ダイハツ、軽トラの荷台を移動販売に活用するオールインワンパッケージ「Nibako」提供開始

　ダイハツ工業は9月6日、軽トラックの荷台を活用した移動店舗車のレンタルなど、移動販売を始めたい小売業等の事業者をサポートすることを目的とした、オールインワン移動販売パッケージ「Nibako」を事業化すると発表した。同日より4都府県（東京都、埼玉県、千葉県、京都府）を中心に、販売会社を通じて提供を開始する。

「Nibako」のサービスでは、軽トラック「ハイゼット トラック」に、移動店舗として活用できる荷箱「Nibako」を積載した状態で、販売会社から事業者へレンタルする。レンタル期間は1日単位もしくは1か月単位で設定可能で、レンタル料金は車両（軽トラック）込みで、1日プランで1万3200円～、1か月プランで6万6000円。将来的には「Nibako」のみのレンタルも開始予定としている。

　軽トラックに積載される「Nibako」は、ベース車両となる軽トラックに手を加えず、荷台に積載、固定するもので改造届は不要。3か所の扉を開くことで、1人でも簡単にお店の形態にすることができる。小物類、食器類の物販、衣料品販売から、生花、野菜、お菓子、お総菜など、さまざまな業種･業態で利用可能な形態とし、「Nibako」のほか、スライド式パーテーションウォール、付属のアルミ製ラック4個、専用の固定具＆ベルトがセットで貸し出しされる。

「Nibako」のサービスでは、車両のレンタルのほか、販売会社では新たに移動販売を始める人からの事業相談を受け付け、販売に関するスキルやノウハウ等などのアドバイスを実施。ダイハツの販売会社店舗におけるマルシェへの出店など、移動販売に関するサポートも実施する。

　また、「Nibako」のユーザーサービスとして、出店可能な場所の情報提供、事業者同士がつながるコミュニケーションサービスのほか、消費者に向けた出展情報のWebサイト掲載も展開。事業者を対象とした「Nibakoサイト（Web）」が同日開設され、2023年度にはスマホアプリも立ち上げ、消費者向けのコンテンツを追加予定。

　まずは、4販売会社（ダイハツ東京販売、埼玉ダイハツ販売、ダイハツ千葉販売、京都ダイハツ販売）を中心に地域を限定して提供を開始して、順次地域を増やし全国規模への拡大を目指す。また、今後、移動販売用以外の「Nibako」の開発も行なうほか、事業のさらなるサポートや、アプリサービスによる情報提供も随時充実させていくとしている。

サービススキーム図（イメージ）

　ダイハツでは、全国の販売会社とともに、地域の顧客の困りごとを解決し、暮らしを豊かにするべく、「コトづくり」として地域に根差したモビリティサービスの提供やCSR活動に取り組んでおり、「Nibako」もその一環。「Nibako」による移動販売が広がることで、これまでにない場所に人が集い、事業者・関連業者・消費者がつながり合う新しいコミュニケーションが生まれ、地域の活性化に貢献できると同社は考えている。

　なお、今回のプロジェクトでは、社内にバーチャルカンパニーを設置して、社内複業人材・社外副業人材による多様なアイデアを活用して検討を進めてきたといい、これらの新しい取り組みから得たノウハウは、今後の新規事業開発などにも展開していくとしている。