BMW M、初のプラグインハイブリッドモデル新型「XM」の最終テスト実施 2022年末デビュー予定

V8エンジンとモーターで650PS/800Nmを発生

　BMWは5月16日（現地時間）、Mハイブリッド・ドライブ・システムと、専用のMサスペンションテクノロジを統合し、卓越したダイナミックなドライビング体験を提供するBMW M社初のプラグインハイブリッドモデルである新型「XM」の最終テストが間もなく完了すると発表した。

　最終テストを行なっている新型「XM」は、2021年12月に公開されたプラグインハイブリッドモデルの「コンセプトXM」の市販モデルで、新開発のV型8気筒ガソリンエンジンと電気モーターの組み合わせにより、システム最高出力は480KW（650PS）、最高トルクは800Nmを発生。電動化モデル初の専用M xDrive（四輪駆動）システムによって、パワーを効率的に路面に伝達。また、EVモードでの航続距離は約80km（WLTP）で、市街地だけでなく郊外でも、ほぼ無音で排ガスのない走行を可能としている。

カモフラージュした状態で最終テストを実施する新型「XM」

　約50：50の前後車軸荷重配分と専用スプリングと、電子制御式ショックアブソーバーを採用したアダプティブMプロフェッショナルサスペンションを標準装備し、BMW M社として初めて48Vテクノロジを採用した電気機械式ロールスタビライザーシステムも搭載。

　また、俊敏性とコーナリングダイナミクスを高めるとともに、車線変更時の走行安定性を向上させる「インテグラル・アクティブ・ステアリング」もBMW M社として初めて標準装備とし、路面の凹凸によるロールを抑えるとともに車高をアクティブに調整してくれる「アクティブ・ロール・コンフォート機能」も追加可能となっている。

　ブレーキもM専用の最新世代の統合ブレーキシステムで、オプションの最大23インチのMライトアロイホイールが組み合わせられ、ダイナミックな走行シーンでも的確にコントロールできるハンドリングを実現している。

　一般道でのテスト走行では、開発エンジニアとテストエンジニアが非常に厳しく多様なルートプロファイルを設定し、高速道路での中間スプリントから、曲がりくねった田舎道、市街地でのストップ＆ゴーまで、さまざまな条件下で、Mハイブリッド・ドライブ・システムの制御を詳細にテスト。また、リア・アクスル・トランスミッションの電子制御ディファレンシャルロックを含むM xDriveシステムのドライビング・ダイナミクスの潜在能力を実証するために、急勾配の山道や狭い蛇行した道路など理想的な地形でもテストを行なったとしている。

　この新型「XM」のワールドプレミアは、BMW M社の創立50周年記念に合わせられるとしていて、2022年12月に米国のBMWグループのスパータンバーグ工場に生産が開始される予定という。

カモフラージュされた状態の新型「XM」のインテリア

　BMW M社の取締役会会長であるフランシスカス・ファン・ミール氏は「記念すべき年の終わりに、未来を見据えたBMW XMを発表します。電動化はまぎれもないMのフィーリングを魅力的な方法で実証し、それを路面に伝える新たな機会を与えてくれる。駆動技術がどのようなものであっても、私たちのパフォーマンスカーやハイパフォーマンスカーは、将来にわたって本物のMのキャラクターを持ち続けるでしょう」と述べている。