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2022年度グッドデザイン大賞は「まほうのだがしやチロル堂」に決定

2022年11月1日 発表

地域で子供たちの成長を支える活動「まほうのだがしやチロル堂」:アトリエ e.f.t. t.(奈良県)+合同会社オフィスキャンプ(奈良県)+一般社団法人無限(奈良県)

 日本デザイン振興会は11月1日、2022年度のグッドデザイン大賞は、地域で子供たちの成長を支える活動「まほうのだがしやチロル堂」に決定したと発表した。

 その年を象徴するデザインである「グッドデザイン大賞」は、大賞候補であるファイナリストに対して、審査委員と受賞者および一般からの投票により1点が決定された。大賞候補となったのは「グッドデザイン金賞」を受賞した20件の中から選ばれた「日立 コードレス スティッククリーナー PV BH900SK」(日立グローバルライフソリューションズ)、「Xbox Adaptive Controller/Xbox Series X|S」(日本マイクロソフト)、「UNI ONE」(本田技研工業)、「最高裁判所 裁判官の国民審査 特集サイト」(日本放送協会)、「まほうのだがしやチロル堂」(アトリエ e.f.t.t.+合同会社オフィスキャンプ+一般社団法人無限)。

掃除機「日立 コードレス スティッククリーナー PV BH900SK 」:日立グローバルライフソリューションズ株式会社(東京都)
ゲーム機「Xbox Adaptive Controller/Xbox Series X|S」:日本マイクロソフト株式会社(東京都)
ハンズフリーパーソナルモビリティ「UNI ONE」:本田技研工業株式会社(東京都)
選挙啓発キャンペーン「最高裁判所 裁判官の国民審査 特集サイト」:日本放送協会(東京都)

魔法の仕掛けを大人の寄付で支える「まほうのだがしやチロル堂」

 アトリエe.f.t.、合同会社オフィスキャンプ、一般社団法人無限による「まほうのだがしやチロル堂」は、奈良県生駒市にある駄菓子屋。18歳以下の子供たちは、まず1人1回100円で入口のガチャガチャを回して入店。カプセルには1枚100円の価値がある店内通貨「チロル札」が1~3枚入っていて、駄菓子を買うことはもちろん、店の奥にあるカウンターやテーブルスペースで通常500円のカレーや軽食を食べることができる。この魔法を大人の寄付で支えるというもの。

 1枚100円の価値がある店内通貨「チロル札」1枚で、子どもたちは通常500円のカレーなどが食べられること、「魔法」の仕掛けである「寄付」を、飲食や買い物に付随させ日常の延長でのサポートができること、誰もが来店しやすい「駄菓子屋」として場を開くことで、孤独や貧困に悩む子供たちの利用を促していることなどが評価された。

 審査委員からは「子供が分け隔てなく集える場としての『駄菓子屋』。この場所だけの新しい貨幣価値『チロル札』。する側もされる側も気を遣い、程度を見極めることが難しい『支援』という課題を乗り越えるために、2021年10月にスタートしたチロル堂。この取り組みに賛同した小さな子供を持つ5人の母たちが2022年7月、金沢に2号店をオープンさせた。初期投資の負担が少ない駄菓子屋という仕組み。チロル堂が全国各地に展開する日もそう遠くなさそうだ」と評価されている。