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GEホンダ、100%持続可能な航空燃料を使用した航空エンジン「HF120」の試験に成功
2022年10月18日 10:52
- 2022年10月17日(現地時間) 発表
本田技研工業とGE(ゼネラル・エレクトリック)による折半出資子会社GE ホンダ エアロ エンジンズ(以下、GE ホンダ)は10月17日(現地時間)、持続可能な航空燃料(以下、SAF)を100%使用したHF120ターボファンエンジンの試験に成功したと発表した。
SAFは航空領域でのCO2排出量を削減し、カーボンニュートラルを達成する手段の1つとして注目されている。
GE ホンダが行なった試験では、100% SAFをHF120で使用した場合のエンジン性能への影響を既存のジェット燃料と比較し評価。SAFには、現在最も普及している「HEFA-SPK」を使用し、地上でのエンジン試験をGEの設備(米国オハイオ州ピーブルズ)にて数日間に渡り実施した。その結果、通常のジェット燃料を使用した場合と同等の性能が確認された。
HEFA-SPK(Hydroprocessed Esters and Fatty Acids Synthetic Paraffinic Kerosene)は、動植物由来の油を水素化処理して合成される航空用燃料で、既存の石油精製設備で製造でき、現在、最も普及しているSAFの一種となる。
SAFの利用については米国材料試験協会(ASTM)による認可制となっており、既存のジェット燃料へSAFを混合できる含有率の上限が定められている。現在の上限は50%となっているが、今回の試験により、今後の航空燃料の進化・普及を見据え、100%のSAFを使用できる可能性を確認することができたとしている。
GEとホンダは、SAFの安全性を評価し規格化の支援を行なう国際団体(FAA/OEM Review Panel)に加入しており、SAFの安全性と普及に向けて活動。今後も両社で協力し、持続可能な社会に向けたCO2排出量の削減など技術を進化させていくという。
GE ホンダ エアロ エンジンズ 社長のMelvyn Heard氏は「HF120での試験の結果、将来に向けて100% SAFを使用できる可能性を示すことができ、うれしく思います。HF120の環境性能を向上させ、CO2排出量のさらなる削減に繋げていくことにより、わたしたちはお客様の環境目標達成に貢献していきます」とコメント。
GE ホンダ エアロ エンジンズ 副社長の築山伸二氏は「カーボンニュートラルに向けたGE ホンダとしての取組みをお伝えすることができ、大変うれしく思います。空の領域でもCO2排出量の削減は世界的な課題となっており、環境負荷の軽減はわたしたちの責務です。HF120は既にクラス最高の低燃費・環境性能を達成していますが、100% SAFで将来的に環境負荷のさらなる軽減に貢献していきます」と述べている。