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横浜ゴム、新グローバルフラグシップタイヤ「アドバン スポーツ V107」の魅力に迫るオンラインイベント 日本とドイツを繋いで開催

2022年2月24日20時 開催

横浜ゴムのグローバルオンラインイベントが開催された

レーシングドライバーや開発者、テストドライバーが開発秘話を語る

 横浜ゴムは2月24日、3月より全世界で順次発売する新グローバルフラグシップタイヤ「ADVAN Sport V107(アドバン スポーツ ブイイチマルナナ)」への理解や興味をグローバルで高めるためのオンラインイベントを「アドバン スポーツ V107 特設Webサイト」および「横浜ゴムYouTube公式チャンネル」で開催した。

 イベントは横浜ゴムの本社がある日本と、開発評価の主なステージとなっているドイツのニュルブルクリンクを繋ぎ、ゲストを交えて進められた。日本側のナビゲーターはテレビやラジオ、モータースポーツの実況や自動車イベントの司会などでお馴染みのサッシャ氏。ドイツ側のナビゲーターは、女優のイヴ・シェール氏が務めた。

日本側のナビゲーターを務めたサッシャ氏
イベントは日本とドイツを繋いで行なわれた

 イヴ・シェール氏は、ニュルブルクリンクがとても過酷なコースで有名であることに加え、横浜ゴムはもちろん、数々の自動車メーカーやタイヤメーカーなどが評価の拠点にしていると紹介。

 また、サッシャ氏は本日の主役であるアドバン スポーツ V107が、「前モデルのアドバン スポーツ V105から、運動性能、安全性能、快適性能の高次元でのバランスを踏襲しながら、さらに高速での安定性が高められている」と解説。また「ドライヤウェットでのハンドリング性能や制動性能が優れていて、天候に左右されずにしっかり走れることが特徴で、プレミアムハイパフォーマンスカーやプレミアムハイパフォーマンスSUVはもちろん、プレミアムEV(電気自動車)など、さまざまな車種にふさわしい性能とサイズラインアップを実現している」と解説した。

イベントの主役であるアドバン スポーツ V107
前モデルのアドバン スポーツ V105と新製品アドバン スポーツ V107の性能比較グラフ
すでに多くの欧州車の新車装着タイヤに選定されているアドバン スポーツ V107

 続いては、2022年シーズンも「BMW M4 GT3」でNLS(ニュルブルクリンク耐久シリーズ)に参戦予定というレーシングドライバーのヨルグ・ミューラー選手が登場。2021年シーズンでは、ヴァルケンホルスト・モータースポーツが、予選でコースレコードをマークし、決勝でさらにそのコースレコードを塗り替えたことを紹介。また、横浜ゴムのエンジニアが、FRとFFのどちらの駆動方式でも同等のパフォーマンスが発揮できるタイヤを開発してくれていると、技術力の高さを称賛した。

 また、新製品のアドバン スポーツ V107で初めて走った時のことについて「特にウェット路面でのグリップとコントロール性に驚いた」と評価。そのほかにも、今までは高速性能を高めようとすると何かを犠牲にする必要があったが、アドバン スポーツ V107は犠牲を出すことなく「すべての面で大変優れている。フロントとリアのバランスが素晴らしく、長距離を走っても快適」と感想を語った。

 さらに、元F1ドライバーの片山右京氏も登場し、「路面の繋ぎ目などでも荷重のかかり方もスムーズで、運転していて気持ちがいいタイヤ。速度とケース剛性の上がり方が比例していて、先が読みやすく安心できる」など、高速道路での実走インプレッションを行なった。また、一般道も走行し、「サーキットでも耐えうる高性能と街中での快適性能という2つの顔を持っていることにカルチャーショックを受けた。とにかく乗り心地を味わってほしい」とまとめた。

