ニュース

ホンダ、最新型「ホンダジェット Elite II」発表 「グランドスポイラー」の初搭載や特別色「Black Edition」の新設定など

2022年10月17日(現地時間) 発表

ホンダジェット Elite II(Black Edition)

 本田技研工業の航空機事業子会社ホンダ エアクラフト カンパニー(Honda Aircraft Company 以下、HACI)は10月17日(現地時間)、小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」について、最新型「ホンダジェット Elite II」(以下、Elite II)を発表した。

 米フロリダ州オーランドで開催される世界最大のビジネス航空ショー「ナショナル ビジネス アビエーション(NBAA 2022)」において発表されたElite IIは、燃料タンクの拡張や最大離陸重量の増加により、航続距離を従来のホンダジェット Eliteから+204km延長した2865km(1547ノーティカルマイル)を実現する。

 機体構造の改良においては「グランドスポイラー」を主翼に初搭載し、着陸時の機体ハンドリングと安定性を向上。外観デザインにおいては「Black Edition」(特別色)を新たに設定した。

 内装にはモダンなグレーを基調にした「スチール」と暖かみのあるベージュを基調にした「オニキス」の2つのデザインが加わり、また、機内通路の床材には従来のカーペットのほか、木目調のデザインを選択できるようにした。さらに、機内壁の遮音材を刷新し機内に流れ込む風切り音を抑える設計とするなど、ノイズ低減の工夫を施したことでキャビン全体の静粛性をさらに向上させた。

 また、最新の自動化技術である「オートスロットル機能」と「緊急着陸装置」を2023年末までに導入するとしていて、HACIではこれまで複数回に渡るアップグレードにおいて最新の安全機能をアビオニクスシステムに搭載してきたが、この2つの自動化技術のElite IIへの導入は、パイロットの負荷を軽減するとともに、機体運用の安全性をさらに向上させるとしている。

 ホンダ エアクラフト カンパニー取締役社長の山﨑英人氏は「ホンダジェットによって小型ジェット機の概念を再度覆すべく、性能と快適性を追求したホンダジェット Elite IIを発表できることをうれしく思います。今後さらに、新たな自動化技術の研究開発、導入にむけて挑戦し、安全・安心、そして自由な移動の喜びを提供していきます」とコメントしている。

 なお、同日NBAAにて、GE ホンダが持続可能な航空燃料(SAF)を100%使用したエンジン試験に成功したことも公表され、ホンダジェットに搭載されているHF120ターボファンエンジンが、SAFでも通常のジェット燃料と同等の性能が見込めることが確認された。ホンダでは、これからも空の領域のカーボンニュートラルに向け、環境負荷の軽減に取り組んでいくとしている。

SAFを100%利用した試験に用いたHF120