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ランドローバー、新型「レンジローバー」日本初公開 シンプルなデザインで「これまでで最も魅力的なレンジローバー」に

2022年1月17日 開催

1638万円~2775万円

新型「レンジローバー」とのフォトセッションを行なうジャガー・ランドローバー・ジャパン株式会社 代表取締役社長 マグナス・ハンソン氏(左)と、ジャガー・ランドローバー・ジャパン株式会社 マーケティング・広報部 ディレクター マシュー・スリース氏(右)

レンジローバー初の3列シート7人乗りをラインアップ

 ランドローバー(ジャガー・ランドローバー・ジャパン)は1月17日、第5世代となる新型「レンジローバー」の受注を開始。同日に行なわれた発表会において日本初公開した。価格は1638万円~2775万円。納車は今夏から開始となるが、PHEVとSVモデルは秋ごろとなる予定。

 新型レンジローバーのパワートレーンは直列6気筒 3.0リッターINGENIUMターボチャージド・ディーゼルエンジンのほか、直列6気筒 3.0リッターINGENIUMガソリンエンジンと105kWの電動モーターを組み合わせたプライグインハイブリッド(PHEV)、V型8気筒 4.4リッターツインスクロールターボチャージド・ガソリンエンジンの3種類をラインアップ。

 新たに加わった直列6気筒 3.0リッターINGENIUMガソリンエンジンと105kWの電動モーターを組み合わせたPHEVモデルは、最高出力375kW/510PSと、324kW/440PSの2種類を用意。PHEVの二酸化炭素排出量は30g/km未満にまで抑え、EVでの最大航続距離は100km(WLTP値、実航続距離は最大80km)で、一般的なレンジローバーユーザーの1回の走行距離の75%をフル電動のEVモードだけで走行可能としている。

 また、2024年には、ランドローバー初となるフルバッテリー電気自動車(BEV)も投入予定としている。

 ボディタイプはスタンダードホイールベース(SWB)とロングホイールベース(LWB)を用意し、シートレイアウトは4人乗り(SV LWBのみ)、5人乗りに加え、レンジローバー初となる3列7人乗り(LWBのみ)から選択可能としている。

あらゆるパワートレーンに対応できる最新アーキテクチャー「MLA-Flex」採用

 新型レンジローバーは、内燃エンジン(ICE)、PHEV、BEVといった、あらゆるパワートレーンに対応できるよう設計された最新アーキテクチャーである完全新設計の「MLA-Flex(flexible Modular Longitudinal Architecture)」を採用。先進のエアスプリングを使用した軽量でコンパクトな5リンク・リアアクスルをはじめ、ツインバルブモノチューブ・ダンパー、オールホイールステアリング、ダイナミックレスポンスプロなどを初めて採用し、ランドローバーの先駆的なインテグレーテッドシャシーコントロール(ICC)で制御することによって、レンジローバーならではのオフロード走破能力と穏やかな乗り心地を実現した。

 エクステリアでは、フロントグリルやエアインテーク、新開発のウエストレールフィニッシャーが作り出す切れ目のないウエストライン、フラッシュグレージングやシームレスなレーザー溶接などの最新技術を駆使した凹凸のないサーフェイスや、点灯時以外はブラックアウトしたリアランプなど、多くの新デザインを取り入れ、1つの塊から削り出したようなすっきりとした外観により、空気抵抗係数(Cd値)0.30を実現している。

 インテリアは、従来の上質なレザーに加え、手触りがよく革新的なテキスタイルのウルトラファブリックや高級テキスタイルメーカーKvadratとの共同開発によるウール混紡テキスタイルによる素材など、さまざまな素材、仕上げから好みに応じた選択が可能。ハプティックフィードバック機能付きの新開発13.1インチのフローティング式フルHDタッチスクリーンを装備した最新のインフォテインメント・システム「Pivi Pro」をはじめ、2つの11.4インチHDタッチスクリーンと8インチリアシートタッチスクリーンコントローラーからなるリアエンターテインメントシステム、スピーカーと照明を備えたテールゲートイベントスイートなど、利便性を高める機能も充実。静粛性を確保する第3世代となる新しいアクティブノイズキャンセレーションや、臭いやアレルゲン、ウイルスなどを大幅に低減させてクリーンで快適な室内空間を提供する「空気清浄システムプロ」(ナノイーX搭載、PM2.5フィルター付)といった新機能も初採用して、静寂でクリーンな空間としている。

SVOが手がける「SV」モデルを新導入

 ランドローバーのスペシャル・ビークル・オペレーションズ(SVO)の技術者が開発・設計を手がけ、ラグジュアリーとパーソナライゼーションを極めた「RANGE ROVER SV」を新たに導入。SV専用のデザインディテールやオプションを設定し、ツートンカラーになったシートや、セラミック素材を初採用している。

 レンジローバーのSVモデルでは、2つのデザインテーマ「SV SERENITY(エスブイ セレニティ)」「SV INTREPID(エスブイ イントレピッド)」を用意。SVモデルのLWBでは、4人乗りの「SVシグネチャースイート」を設定している。

 また、レンジローバーのSVモデル発売を記念して、日本独自で企画した60台限定特別仕様車「レンジローバー SV ローンチエディション」を設定。2つのデザインテーマに合わせて“モダン・ラグジュアリー”を体現するアイテムを特別装備している。

 レンジローバー SV ローンチエディションのパワートレーンはV型8気筒 4.4リッターガソリンエンジンのほか、直列6気筒 3.0リッターINGENIUMガソリンエンジンと105kWの電動モーターを組み合わせたPHEVの2種類。ボディタイプはSWBのみとなる。価格は2675万1000円~3323万6000円。

