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SUPER GT開幕戦岡山、GT500はルーキーレーシングの14号車GR Supraが優勝 GT300はコンドーレーシングの56号車GT-Rが優勝し、いずれも2年連続開幕戦優勝

開幕戦岡山を優勝した14号車 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太組、BS)

 SUPER GT開幕戦の決勝が4月17日、岡山国際サーキット(岡山県美作市)で開催された。GT500は予選でポールポジションを獲得した14号車 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太組、BS)がポールトゥウインで優勝した。2位は100号車 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組、BS)、3位はこのレースがニッサンZのデビューレースとなった23号車 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)。

 GT300は予選5位から序盤に順位を上げた56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組、YH)が中盤からレースを支配して優勝した。2位は18号車 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/太田格之進組、YH)、3位は後半追い上げた65号車 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗組、BS)。

 ポールポジションからスタートした61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)は、ピットストップ後にエンジンが再始動できずタイムをロスするなど順位を下げ、最終的に10位でゴールした(レース終了後、他車がペナルティを受け9位に繰り上がる)。

【FULL RACE】2022 AUTOBACS SUPER GT Round1 OKAYAMA GT 300km RACE FINAL

GT300決勝:56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rが2年連続で開幕戦を制覇

岡山決勝ダイジェスト GT300 リアライズGT-Rが乱戦を制し、開幕戦勝利!
優勝した56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組、YH)

 GT300のスタートは、GT500と同様大きな波乱もなく予選順位どおりに1コーナーに進入していった。GT300はトップから5位までが5秒以内という状況が続き、ポールスタートでトップを走る61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)は、2位以下を引き離せない状況が続く。

GT300のスタートシーン

 2位は10号車 TANAX GAINER GT-R(富田竜一郎/大草りき組、DL)、3位は56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組、YH)という順位でレースが進展していった。

 レースが大きく動いたのは25周目。10号車 TANAX GAINER GT-Rが徐々に後退していった後、2位に上がっていた56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rが、61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTをオーバーテイクしトップに立った。

 39周目に2位を走っていた61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTはピットに入ったが、作業後にエンジンがなかなか再始動せず、タイムをロスしてしまう。ポールポジションからスタートBRZは、ピット作業を終えた集団の中で9位と順位を大きく下げてしまった。

ポールポジションの61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)はピット作業でのミスが響き10位に終わった(レース終了後、他車がペナルティを受け、9位に繰り上がる)

 トップを走っていた56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rは、ピット作業後も、作業終了組のトップでコースに戻った。2位は18号車 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/太田格之進組、YH)、3位は9号車 PACIFIC hololive NAC Ferrari(ケイ・コッツォリーノ/横溝直輝組、YH)で、上位3台に優勝争いは絞られた形になった。

 レースは序盤でBRZを抜いてトップに立った56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rがピット作業以外で一度もトップの座を譲ることなく、そのままゴールし優勝した。56号車は2021年の開幕戦も優勝しており、開幕戦2連勝となった。

 2位は18号車 UPGARAGE NSX GT3、3位は終盤追い上げて9号車をオーバーテイクした65号車 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗組、BS)。

 9位までFIA GT3規定の車両が入り、日本独自のGT300規格トップは61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTの10位となった(レース終了後、9位に入っていた55号車ARTA NSX GT3が「危険なドライブ行為」で40秒のタイム加算のペナルティを受け15位に。BRZは正式結果で9位となった)。

2位に入った18号車 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/太田格之進組、YH)
3位になった65号車 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗組、BS)
4位、9号車 PACIFIC hololive NAC Ferrari(ケイ・コッツォリーノ/横溝直輝組、YH)
6号車 Team LeMans Audi R8 LMS(本山哲/片山義章組、YH)
10号車 TANAX GAINER GT-R(富田竜一郎/大草りき組、DL)
優勝したジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手(左)、藤波清斗選手(右)
GT300の表彰台

GT300 第1戦岡山 決勝結果

順位カーナンバーマシンドライバータイヤ周回数
156リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラYH77
218UPGARAGE NSX GT3小林崇志/太田格之進YH77
365LEON PYRAMID AMG蒲生尚弥/篠原拓朗BS77
49PACIFIC hololive NAC Ferrariケイ・コッツォリーノ/横溝直輝YH77
56Team LeMans Audi R8 LMS本山哲/片山義章YH76
610TANAX GAINER GT-R富田竜一郎/大草りきDL76
74グッドスマイル 初音ミク AMG谷口信輝/片岡龍也YH76
887Bamboo Airways ランボルギーニ GT3松浦孝亮/坂口夏月YH76
961SUBARU BRZ R&D SPORT井口卓人/山内英輝DL76
1011GAINER TANAX GT-R安田裕信/石川京侍DL76
1134BUSOU raffinee GT-R柳田真孝/井出有治DL76
1260Syntium LMcorsa GR Supra GT吉本大樹/河野駿佑DL76
1330apr GR86 GT永井宏明/織戸学YH76
1420シェイドレーシング GR86 GT平中克幸/清水英志郎DL76
1555ARTA NSX GT3武藤英紀/木村偉織BS76
1650Arnage MC86加納政樹/阪口良平YH76
1788Weibo Primez ランボルギーニ GT3小暮卓史/元嶋佑弥YH76
185マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号冨林勇佑/平木玲次YH76
1931apr GR SPORT PRIUS GT嵯峨宏紀/中山友貴BS75
202muta Racing GR86 GT加藤寛規/堤優威BS75
21360RUNUP RIVAUX GT-R青木孝行/田中篤YH75
2225HOPPY Schatz GR Supra松井孝允/野中誠太YH74
2348植毛ケーズフロンティア GT-R井田太陽/田中優暉YH74
247Studie BMW M4荒聖治/アウグスト・ファルフスMI70
2522アールキューズ AMG GT3和田久/城内政樹YH69
2652埼玉トヨペットGB GR Supra GT吉田広樹/川合孝汰BS65
2796K-tunes RC F GT3新田守男/高木真一DL61

