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SUPER GT第7戦オートポリス決勝、前日のクラッシュから復活した17号車Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)が今季初優勝

GT500クラスを優勝した17号車Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治、BS)

 10月2日、SUPER GT第7戦の決勝レースがオートポリス(大分県日田市)で開催された。GT500クラスは、前日の練習走行時のクラッシュから復活した17号車Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治、BS)が気迫の走りで今季初優勝。GT300クラスは52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰、BS)で、こちらも今季初優勝となった。

GT500クラス:クラッシュから復活した17号車が優勝

 好天続きのオートポリスは、前日を上回る気温、路面温度に。予選で使用していたタイヤを引き続き使い続ける第1スティントのドライバーにとっては、比較的ハードな状況でのスタートとなった。

 ローリングスタートで始まった決勝レース、各車は予選結果ほぼそのままの隊列で第1コーナーへ飛び込んでいく。そんななかでシリーズランキング2位の12号車カルソニック IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット、BS)がオープニングラップ中に10位から6位へジャンプアップ。ポールポジションの24号車リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平、YH)は序盤からハイペースで後続を引き離していく。

 その後、上位陣はほぼ変わらずレースの3分の1が経過。各車1回目のピットストップの時間帯となる。ここで2位の100号車STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐、BS)がピット作業に手間取り、代わりに17号車Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治、BS)が前へ。レースをリードしていた24号車は20周台後半までピットインタイミングを引っ張るも、思ったようにギャップを作れなかったせいか、ピットアウト時には100号車の後塵を拝する形になり、この時点で実質3位になった。

 レース後半、全車ピットインが完了してからは17、100、24号車のオーダーでレースが展開。しかし、残り13周でコース外にマシンが停止したためFCY(フルコースイエロー)が宣言され、解除された後には各所でポジション争いが再び激しくなる。

 3位の24号車がその前をいく100号車に対して、さらに12号車は先行する4位の14号車ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太、BS)に対して、コンマ数秒差まで迫りプレッシャーをかける。が、24号車はラストラップまで追いすがるも逆転はかなわず、一方の12号車は14号車のオーバーテイクに失敗し、反対に1つポジションを落とすことになった。

 結果、17号車Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治、BS)がトップでチェッカー。前日の練習走行終盤にクラッシュし、エンジン前方の冷却系が大きく破損したことで一時は予選出走が不安視されていた同車。HRCによれば、アライメントを取る時間もなく、なんとか修復した、というギリギリの状況下で、予選4位からの優勝を果たした。

 チャンピオンシップは3号車CRAFTSPORTS MOTUL Z(千代勝正/高星明誠、MI)が7位で4ポイント獲得、12号車が6位で5ポイント獲得し、3号車のリードは変わらないもののその差は2.5ポイントに縮まった。優勝した17号車Astemo NSX-GTは20ポイントを獲得し54ポイントに。自力でシリーズチャンピオンを獲得する権利を得た。ランキング3位の23号車MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ、MI)は14位でノーポイントに終わり、チャンピオンの可能性はなくなった。

GT300クラス:圧倒的な安定感を見せた52号車

GT300クラスを優勝した52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰、BS)

 ポールポジションの61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝、DL)のホールショットで幕を開けたGT300クラスのレースは、予選3位の2号車muta Racing GR86 GT(加藤寛規/堤優威、BS)がオープニングラップでいきなり7つポジションを下げる。

 それを皮切りに、61号車と、予選2位の52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰、BS)の2台が逃げの体勢へ。3位以下をぐんぐん引き離しながら、10周目には52号車が61号車をかわし、トップを交代する。

 レースの3分の1を過ぎたところで各車ピットインするも、ピットストップを先延ばしにした3チームを除けば、52号車と61号車の順位は変わらないままレース後半へ。全車のピットインが完了した後も、やはり52号車がトップを堅持する。その後も徐々にギャップを拡大し、最終的に2位に大差をつけて今季初優勝を飾った。