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帝人、「EV用コンポジット製バッテリボックス」が革新的な技術として「ACCE People's Choice Award」受賞

2022年9月15日 発表

帝人グループのテイジン・オートモーティブ・テクノロジーズの手掛けた「EV用コンポジット製バッテリボックス」が革新的な技術として「ACCE People's Choice Award」を受賞した

 帝人グループのテイジン・オートモーティブ・テクノロジーズは9月15日、米国のプラスチック関連業界団体であるSociety of Plastics Engineers(SPE)が主催する「Automotive Composites Conference&Exhibition(ACCE) People's Choice Award」の受賞を発表した。

 今回受賞したACCE People's Choice Awardは、自動車向け複合成形材料に関連する革新的な技術に贈られる賞で、対象となったのはテイジン・オートモーティブ・テクノロジーズが開発した、繊維強化プラスチック(FRP)と金属材料を組み合わせたマルチマテリアルによるEV(電気自動車)向けのコンポジット製バッテリボックス。

 このEV向けコンポジット製バッテリボックスは、これまでテイジン・オートモーティブ・テクノロジーズが培ってきたマルチマテリアル技術を駆使し、FRPと金属材料を最適条件で組み合わせ成形したもの。

 バッテリボックスを構成するカバーやトレイには、複雑な形状へ成形が可能なFRPを使用し、トレイは金属で補強。カバーやトレイをそれぞれ成形した後に、独自の接合・固定技術を用いて密閉することで、安全性を担保している。

 また、フレームは射出発泡と呼ばれる成形方法を用いることで、その厚みならびに重量の低減と優れた衝撃吸収性を両立。さらに、このバッテリボックスは、スチール製の従来品に比べて約15%の軽量化に成功するとともに、アルミ製の従来品よりも優れた耐熱性を実現した。トレイを一体成型のデザインとすることで液漏れを防止するだけでなく、接着工程を削減できることから、生産コストの削減にもつながるという。

テイジン/マルチマテリアルバッテリボックス(2分22秒)

 帝人グループは今後も、ティア1サプライヤーとして複合化を強みとした技術開発に一層注力し、モビリティの軽量性、強度に加え、デザイン、生産性、コスト効率、環境対応など、さまざまな顧客ニーズに対応できるソリューションプロバイダーとしての地位を確固たるものとしていく。