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レクサス、新型ラグジュアリーSUV「RX」を世界初公開 PHEVなど多彩なパワートレーンに加え、「DIRECT4」搭載パフォーマンスモデルもラインアップ
2022年6月1日 09:00
- 2022年6月1日 発表
レクサスのコアモデルである新型ラグジュアリーSUV「RX」
レクサス(トヨタ自動車)は6月1日、新型ラグジュアリーSUV「RX」を世界初公開した。RXは1998年北米にてラグジュアリーSUVのパイオニアとして誕生。2005年にはレクサス初のHEV(ハイブリッド車)モデル「RX400h」を発売し、ラグジュアリーSUV市場に初めてHEVモデルを導入した。1998年から2022年4月末時点まで、約95の国と地域で累計約350万台を販売し、レクサスのコアモデルとなっている。
今回世界初公開された5代目となる新型RXは、ラグジュアリーSUV市場のパイオニアであり、レクサスブランドを牽引するグローバルコアモデルであるからこそ変革に挑戦し、全面刷新を遂げたという。
新型RXでは、大きく2つの項目で挑戦したという。1つ目は「対話できるクルマ、走って楽しいクルマ」への挑戦。「NX」以降のレクサスは走りのよさを追求しており、新型RXでは上質な乗り心地と高い静粛性を大切にしながら「Lexus Driving Signature」をさらに進化させている。RX500h F SPORT PerformanceではバッテリEV「RZ」に続き、電動化技術を活用した四輪駆動力システム「DIRECT4」を採用した。
2つ目の挑戦はデザイン。レクサスならではのデザインフィロソフィとしてスピンドルグリルから始まる「L-finesse」を追求してきたが、スピンドルグリルだけの表現でなく、「スピンドルボディ」としてボディ全体でスピンドルイメージを表現している。これは、来たるべき電動化時代を見すえ、グリルだけでなくボディ全体でレクサスデザインを表現しようというものになる。このスピンドルは豊田佐吉氏が1924年に発明した「G型自動織機」に用いられた、よこ糸を通す部品「シャトル」を由来としており、深い思いが込められている。
世界初公開された新型RXのプロトタイプのボディサイズは4890×1920×1695mm(全長×全幅×全高)。従来型RXに比べて、全長は変わらず、全幅を25mm拡大、全高を10mm(地域仕様によって異なる)低くした。
ホイールベースは60mm長くなり2850mm。これはレクサスのラージサイスSUV「LX」と同じで、広い室内空間を実現することが可能になっている。
プラットフォームはGA-Kの改良プラットフォームを採用。軽量化と低床化を図ることで、重心高を従来型から15mm下げている。ホイールベースの60mm、トレッドの前15mm、後45mmずつ拡幅により、ヨー慣性モーメントを低減させるパッケージとしている。
ボディ各部においては、マルチリンク式サスペンションの採用にあわせてGA-Kプラットフォームのリア部分を新たに開発。ねじり剛性の高いリアボディの骨格配置を採用し、リアサスペンションおよびリアサスペンションメンバーの取り付け部は、高い着力点剛性を確保している。骨格の接合においては、レーザースクリューウェルディング(LSW)や構造用接着剤に加え、短いピッチで溶接を可能とする短ピッチ打点技術を採用。接合剛性を高めている。
フロントフェンダーのアルミ化や、Bピラーには世界初となる安全性と軽量化を両立した2GPa級のホットスタンプ材を採用するなど、車両重量を従来型比で90kgの軽量化。徹底した軽量化で重心高の低減や操縦安定性の向上に寄与したとする。
フロントまわりの風の流れを適正化したことにより、Cd値の低減だけでなく、すぐれたブレーキ冷却性も確保。また、床下ではエンジンアンダーカバーにディンプル形状を設け、微小渦を床下に発生させることで、接地感を高めるとともに、高速域の走行安定性を向上させている。さらに、ドア意匠面からガラス面までの段差最小化による高い整流効果や、リアスポイラー後端の形状と門型スポイラーの形状工夫により、流れる空気の乱流抑制効果が働き操縦安定性が向上したという。
新型RXに用意された多彩なパワートレーン
新型RXではカーボンニュートラルへの貢献、多様化するユーザーニーズに応えるため多彩なパワートレーンをラインアップ。RX500h(直列4気筒2.4リッターターボ ハイブリッド)、RX450h+(直列4気筒2.5リッター プラグインハイブリッド)、RX350h(直列4気筒2.5リッター ハイブリッド)、RX350(直列4気筒2.4リッターターボ)をラインアップ。RX500hとRX450h+はAWD、RX350hとRX350にはAWDまたはFFのドライブトレーンが用意されている。
RX500h F SPORT Performanceでは、高トルクな2.4リッターターボとモーターのフロントユニット、リア搭載の高出力モーター「eAxle(イーアクスル)」を組み合わせたハイブリッドシステムによるDIRECT4を採用。
DIRECT4では、輪速センサー、加速度センサー、舵角センサーなどの情報を用いて、前後輪の駆動力配分比を100:0~20:80の間で制御。発進加速性、操縦安定性の向上、低燃費に貢献するという。
走りの楽しさを最大化させるコクピット
レクサス伝統のコクピットデザイン「Tazuna Concept」に基づき、人が馬を操る際に使う「手綱」に着想を得て、ステアリングスイッチとヘッドアップディスプレイを連携。視線移動や煩雑なスイッチ操作を減らし、運転に集中しながらナビやオーディオなど各種機能の操作できる空間を構築。大型のセンタータッチディスプレイを採用し、多くの機能をディスプレイ内に集約しつつ、スイッチのサイズや形、レイアウト、表示情報など細部にまでこだわり、各機能の使用頻度も考慮しながら直感的に操作できる最適な配置と形状を追求したという。
水平的な空間の広がりを感じさせるインストルメントパネルを採用するとともに、メーターフードからドアトリムまでおおらかにつながる造形によって、開放的な空間の広がりを実現。また、インストルメントパネル周辺に採用したマルチカラーイルミネーションにより、夜間でも広がりと包まれている雰囲気を感じられる空間を演出している。
ラゲッジスペースは、バックドアトリムの薄型化やローディングハイトの30mm低減により、荷室長を50mm拡大。77Lと63Lのスーツケース各2個の計4個、または9.5インチのゴルフバッグ4個を収納可能とした。
エクステリアカラーは、新たな金属質感表現を追求した「ソニックカッパー」を採用。レクサス独自のソニック技術による金属質感表現と豊かな色彩の調和により、時の移ろいの中で力強さや華やかさを演出。陰影感を強調するソニックイリジウムやSUVとしての力強さを表現する有彩色テレーンカーキなど、全11色をラインアップ。
インテリアカラーは、品格のある空間を演出する新規開発色「ダークセピア」をはじめ、合計6色を設定。オーナメントパネルは、コクピットからのつながりと、インストルメントパネルやコンソールの造形を強調するブラックカラーを基調とした新規開発の「ブラックヘリンボーンパターンフィルム」、奥ゆかしさや華やかさを演出する落ち着いた色調が特徴の新規開発「ミディアムブラウンバンブー」などが設定されている。