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富士SUPER TEC24時間レース、62号車 HELM MOTORSPORTS GTR GT3が760周を走行して優勝

56台が9つのクラスからエントリー24時間レースは競われた

 国内でもっとも過酷なレースとして知られる、スーパー耐久シリーズ第2戦「NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース」が6月4日~5日の2日間にわたり富士スピードウェイで開催された。

 予選日となった6月3日、一時的な豪雨によって走行が中断することがあったものの、決勝レース日となった4日~5日は陽が差し込むタイミングもあり過ごしやすい気候の中で競われることとなった。大会入場者数は6月3日の予選日が4500人、4日決勝日が1万6900人、5日決勝日が1万6700人で、大会総入場者数が述べ3万8100人。

Nissan Z Racing ConceptなどST-Rクラスには注目マシンが多数参戦

 9つのクラスから56台が出走した24時間レースは、4日の15時にスタートが切られる。スタートから数時間はアクシデントもなくスプリングレースさながらの展開で進んでいく。

 総合優勝を狙うST-Xクラスは、9号車、62号車、81号車の3台のGT-Rと888号車のAMG GTがトップ争いを繰り広げ、ピットインのタイミングによって首位の順番が入れ替わり、3時間を経過した時点でトップに立っていたのはポールポジションからスタートした888号車だった。

 19時ごろには陽が暮れはじめ、レースは夜間走行となる。するとST-Zクラスのマシンがトラブルによってコースサイドに停車したため、初めてのFCY(フルコースイエロー)が提示され、その後セーフティカーが導入された。

独特な雰囲気に包まれる24時間レースの夜間走行
今秋に開業する富士スピードウェイホテルの窓には「24h」の灯りが点されていた

 その後もFCYやセーフティカーが入ることはあったが、大きなトラブルはなくレースは進んでいく。夜半になるとトップ争いをしていた9号車がトラブルによって後退する。レースが折り返しの12時間の時点では81号車のGT-Rがトップで、1周遅れの2番手に888号車のAMG GT、2周遅れの3番手に62号車のGT-Rという展開だった。3台の拮抗した戦いは終盤まで続いたが、81号車のエンジンがストールしてしまい戦線から離脱してしまう。総合優勝争いは62号車と888号車に絞られるが最後の3時間でリードを築いたのは62号車で、5日の15時に760周を走行しトップでチェッカーを受けた。

24時間レースを完走したマシンを称える関係者
表彰式はホームストレートの特設表彰台で実施された

総合優勝はHELM MOTORSPORTS

 総合優勝したHELM MOTORSPORTSは昨年の富士24時間レースはST-3クラスで優勝していて、今回はST-Xクラスの優勝とともに総合優勝を果たした。

 複数の開発車両がエントリーしたST-Qクラスは、ENDLESS AMG GT4が721周を周回してクラス優勝。初出走となったNissan Z Racing Conceptは244号車が707周を走行しクラス2位、総合でも10位に入る健闘をみせた。

 カーボンニュートラル燃料を使用するTeam SDA Engineering BRZ CNF Conceptは624周でクラス3位、ORC ROOKIE GR86 CNF Conceptは609周でクラス4位、Nissan Z Racing Conceptの230号車は502周で5位、ORC ROOKIE GR Corolla H2 conceptは478周で6位、MAZDA SPIRIT RACING MAZDA2 Bio conceptは487周を走行したがリタイヤとなっている。

 白熱した24時間レースを終え、スーパー耐久の第3戦は7月9日~10日に宮城県のスポーツランドSUGOで実施される。

総合優勝を飾ったHELM MOTORSPORTS。チーム運営はドライバーとしても活躍する平木湧也と平木怜次の兄弟が中心となり行なっている

リザルト、各クラストップ3

ST-X(GT3)

優勝:62号車 HELM MOTORSPORTS GTR GT3(鳥羽豊/平木湧也/平木玲次/ショウン・トン組)
2位:888号車 Grid Motorsport AMG GT3(マーティン・ベリー/高木真一/黒澤治樹/山脇大輔組)
3位:81号車 DAISHIN GT3 GT-R(大八木信行/藤波清斗/青木孝行/坂口夏月組)

ST-Z(GT4)

優勝:500号車 5ZIGEN AMG GT4(大塚隆一郎/太田格之進/金石年弘/木村偉織組)
2位:885号車 シェイドレーシング GR SUPRA GT4(HIRO HAYASHI/平中克幸/清水英志郎/新田守男/中山友貴組)
3位:21号車 Hitotsuyama Audi R8 LMS GT4(本多秀朗/宮田莉朋/神晴也/阿野雄紀/藤井優紀組)

ST-Q

優勝:3号車 ENDLESS AMG GT4(小河諒/菅波冬悟/川端伸太朗/谷岡力組)
2位:244号車 Nissan Z Racing Concept(田中哲也/田中徹/三宅淳詞/高星明誠/安田裕信組)
3位:61号車 Team SDA Engineering BRZ CNF Concept(井口卓人/山内英輝/廣田光一/鎌田卓麻/吉田寿博組)

ST-TCR

優勝 75号車 
2位:97号車 Racer HFDP CIVIC(遠藤光博/中野信治/西村和真/三井優介/小出峻組)

ST-1

優勝:2号車 シンティアム アップル KTM(井田太陽/加藤寛規/吉本大樹/小林崇志/高橋一穂組)
2位:47号車 D'station Vantage GT8R(浜健二/織戸学//近藤翼/松浦孝亮/ジェイク・パーソンズ組)
3位:8号車 Studie BMW M2CSR(木下隆之/砂子塾長/大井貴之/山田弘毅/東風谷 高史組)

ST-2

優勝:225号車 KTMS GR YARIS(平良響/荒川麟/奥住慈英組)
2位:13号車 ENDLESS GRヤリス(伊東黎明/石坂瑞基/花里祐弥/岡田整組)
3位:59号車 DAMD MOTUL ED WRX STI(大澤学/後藤比東至/安岡秀徒/佐藤駿介/鶴賀義幸組)

ST-3

優勝:52号車 埼玉トヨペット GB クラウン RS(服部尚貴/吉田広樹/川合孝汰/地頭所光組)
2位:39号車 エアバスターWINMAX RC350 55ガレージ TWS(冨林勇佑/伊藤鷹志/石井宏尚/大滝拓也/水野大/宮下源都組)
3位:63号車 muta Racing LEXUS RC 350 TWS(堀田誠/阪口良平/阪口晴南組)

ST-4

優勝:86号車 TOM'S SPIRIT GR86(河野駿佑/松井孝允/山下健太組)
2位:884号車 シェイドレーシング 86(石川京侍/国本雄資/山田真之亮/影山正彦組)
3位:60号車 全薬工業withTEAM G/MOTION’インテグラ(瀬戸貴臣/塩谷烈洲/松波太郎/中村ひかる組)

ST-5

優勝:17号車 DXLアラゴスタNOPROデミオ(吉岡一成/大谷飛雄/上松淳一/西澤嗣哲/山本浩朗/野上敏彦組)
2位:104号車 HM‐R ヒロマツデミオ2(吉田綜一郎/佐々木孝太/妹尾智充/大崎悠悟/吉田隆ノ介組)
3位:66号車 odula TONE MOTULロードスター(武地孝幸/貫戸幸星/猪股京介/岡本大地/高崎保浩/上野大哲組)