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横浜ゴム、スーパーフォーミュラに2023年以降もタイヤ供給を継続 サステナブル素材を活用したレーシングタイヤ開発を開始

2022年2月17日 発表

SF NEXT 50 テストカーイメージ(PlayStation4用ソフトウェア「グランツーリスモSPORT」にて制作したもの (C)2019 Sony Interactive Entertainment Inc. Developed by Polyphony Digital Inc.)

自然由来の配合剤や廃タイヤの再生ゴムなどを利用

 横浜ゴムは2月17日、2016年からワンメイクタイヤサプライヤーを務める「全日本スーパーフォーミュラ選手権」(以下、スーパーフォーミュラ)に、2023年以降も複数年にわたりADVANレーシングタイヤを継続供給すると発表した。2023年以降はサステナブル素材を活用したレーシングタイヤを供給する予定で、今年から開発をスタートさせるとしている。

 サステナブル素材を活用したレーシングタイヤの供給は、スーパーフォーミュラを統括する日本レースプロモーション(JRP)が2021年10月に発表したSDGsやカーボンニュートラルなど自動車、モータースポーツ業界を取り巻く環境変化に対応するため、サステナブルなモータースポーツ業界づくりを目的としてさまざまな企業とともに推進していくプロジェクト「SUPER FORMULA NEXT50(ゴー)」に賛同して実施されるもの。

開発用レーシングタイヤのイメージ

 横浜ゴムはこれまで、2016年に開催の「ゴム・エラストマー技術展」や、2019年の「第46回東京モーターショー」において、バイオマスから合成ゴムを生成する技術やリサイクル可能な熱可塑性ゴムの研究など、サステナブル素材の研究開発に関する発表をしている。

 今回新たに開発するタイヤには、米の籾殻から生成したシリカ、アブラヤシの実やオレンジの皮から生成したオイルなど、各種自然由来の配合剤を活用するとしている。また、廃タイヤから再生したゴムなども再利用するという。

 この開発では走行性能を損なわずにサステナブル素材を採用していくことを目標とし、今シーズンのスーパーフォーミュラ各大会の前後の日程でJRPが行なう次期フォーミュラカーの開発テストにおいて共同でタイヤテストを行ない、シーズン終了時までに2023年仕様のコントロールタイヤを確定する予定としている。

 なお、2023年以降もタイヤの開発を継続し、2025年にはスポーツ性能を犠牲にすることなくサステナブル素材を35%以上使用したコントロールタイヤの供給を目指すとしている。

日本レースプロモーション代表取締役社長 上野禎久氏のコメント

 横浜ゴムさまとはこれまでも、スーパーフォーミュラを盛り上げるために一緒に歩んでまいりましたが、今回のSF NEXT50プロジェクトを通じて、さらなるチャレンジを共に進めていただけることを、大変うれしく思っております。カーボンニュートラルに向けて、環境負荷の少ないレーシングタイヤを開発いただくと同時に、「世界と肩を並べる最高峰のフォーミュラカーレースにふさわしいタイヤとは何か?」を、共に探してまいりたいと思います。そしてこのサステナブルレーシングタイヤの開発が、将来のモータースポーツ業界、そして自動車業界にとって重要な一歩になるよう、レースプロモーターとしてスーパーフォーミュラの価値向上に努めてまいります。

横浜ゴム代表取締役社長 山石昌孝氏のコメント

 JRPさまのSF NEXT50のサステナブルなモータースポーツ活動のコンセプトに賛同し、2023年以降のワンメイク供給を継続するとともに、サステナブル素材を採用したレーシングタイヤの開発に取り組んでまいります。当社はこのESG活動をタイヤ消費財における「高付加価値品比率の最大化」に向けた事業活動の1つとして捉えています。今後の再生可能原料およびリサイクル原料の使用の拡大にあたり、それが走行性能を損なうことなき技術として実用化することを目的に、国内最高峰レースである「SUPER FORMULA」というモータースポーツの極限の世界を開発の場として、積極的な技術開発を行なってまいります。

横浜ゴムと国内外フォーミュラカーレースの歴史

・1974年:「全日本FJ1300」にタイヤ供給を開始
・1979年:「全日本フォーミュラ・パシフィック選手権」にタイヤ供給を開始
・1980年:トップフォーミュラである「全日本F2選手権」にADVANレーシングタイヤの供給を開始
・1981年:「全日本F3選手権」に参戦
・1982年:「欧州F3選手権」にタイヤ供給を開始。ヨコハマタイヤ装着車が同年にシーズン3回、翌年、翌々年にそれぞれ4回優勝。「全日本F2選手権」で「TEAM ADVAN」として参戦した「ADVAN 東名マーチ(822/BMW)」が初優勝
・1983年:世界各国で開催されるF3選手権のランキング上位者が集い、F3世界一決定戦として位置づけられる大会である「マカオF3グランプリ」へのワンメイク供給を開始。ワンメイク供給は、2015年までの33年間継続した
・1984年:「全日本F2選手権」で後にF1ドライバーとなったステファン・ヨハンソンがADVANマシンでシーズン3勝を飾る。「全日本F3選手権」でシリーズチャンピオン獲得
・1987年:「全日本F2選手権」が「全日本F3000選手権」に移行した後も高橋国光氏、和田孝夫氏、影山正美氏などをドライバーに迎えADVANマシンでの参戦を継続
・1988年:米国の「フォーミュラ・パシフィック」でワンメイクタイヤサプライヤーを務める
・1996年:「全日本F3000選手権」が「フォーミュラ・ニッポン」に改称
・1997年:「フォーミュラ・ニッポン」が他社のワンメイクタイヤレースとなり撤退
・1998年:「スペインF3選手権」でワンメイクタイヤサプライヤーを務める
・2000年:「ドイツF3選手権」でワンメイクタイヤサプライヤーを務める
・2001年:「オーストラリアF3選手権」でワンメイクタイヤサプライヤーを務める
・2016年:「全日本スーパーフォーミュラ選手権」のワンメイクタイヤサプライヤーに決定し、再びトップフォーミュラへのタイヤ供給を開始