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SUPER GT、最終戦もてぎ翌日の11月7日にカーボンニュートラルへ向けた合成燃料テスト実施
2022年10月2日 14:56
11月7日に合成燃料によるテストを実施
10月2日、SUPER GT第7戦が開催されているオートポリスにおいて、GTアソシエイション代表取締役 坂東正明代表による定例記者会見が行なわれた。そのなかで同氏は、カーボンニュートラルへの取り組みに向けた一歩として、最終戦もてぎ開催後の11月7日に各チームが合成燃料(E5)を使ったテストを実施することなどを明らかにした。このテストはモビリティリゾートもてぎの通常開催日に行なわれ、テスト参加希望チームを募る形で開催される。
記者会見前には、大分県の厚意でエントラントに配布されるお弁当の贈呈式を実施。大分県の名物が詰まった弁当440食(44チーム×10食)が参加エントラントに提供され、坂東代表が各チームを代表して受け取った。
海外ラウンドはコスト問題から先を見通せず
──最初に代表から一言。
坂東代表:レース運営についてはコロナ禍から元に戻れるようロードマップに則ってやってきた。我々としては最後まで演者との導線の引き方、問診(による関係者の体調確認)などを行ない、1チームもクラスターが出て欠けたりしないように心がけて運営してきた。お客さんと(パドック)の間では、ピットウォークで2m以上離れるなど縛りはあるが、最終戦までできる限りのことを続けたい。最終戦のもてぎはコロナ対策がより緩やかになっていくので、お客さんとパドックの距離は近くなると思う。
(今回のオートポリス戦から)サクセスウェイトは半分になる。BoP(Balance of Performance)のなかできちっと対応してレースが進んでいることをうれしく思う。今年はお客さんが減っているところも、戻ってきているところもあるので、来年に向けた対応策を踏まえながらモータースポーツを引っ張り上げる努力をしていきたい。
──第6戦SUGOの後、タイヤメーカーと環境対応に向けての話し合いをもったそうだが、メーカーからの反応は。
坂東代表:環境を考えてモータースポーツをやっていかざるを得ない状況下では、タイヤだけでなく自動車メーカーも、オーガーナイザーやチームも、携わる人たち全員が先を考えてやっていかなければならない。その中でまずはタイヤメーカーに話をした。
SUGOでもそうだったように、ピンポイントで当たったタイヤのレンジというのがある。レインのなかでも雨が多く降っているところで活躍したタイヤメーカー、乾いたところで機能したタイヤなどあり、各々がピンポイント化しているが、そのレンジを広げなければならない。そのレンジが広かったところが(SUGOでは)強かったと思う。そのようにタイヤを作り上げるのは非常に困難だと思うが。
二酸化炭素の排出を減らせる箇所は、タイヤの生産段階などそういうところもあると思うので、それを理解していただきたい。より長く走れるようにするのはタイヤだけでなく、ブレーキやエンジン、燃費も関係する。それらを全部そう(環境対応型に)していかなければならない。
そこで、まずはタイヤの持ち込み本数、使用本数を制限するとタイヤメーカーにはお伝えした。走行距離(タイヤの耐久性)についてはこれから決める。最終戦のもてぎ(11月6日)までには持ちこみ本数、距離などをクリアにしたい。レース後の月曜日(11月7日)には、合成燃料を持ち込んで、各チームに200Lずつ渡してテストする。オーガナイザーとも相談し、テストしながら来季の予定を組みたいと思っている。
──サーキット近くの熊本県菊陽町では半導体工場の建設に関わる大きな工事が行われているが、そういったサーキット近隣に宿泊できるようにするために、周辺自治体と何らかの話し合いはしているか。
坂東代表:まだ話をしていない。大分県やサーキット北側からの道路を整備しないとならないし、宿泊施設も作らないといけない。(九州外からは)どうしても飛行機で熊本空港を経由して来ることになると思うので、そうではなく大分側から来るような形にならないと、というのもある。
本日(10月2日)昼に大分県副知事が来訪する予定になっているので、(それらの課題を)考えていただければ、というお願いはしようと思っている。
──海外ラウンドは2023年はないということだが、将来の海外戦はどうなりそうか。
坂東代表:ロジスティクスや宿泊、渡航費の問題があり、それに対する主催権料がどんどん見合わなくなっている。今のような状況が続くと、海外戦はより多くの投資がないと先が見えてこない。(海外のオーガナイザーなどと)連絡は取り合っているが、具体的な実施の話はしていない。国を挙げての取り組みになるので、各国政府の省庁が関与して国の予算が得られて、なおかつ為替のところも(改善が)必要。
──来週10月7日、富士スピードウェイの富士スピードウェイホテル内に「富士モータースポーツミュージアム」が開館する。坂東代表の所感は?
坂東代表:よいとだと思う。海外のサーキットのように、ホテルからコースが見えるのは非常にいいもの。後ろを向いたら富士山が見え、前を向いたらサーキットの最終コーナーが見えて、同時にミュージアムも楽しめる、というのをうまく活用していただければ。
ドイツではベンツやポルシェなどがそれなりに大きな形で歴史を紹介しているところを見せていただいたりもした。同じように、日本のモータースポーツでも、いろいろなものがそこに集約され、レースもできるというのはいい環境だと思うし、これをきっかけにモータースポーツが好きになる人々がより多くなってくれれば。我々のSUPER GTもそのミュージアムに足跡を残せたらよりうれしい。