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野間智の「2022年 DTM 最終戦 ホッケンハイム」レースレポート

2022年10月6日~9日(現地時間) 開催

シリーズチャンピオンに輝いたBMWのシェルドン・ファン・デル・リンデ選手

南アフリカ人初のDTMシリーズチャンピオンが誕生

 10月6日~10月9日(現地時間)、ドイツのホッケンハイムリンク(4.574km)で、DTM最終戦となる第8戦のレース1とレース2が行なわれ、レース2でDTM参戦4年目でBMWを駆るシェルドン・ファン・デル・リンデ選手(31号車 Schubert Motorsport)が164ポイントを獲得して、南アフリカ人初のDTMシリーズチャンピオンに輝いた。

 ランキング2位はメルセデスのルーカス・アウアー選手(22号車 Mercedes-AMG Team WINWARD、153ポイント)、3位はアウディのレネ・ラスト選手(33号車 Team ABT、149ポイント)と続いた。

南アフリカ人初のDTMシリーズチャンピオンに輝いたBMWのシェルドン・ファン・デル・リンデ選手

 シェルドン・ファン・デル・リンデ選手は、両レースとも予選順位は上位グループから出遅れたものの、周を追うごとにペースアップし、終盤には凄まじい追い上げでダブル表彰台をゲットして見事シリーズチャンピオンを決めた。また、チーム1位はSchubert Motorsport、コンストラクターズ1位はアウディが獲得した。

 2022年のDTMシリーズは、2021年の5メーカー(メルセデス、アウディ、BMW、フェラーリ、ランボルギーニ)にポルシェが加わり全6メーカーの戦いになったほか、タイヤはハンコックのワンメイクからミシュランのワンメイクへと変更されている。

2022年からミシュランタイヤのワンメイクシリーズとなった

レース1(27台出走、完走16台)

 ドライバーズポイントランキング1位のシェルドン・ファン・デル・リンデ選手(31号車)が131ポイント、2位のレネ・ラスト選手(33号車)が121ポイント、3位のルーカス・アウアー選手(22号車)が119ポイントで迎えたレース1。ポールポジションはランキング3位のルーカス・アウアー選手が獲得した。

レース1スタート前のシェルドン・ファン・デル・リンデ選手のマシン。マシンの隣にはポイントリーダーである証が掲げられている
シェルドン・ファン・デル・リンデ選手は予選でのペナルティが課せられ16番手からスタート
ラルフ・シューマッハ氏の息子のデビッド・シューマッハ選手は14番手スタート

 スタート直後の1周目でスピンやタイヤが飛ぶほどの接触事故が発生し、5周にわたりセーフティカーが入る荒れた展開に。6周目にセーフティカーが抜け再スタートしたが、リスタート直後の1コーナー立ち上がりで再び後方の数台がクラッシュ。

スタート直後のスピッツケーレ(ヘアピンコーナー)をトップで立ち上がるルーカス・アウアー選手
スピッツケーレ(ヘアピンコーナー)をひしめき合いぶつかりながら立ち上がる各車

 さらにヘアピン(スピッツケーレ)を抜けた7コーナーから8コーナーへと続くメルセデススタンド前で、ポルシェのトーマス・プライニング選手(24号車 KUS Team Bernhard)とメルセデスのデビッド・シューマッハ選手(27号車 Mercedes-AMG Team WINWARD)が接触してしまいクラッシュ。続くフェラーリのニック・キャシディ選手(37号車、AlphaTauri AF Corse)を含む後続のマシン合計5台が大破する激しいクラッシュとなったためレースは一時中断となった。

セーフティカーが抜けた6周目の再スタートでトップに立ったのはマルコ・ウィットマン選手
サイド・バイ・サイドのバトルをする24号車のトーマス・プライニング選手と27号車デビッド・シューマッハ選手。両者はこの先で接触してクラッシュしてしまう
レース序盤でダメージを負ったリカルド・フェラー選手(7号車 TEAM ABT SPORTSLINE)
結果的に合計5台が大破するクラッシュとなったためレースは一時中断となった
回収されるクラッシュしたマシン

 赤旗中断後の再スタートでトップに立ち、そのままレースをリードしたルーカス・アウアー選手がレース1で優勝。2位は16番手からスタートしたポイントリーダーのシェルドン・ファン・デル・リンデ選手、3位はマルコ・ウィットマン選手(11号車 Walkenhorst Motorsport)と続いた。

波乱のレース1を制したルーカス・アウアー選手

 ポイントランキング1位のシェルドン・ファン・デル・リンデ選手は、予選セッション中のピットストッププラクティス時に規定違反があったとして、10番グリッドのポジション降格ペナルティが課せられ16番手からスタート。

怒涛の追い上げを見せ、見事2位でチェッカーを受けたシェルドン・ファン・デル・リンデ選手

 セーフティカーが抜けた再スタート時には6位までポジションを上げており、さらに赤旗中断後の再スタート後もじりじりとポジションをアップし、終盤にはアウディのレネ・ラスト選手、BMWのマルコ・ウィットマン選手を抜き、見事2位でチェッカーを受けてランキングトップを2ポイント差で堅守した。

レース1を制したルーカス・アウアー選手(中)2位でチェッカーを受けてランキングトップを2ポイント差で堅守したシェルドン・ファン・デル・リンデ選手(左)、3位はマルコ・ウィットマン選手(右)

レース2(19台出走、完走12台)

 レース2スタート前のポイントは、シェルドン・ファン・デル・リンデ選手(31号車)が149ポイント、ルーカス・アウアー選手(22号車)が147ポイントとわずか2ポイント差。3位はレネ・ラスト選手(33号車)が128ポイント、4位にはランボルギーニのミルコ・ボルトロッティ選手(63号車 GRT)が121ポイントと追いかける。

 ポールポジションはアウディのレネ・ラスト選手。しかし、スタートでマルコ・ウィットマン選手がレネ・ラスト選手を抑えレースをリード。

スタート直後に2番手のマルコ・ウィットマン選手がレネ・ラスト選手をパス

 そして序盤に展開されたレネ・ラスト選手とのサイド・バイ・サイドの激しいバトルを制したマルコ・ウィットマン選手が優勝。2位にはレネ・ラスト選手、ポイントリーダーのシェルドン・ファン・デル・リンデ選手は予選6番手からスタートして3位に入り、自らの手でシリーズチャンピオンを決めた。

レース2を制したマルコ・ウィットマン選手
2位のレネ・ラスト選手
3位に入りシリーズチャンピオンを決めたシェルドン・ファン・デル・リンデ選手
レース2の表彰式に続いてシリーズチャンピオンの表彰式も行なわれた