GT500決勝:14号車 ENEOS X PRIME GR Supraがポールトゥウインで開幕戦2連勝、NSX-GT 2位、新型Z 3位と3メーカーが表彰台を分け合う

岡山決勝ダイジェスト GT500 驚速 ENEOS GRスープラがポール・トゥ・ウィン!
GT500のスタートシーン

 GT500のスタートは、全車無事に1コーナーに進入していった。序盤はポールポジションを奪った14号車 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太組、BS)が2番手の39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一組、BS)を引き離す展開に。

 39号車は3位の100号車 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組、BS)に激しく追い上げられ、だんだんとトップグループから引き離される展開になった。2位以下が争っている内に、トップの14号車は逃げに入り、15周目には10秒以上の差をつけることになった。

 規定の1/3を超える周回となる30周目に、ルーティンのピット作業が始まった。いち早くピットに入ったのは2位に上がっていた38号車 ZENT CERUMO GR Supraと4位の100号車 STANLEY NSX-GT。特に100号車 STANLEY NSX-GTは、前を走る39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supraをコース上では抜けないこともあり、アンダーカットを狙った形になる。

2位に入った100号車 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組、BS)

 その翌周にはトップを独走していた14号車 ENEOS X PRIME GR Supraがピットイン。14号車は若干長めのピットストップになってしまったが、2位とは大差であったため、ピット作業を終えた組の中でトップに留まることに成功した。

 このピットストップで、39号車は短いピットストップに成功。同じく5位だった12号車 カルソニック IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット組、BS)も同様に短いピットストップで、38号車、100号車の前に出ることに成功した。

 ほぼ全車がピット作業を終えると、トップは2位に10秒以上の大差をつけた14号車 ENEOS X PRIME GR Supra、2位は12号車 カルソニック IMPUL Z、3位は38号車 ZENT CERUMO GR Supra、4位は39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra、5位は100号車 STANLEY NSX-GTの順になっていた。

 レース終盤に100号車 STANLEY NSX-GTが2位にあがり、3位には23号車 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)が上がってきた。

中盤から終盤の2位以下の争いはトレイン状態で続いた

 残り4周、出されていたたFCY(フルコースイエロー)が解除された時点で、トップの14号車と2位100号車の差はわずかに2秒まで縮まっていた。しかし、そこから14号車はラストスパート。最終ラップの段階でも約2秒の差をつけることに成功した。

終盤FCYが出る原因になったGT500車両とGT300車両の接触、GT500車両のリアハッチが飛んでいったが、走り続けることができた

 14号車はその差を維持してファイナルラップを終え、チェッカーを受けて優勝した。14号車は2021年の開幕戦でも優勝しており、GT300の56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rとともに、開幕戦2連勝となった。

 2位は100号車 STANLEY NSX-GT、3位は予選では9位と下位に沈んでしまった23号車 MOTUL AUTECH Zがレースで追い上げて新型Zのデビューレースで表彰台を獲得した。

3位になった23号車 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)
4位、38号車 ZENT CERUMO GR Supra
5位、3号車 CRAFTSPORTS MOTUL Z(千代勝正/高星明誠組、MI)
6位、36号車 au TOM'S GR Supra(坪井翔/ジュリアーノ・アレジ組、BS)
優勝した大嶋和也選手(左)と山下健太選手(右)
GT500の表彰台

GT500 第1戦岡山 決勝結果

順位カーナンバーマシンドライバータイヤ周回数
114ENEOS X PRIME GR Supra大嶋和也/山下健太BS82
2100STANLEY NSX-GT山本尚貴/牧野任祐BS82
323MOTUL AUTECH Z松田次生/ロニー・クインタレッリMI82
438ZENT CERUMO GR Supra立川祐路/石浦宏明BS82
53CRAFTSPORTS MOTUL Z千代勝正/高星明誠MI82
636au TOM'S GR Supra坪井翔/ジュリアーノ・アレジBS82
712カルソニック IMPUL Z平峰一貴/ベルトラン・バゲットBS82
839DENSO KOBELCO SARD GR Supra関口雄飛/中山雄一BS82
917Astemo NSX-GT塚越広大/松下信治BS82
108ARTA NSX-GT野尻智紀/福住仁嶺BS82
1137KeePer TOM'S GR Supraサッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋BS82
1216Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT笹原右京/大湯都史樹DL82
1319WedsSport ADVAN GR Supra国本雄資/阪口晴南YH81
1424リアライズコーポレーション ADVAN Z佐々木大樹/平手晃平YH81
1564Modulo NSX-GT伊沢拓也/大津弘樹DL81