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写真で見る ダイハツ「ハイゼット カーゴ」「アトレー」「ハイゼット トラック」

ダイハツの軽商用車「ハイゼット」シリーズと「アトレー」がモデルチェンジされた。撮影車両はハイゼット カーゴ デラックス。ボディカラーは選べるカラーパック設定色のトニコオレンジメタリック(別途3万3000円)

 ダイハツ工業は12月20日、軽商用車「ハイゼット カーゴ」「アトレー」をフルモデルチェンジして発売した。同時に、「ハイゼット トラック」がマイナーチェンジして発売された。

 ハイゼットシリーズは1960年にダイハツ初の軽四輪車として誕生したもので、今回の新型が11代目となる歴史のあるクルマとなっている。

 このハイゼットシリーズは誕生から一貫して農業などの一次産業から配送、建設などに従事するユーザーにとって「自分にシックリくる仕事道具」として愛用されてきた車種で、累計の生産台数はなんと750万台以上になるという。

 これほど多くのユーザーに「仕事道具」として認められる存在であれば、型が新しくなっても以前からのユーザーに「やっぱりこれだね」と思ってもらえる仕上がりを意識することは大事。そこでハイゼットシリーズもユーザーのことを考えつつ、時代に合わせて進化をしてきたクルマだ。

原点は1957年発売の軽三輪車ミゼット。そして1960年に初代のハイゼットが誕生。このモデルから数えて11代目になる

ハイゼットシリーズユーザーにマッチし、時代にマッチするモデルチェンジ

 近年、働き手の高齢化が進んでいる。また、MT車に乗ることを想定しないカーライフが一般化しているため、AT限定免許の取得率が高い状況だ。

 それに小まわりの効く軽自動車は従来からの用途だけでなく、福祉業界では車いす移動車として、そして新たな小売り店の形態とも言える移動販売車のベースとして選ばれるなど、以前とは違う新しい流れができている。

 そうした状況の中「仕事道具」として正常進化をしてきたハイゼットシリーズは今回のモデルチェンジで「DNGA(Daihatsu New Global Architecture)」と呼ばれる現在のダイハツ車の基礎となる最先端のプラットフォームを採用。

 このDNGAは車両の進化、パワートレーンの進化、そして先進安全性の進化に対応できるような開発コンセプトで作られているので、その能力を生かして新型ハイゼットシリーズ、アトレーシリーズでは新開発のFR用小型CVTを搭載した。

 また、ダイハツの予防安全技術である「スマートアシスト」も搭載することでハイゼットシリーズを時代に合う性能を持ったクルマとしている。

 さらにハイゼットシリーズ、アトレーとも仕事道具として優れているだけでなく、オートバイや自転車用のトランスポーター、キャンプ道具の積載、車中泊のための用途など趣味の使い方においても高い利便性を持つクルマでもある。そして個人ユーザー向けでもあるアトレーは4ナンバー化によって税制面の負担が減っているのも大きな特徴だ。