アドバン スポーツ V107の感想を語るレーシングドライバーのヨルグ・ミューラー選手
片山右京氏による実走インプレッション

 プロドライバーによるインプレッションの後は、開発者インタビュー。ポルシェに初めて採用された経緯や、自動車メーカーとの開発プロセス、苦労話などが語られた。さらに、ウェット性能の開発についても深掘りした解説が行なわれた。

 また、タイヤ製品開発本部長の清宮眞二氏は、ドライやウェットでのハンドリング性能や制動性能、静粛性や低燃費性などは自動車メーカーとの共同開発で培われてきたこと、モータースポーツ活動が総合的な技術進歩に繋がっているなど、創業100周年を超える歴史の中でさまざまなカテゴリーのタイヤを開発することで技術を高めてきたことを紹介した。加えて、今後のサスティナビリティに関する活動や、AIの活用をスタートしていることにも触れ、「よりタイヤの付加価値を高めていきます」と語った。

さまざまなポルシェが採用している
開発現場の模様
タイヤ製品開発本部長の清宮眞二氏

ドイツにあるYOKOHAMAテストセンターの内部を公開

 ここではテストセンターのシニアマネージャーのトースティン・タイス氏が登場し、「ニュルブルクリンクは全長が20km以上あり、アップダウンが激しく、コーナーも多く、非常に高速なコースなので、タイヤにとってストレスが大きい」と、ニュルブルクリンクでテストすることの意義を語ってくれた。また、1つのコースでテストするだけでは正しい評価にはならず、制動距離やウェット性能、アクアプレーニングなどいろいろなことをチェックする必要があることから、スペインのバルセロナ近くにあるIDIADAという総合試験場でもテストを行なっていると紹介。

 このテストセンターで主に行なっているのは、自動車メーカー純正タイヤと市販用タイヤのテストで、主観的なフィーリングと客観的な計測データをとり、それを日本の設計者へ送っているという。タイス氏は「倉庫には最大で600本ほど在庫でき、年間約7000本のタイヤをテストしている」と明かした。

 また、サッシャ氏が冬用タイヤの開発について質問すると、冬用タイヤはスウェーデンのテストコースで行なっていると紹介した。続いて日本人との仕事に関して聞かれたタイス氏は、「徹底的に追求する姿勢や時間の正確性など日本人とドイツ人は性格が似ていて、とてもフレンドリーな関係」と語った。

 さらにテストセンターでテストドライバーを務めるニコ・パフェンホルツ氏も登場。日本からのテストの指示や、冷えた状態から温めた状態など自身が行なっているテストの流れなどを解説した。

テストセンターのシニアマネージャーのトースティン・タイス氏
テストセンター外観。周囲にはさまざまなメーカーの開発拠点があるという。手前の建物にはサスペンションメーカー「オーリンズ」のロゴも見られる
冬用タイヤの開発を行なうスウェーデンのテストコース
テストドライバーのニコ・パフェンホルツ氏

 最後はニュルブルクリンクの特設スタジオから、レーシングドライバーのヨルグ・ミューラー選手とテストドライバーのニコ・パフェンホルツ氏とイヴ・シェール氏の3名によるトークセッションを実施。ミューラー選手は「ニュルブルクリンクは普通の道路と同じようにいろんな道の特徴を持っているけれど、対向車がこないので安心してテストが行なえる」と説明。パフェンホルツ氏は新製品のアドバン スポーツ V107について「高速度域で最高のパフォーマンスを発揮して、さらに日常の走行でも高い性能を発揮できるように完璧な組み合わせを求めたタイヤ」だと解説した。

 ミューラー選手はイヴ氏からニュルブルクリンクは好きか嫌いか問われると、「大好き、とても愛している」と回答。その理由として、歴史があること、いろいろなコーナーがあること、さまざまな路面があることなどを挙げた。他にも好きなレストランなどニュルブルクリンクにまつわるトークが繰り広げられた。

ニュルブルクリンクのスタジオではゲストを招いてトークセッションが行なわれた
YOKOHAMA「ADVAN Global Online Event」(45分43秒)