可能となったのはうれしいところ。

ハイブリッド車のエンジンルーム

 一方のガソリンエンジン車には、直列4気筒DOHC 2.0リッターの「M20A-FKS」ユニットを搭載。最高出力125kW(170PS)/6600rpm、最大トルク202Nm(20.6kgfm)/4900rpmを発生。マニュアル感覚のシフトチェンジが楽しめる「10速シーケンシャルシフトマチック」が組み合わされ、WLTCモード燃費は最良値で15.1km/Lとなる。こちらも4WD車が用意されており、さらにタイヤがスリップしやすい状態で後輪に最適なトルクを配分する「ダイナミックトルクコントロール4WD」も採用している。

ガソリンエンジン車のエンジンルーム

 先進安全装備は最新の「トヨタセーフティセンス」を採用。車両や歩行者のほか自転車、自動二輪車(昼)を検知可能とした「プリクラッシュセーフティ」などを搭載。加えてトヨタ車では初となる「プロアクティブドライビングアシスト」、自動車専用道路において渋滞時(0km/h~約40km/h)にドライバーをサポートする「アドバンストドライブ(渋滞時支援)」なども用意されている。また、駐車をサポートする「アドバンストパーク」は縦列はもちろん、並列駐車時には前向き、後ろ向きの選択を可能としており、画面操作によりカンタンに利用することができるのも便利。また、スマートフォンにより駐車、出庫が可能なリモート機能も採用している。

トヨタセーフティセンスは単眼カメラとレーダー、ソナーを組み合わせたシステム
カンタンな操作で駐車をサポートしてくれるアドバンストパーク
リモート駐車にも対応

 AV系はディスプレイオーディオで統一。一部を除き8インチのHDディスプレイ(1280×720ピクセル)を採用した「ディスプレイオーディオ(コネクティッドナビ対応)」が標準。オプションで10インチHDディスプレイを採用する「ディスプレイオーディオ(コネクティッドナビ対応)Plus」を選択できる。ともに、オプションサービスとなる「T-Connect」へ加入することで、エージェント機能を含むコネクティッドナビや車内Wi-Fi(最大5台)が利用可能。後者の場合、ナビデータをローカルに持つため、T-Connect解約後もナビ機能が利用できる。

ディスプレイオーディオ(コネクティッドナビ対応)Plusは10インチのディスプレイを搭載
ナビ画面
エージェント機能も。ステレオマイクを装備しており発話者の位置を特定。助手席で「窓を開けて」と発話すると助手席側の窓を開けてくれる

 室内はシートアレンジを中心に利便性が高められた。とくに7人乗りのキャプテンシートにはオットマンを採用するなど快適性がアップ。また、従来モデルではロングスライド機構の使用時に、シートを横スライドさせて中央に寄せる必要があったが不要に。ワンタッチで広いスペースが確保できるようになった。3列目においても収納をワンタッチ化。跳ね上げた際にストラップでとめる必要がなくなり素早くアレンジすることが可能になっている。

広々とした運転席まわり
ベーシックモデルを除きステアリングは本革巻タイプ
ハイブリッド車のシフトまわり
ペダルまわり
Z系グレードのメーターパネル。中央に7インチの液晶パネルを使ったマルチインフォメーションディスプレイがつく
Z系グレードには左右独立温度コントロールエアコンとリアオートエアコンが標準
ステアリングコラム右側のスイッチ群
ルーフのスイッチパネル。マップランプのほかスライドドアやバックドアのスイッチを配置
運転席側のカップホルダー
フロントシート。Z系グレードは合成皮革とファブリックのコンビネーション
センターコンソール
後方は収納
運転席ドアトリム。カップホルダーのほか収納スペースも用意
アームレストにはパワーウィンドウなどのスイッチ
7人乗りの2列目はキャプテンシートを採用
オットマンを装備
最後部までスライドさせると相当に広いスペースが確保できる
シートの操作部。各レバーは前後スライド(右上)、オットマン(右下)、リクライニング(左)
リアエアコンの操作部。シートヒーターのスイッチも
Z系グレードには折りたたみ式の大型サイドテーブルを装備
ハイブリッド車のセンターコンソール後端にはAC100Vコンセントが備わる。Z系グレードは標準、そのほかはオプション
8人乗りの2列目はベンチシートになる
3列目シート。写真には映っていないが中央席用のヘッドレストもキチンと用意されている
カップホルダーも人数分用意
3列目の跳ね上げ用レバー
ワンタッチで収納できる
1&2列目、2&3列目でそれぞれフラット化が可能
フル乗車時のラゲッジスペース
3列目収納&2列目後方時
2列目を最前列にセットした場合は相当に広いラゲッジスペースが生まれる
ハイブリッド車はラゲッジルームにもAC100Vコンセントを用意。横の穴は3列目中央のヘッドレスト収納用

ヴォクシー

 スリムなアッパー部とブラックアウトされたアンダー部が特徴的なフロントマスクを採用。より押し出し感の強いキャラクターとなる。

 グレードは「S-G」「S-Z」の2タイプのみ。前者は7人乗りと8人乗りが選択可能で後者は7人乗りのみを設定。ノアと同じくハイブリッドのE-Four車は7人乗りのみとなる。価格はガソリン車がそれぞれ309万円、339万円。4WD車は19万8000円高。ハイブリッド車はそれぞれ344万円、374万円。E-Four車は22万円高となる。

撮影車両はS-Z。ボディカラーはマッシブグレー
エアロスタビライジングフィンは新型でも健在
こちらもS-Z。ボディカラーはマッシブグレー
サブウィンドウを設けることで前方視界を確保
ライトまわり
S-Zの2WD車は205/55R17タイヤを装着。そのほかは205/60R16になる

ノア

 先代モデルの印象を受け継ぎつつも、「面」を重視したフロントグリルやスクエアなヘッドライト形状などにより堂々としたスタイルを演出。メッキグリルやエアロパーツなどを装着したモデルも用意される。

 グレードはハイブリッド車、ガソリン車ともに「X」「G」「S-G」「Z」「S-Z」の5タイプ。S-GとS-Zがエアロモデルとなる。X、G、S-Gは7人乗りと8人乗りが選択可能で、ZとS-Zは7人乗りのみ。ただし、ハイブリッドのE-Four車は全グレードで7人乗りのみの設定となる。価格はガソリン車が267万円~332万円で4WD車は19万8000円高。ハイブリッド車は305万円~367万円。E-Four車は22万円高。

撮影車両はS-Z。ボディカラーはホワイトパールクリスタルシャイン
ライトまわり
S-Zの2WD車のみ205/55 R17タイヤが標準。そのほかは205/60 R16
撮影車両はZ。ボディカラーはスティールブロンドメタリック
標準形グレードはグリルがボディ同色になる