 ハイゼットシリーズ、アトレーシリーズの概要は別記事で紹介している。この記事では実車がを撮影した画像を使用してハイゼットシリーズ、アトレーシリーズを紹介していく。

ハイゼットシリーズは以前からカラー展開が豊富だったが、現行車にもそれは引き継がれている
ハイゼットの主力であるハイゼット カーゴ。グレードはデラックス。エクステリアは商用車らしいシンプルなものとした。ボディカラーは選べるカラーパック設定色のトニコオレンジメタリック
車体側面やバックドアの傾きを極限まで立たせた形状とした。また、フロントピラーも立たせることで前席の頭上スペースを広く取った。フロントバンパー、リアバンパー、ドアハンドルはボディ同色としている
車体のスクエア化によりクラス最大の積載スペースを実現している
前のモデル同様、バンパーは角や下の部分が別パーツとしている。こうすることで、ぶつけてしまった際の修理を容易にしている。交換パーツが小さいので修理費用面でのメリットもある
ハイゼット カーゴ デラックスの運転席まわり。CVT車のみにメーカーオプションとして6.8インチスマホ連携ディスプレイオーディオ、もしくは8インチスマホ連携ディスプレイオーディオを設定。また、軽商用車としては初のダイハツコネクトのサービス提供も設定している
ハイゼット カーゴ デラックスのステアリング。左側の丸いスイッチがオーディオ操作用。その下が電話スイッチとトークスイッチ(ともにオーディオ、ナビの機能)
シフトまわり。Dレンジの下のSレンジは坂道走行用。その下のBレンジは強いエンジンブレーキが必要な急な坂道走行用
ステアリング右下のスイッチ。エンジンスタート用のスイッチのほかは運転サポート機能のON/OFFスイッチ
カーゴ、トラックにスマートインナーミラーをメーカーオプションで設定。鏡面モードへの切り替えもできる
細々したモノが増えがちな仕事クルマゆえにドアポケットが充実している。タイヤハウスの張り出しがあるので足下は狭め。アクセルペダルはセンター寄りに位置する
荷室長を優先しているので助手席側もタイヤハウスの張り出しがある。カーゴは塗装済鋼板が剥き出しとなる
折りたたみ式の2列シート。両面パワースライドドアはクルーズ、クルーズターボ、デッキバンGにメーカーオプション設定。イージークローザーはクルーズ、クルーズターボ、デッキバンGに標準装備。デラックスにはメーカーオプション設定
カーゴスペースの使い勝手をアレンジするためにユースフルナットを17か所用意。デラックス、スペシャルクリーン、スペシャルには天井面を含めさらに14個追加される
内壁の張り出しをなくした荷室
タイヤハウスの上にフロアを設けているので出っ張りがない
エンジンはシート下にある。撮影車はクルーズなのでKF型水冷直列3気筒12バルブDOHC自然吸気エンジンを搭載。燃料タンクは38Lと容量が多い
こちらはアトレー デッキバン。フロントまわりはアトレーと同一デザイン。アトレーは今回から4ナンバー車となったが、カーゴとの装備差は以前のときと同様、アトレーが充実している
ボディカラーはオフビートカーキメタリック
最大積載量は250kg。荷室長は880mm、荷室幅は1360mm、荷室高さは610mm
アトレーRSの運転席まわり。アトレーデッキバンも同様のデザイン、装備となる。予防安全機能はダイハツが設定する14種類の予防安全機能を持つスマートアシストを装備。ACCは全車速追従機能付き
ステアリングスポークの右側はACCなど運転支援軽のスイッチが付く。左側はメーター内の表示切り替えやオーディオ操作用
ステアリング右側のスイッチスペース。エンジンスターター、パワースライドドアの操作ボタン、運転支援軽スイッチを集中させていて分かりやすい
撮影車にはメーカーオプションの9インチスマホ連携ディスプレイオーディオを装着。RSとXには6.8インチスマホ連携ディスプレイオーディオもメーカーオプションで設定される
ドアノブはメッキ仕上げとなる。助手席ダッシュボードには小物が置けるトレイが設けてあり、左端には袋などをかける便利なフック付き。カップホルダーは左右にありサイズも大きめ
オーバーヘッドシェルフが標準装備。カーゴシリーズではクルーズ系、デッキバン系に標準装備
右側ドアを開けたところ。アトレーではタイヤハウスの張り出しにはフロアカーペットが敷かれる
左側ドアを開けたところ。こちらも張り出しにはフロアカーペットが敷かれるのでバンとはずいぶん印象が違う
左右ともリアゲートはパワースライドドアとなっていてとても便利
スライドドア開口幅は685mm。開口高は1190mm。2列シートは左右分割式。長さのあるヘッドレストで4ナンバー化によるシート背面部の高さ不足を補う
2列目シートは水平格納式なので折り畳んで収納するとフラットな床になる。2列目シートを畳んだ状態の荷室長は1820mmと一般的身長の大人が無理なく寝転べるもの。荷室幅は1410mm
スッキリした壁面。RSとXにはデッキサイドポケットが標準装備。RSには荷室アクセサリーソケット(右のみ)も付く
左側にもデッキサイドポケットが付く。車中泊などで小物を入れるのにとても便利そう。フロア材は防水素材のイージーケアマット
荷室フロアから天井までは1215mm。大人がまっすぐ立つことはできないが十分な高さがある。オートバイや、ロードバイク、MTBなどの積載にも十分だろう
天井部のユースフルナットは左右にそれぞれ2個ある。ほか壁面、床面に15か所、計17か箇所のユースフルナットがある
ディーラーオプションにはユースフルナットを利用する天井収納、積載用アイテムが用意されている
デッキバンの2列目シート。4ナンバーだが2列目シートの実用性は高そう。4名乗車でも大きな不満はないだろう
デッキバン2列目シートは左右分割式なので片側を畳んで荷物スペースを作る3名乗車仕様、両方を畳んでユーティリティスペースを作ることも可能。また、シートを畳めばスライドドアを開けてすぐ手が届く背面の壁やガラスを利用した収納などを作れそう
アトレーは全車にKF型水冷直列3気筒12バルブDOHCターボエンジンを搭載。トランスミッションはCVTのみ。燃料タンク容量は38L
こちらは車いすを乗せることができるアトレー スローパー
折りたたみ式のスロープと電動ウインチを装備する。2列目シートはスローパー専用品で左側のみ装備
車いす1台を積むことができる。その際、左側シートは展開したままでOK。スロープは画像のように折り畳んで収納。スロープは軽量なので女性1人での展開も容易
スローパーはハイゼット カーゴにも設定されている
ハイゼット トラックはパワートレーンの刷新がトピック。ほかはプッシュ式エンジンスタート、キーフリーシステム、アイドリングストップのエコアイドルを採用
トランスミッションは5速フロアシフトとCVTフロアシフトとなった。CVT車には電子制御式4WDとスーパーデフロックが装備されている
ハイゼットジャンボもパワートレーン刷新が目玉だが、ハイゼットトラックシリーズではスマートインナーミラー(ジャンボ エクストラ、ジャンボスタンダード、ハイルーフにメーカーオプション)が設定。また、ジャンボエクストラ、エクストラには電動格納式ドアミラーが標準装備
働くクルマのハイゼットシリーズには多くの特装車が用意されており、配送業ニーズの高まりに合うものもラインアップ

【お詫びと訂正】記事初出時、ハイゼット カーゴのグレードを誤って「クルーズ」と記載しておりしたが、正しくは「デラックス」となります。お詫びして訂正させていただきます。