新型ランドローバー(LWB)
ボディサイズは5252mm×2047mm(ミラー折りたたみ時)/2209mm(ミラー展開時)×1870mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは3197mm。SWBは全長が5052mm、ホイールベースが2997mmとそれぞれ200mm短くなる。そのほかのサイズはRWBと共通。足下には新デザインの23インチアロイホイールを装着する
ランドローバーの特徴的なクラムシェルボンネットを継承しつつ、新デザインのフロントグリルを採用。フォグランプ、レーダー、パーキングセンサーを内蔵した水平デザインのフロントエアインテークも凹凸を限りなく少なくしたデザインに仕立てられている
120万個のmicroミラーで構成されるマイクロプロセッサーを内蔵して0.1度単位まで制御する高解像度アダプティブドライビングビームを備えたイメージプロジェクション機能付きデジタルLEDヘッドライトなど、先進技術も搭載する
インジケーターランプは「RANGE ROVER」のプレートに組み込まれ、リアランプはグロスブラックの単一パネルに内蔵され、点灯するまで分からないようになっている
新型レンジローバーの内装。インパネ中央にはハプティックフィードバック機能付きの新開発13,1インチのフローティング式フルHDタッチスクリーンを装備したインフォテインメント・システム「Pivi Pro」を備える
新型レンジローバー SV セレニティ
SV セレニティでは、コリンシアンブロンズのアクセントを随所に取り入れている
SV セレニティの内装。フロントとリアでシート色が異なり、シフトノブなどにはセラミックが用いられる。LWBの4人乗り仕様となるSVシグネチャースイートは独立のオットマン付きリアシートとなり、専用クーラーボックスやグラスなども装備され、ファーストクラスのような移動空間を提供する
テールゲートを開くとベンチになる「テールゲートイベントスイート」は“ポロ”の観戦やピクニックなどで活躍。専用のスピーカーと照明を備えているので、パーティー気分も盛り上がる
パワートレーンはMHEVを搭載する直列6気筒 3.0リッターINGENIUMディーゼルエンジン(左)、V型8気筒 4.4リッターツインスクロールターボチャージド・ガソリンエンジン(右)のほか、直列6気筒 3.0リッターINGENIUMガソリンエンジンと105kWの電動モーターを組み合わせた2種類の出力のPHEVモデルをラインアップする

電動化の未来に向けて1からデザインした初のランドローバー

 新型レンジローバーの発表会に登場したジャガー・ランドローバー・ジャパン 代表取締役社長 マグナス・ハンソン氏は、歴代のレンジローバーについて触れつつ「新しいレンジローバーはこれまでで最も魅力的であると自信を持って言えます」」と紹介。「モダンラグジュアリーは息をのむようなモダニストなデザインだけでなく、レンジローバーの全ての要素に表れております。革新的でサステナブルな素材の利用から、洗練されたエンジニアリングソリューションやシームレスなテクノロジーに至るまで、お客さまがご自身のクルマと生活からより多くの快適さを得られるように、新型レンジローバーは電動化の未来に向けて1からデザインした初のランドローバーでもあります」と、2024年に登場予定としている同社初のBEVの第1弾モデルとなることを述べた。

ジャガー・ランドローバー・ジャパン 代表取締役社長 マグナス・ハンソン氏

 また、日本でのラグジュラリーSUV需要が伸びていると話し、「コロナウイルスの影響やさまざまな供給面での制約も業界全体ではありましたが、日本市場では2021年、ランドローバーは過去最高の販売を記録しました。特に、新型ディフェンダーの高い需要が牽引しました。発売から2年近くになりますが、供給を上まわるひじょうに強い需要が続いております」と、2021年の販売台数について語った。

 ハンソン氏は最後に「新型の第5世代はこれまでで最も魅力的なレンジローバーで、モダンラグジュアリーSUVを一変するものとなっております。現行モデル以上にお客さまの需要が高まると期待しています。『レンジローバー ローンチエディション』が2021年10月に導入されましたが、間もなく完売となり幸先のよいスタートを切りました。新型レンジローバーは日本におけるランドローバーブランドという存在を50年以上の歴史で培ってきたその象徴的な伝統を継承しながら、より強固なものにしていくと確信しています」と期待を述べた。

 続けて登壇したジャガー・ランドローバー・ジャパン マーケティング・広報部 ディレクター マシュー・スリース氏は、「子供の頃からずっとレンジローバーに憧れてましたので、日本で皆さまに新型レンジローバーを紹介することができて大変光栄に思います」と喜びを述べつつ、新型レンジローバーのデザインについて「クルマのかたちを描く線や不要な飾りなどを最低限にして、とてもシンプルで純粋なフォームにしています。そうすることで、レンジローバーならではのラグジュアリーと洗練性を表現しています。お客さまが心から欲しくなるクルマ、または、お客さまとの感情的な繋がりを生み出すクルマを作るには、デザインは重要な存在になります」と説明。そのほかにも、搭載技術や先進テクノロジー、販売キャンペーンなどについて紹介した。

ジャガー・ランドローバー・ジャパン株式会社 マーケティング・広報部 ディレクター マシュー・スリース氏
最新アーキテクチャー「MLA-Flex」を採用
新しくなったPHEVはWLTPで100kmの航続距離を誇る(実航続距離は最大80km)
リアサスペンションシステムに搭載したアクチュエーターで、後輪のトー角を最大7.3度変化させ、ランドローバー史上最小の回転直径を実現するオールホイールステアリングを採用
ラグジュアリーでありながらも、ランドローバー車らしく悪路などの走破性能も備える
アクティブノイズキャンセリングの搭載や、MLA-Flexの採用により、静粛性は24%向上
ナノイーXを搭載し、臭いやアレルゲン、ウイルスを大幅に低減させる空気清浄システムプロを採用する