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SUPER GT最終戦もてぎ、GT500は12号車カルソニック IMPUL Zが、GT300は56号車リアライズ日産 GT-Rがチャンピオンに 日産はダブルタイトル

GT500のシリーズチャンピオンは12号車カルソニック IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット、BS)が獲得

 SUPER GTの最終戦となる第8戦もてぎの決勝レースが11月6日、モビリティリゾートもてぎ(栃木県芳賀郡茂木町)で開催された。GT500、GT300ともに年間ポイントランキング僅差で迎えた最終戦、GT500は2位でチェッカーを受けた12号車カルソニック IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット、BS)が逆転でシリーズチャンピオンを獲得した。

 GT300は56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ、YH)が栄冠に輝いた。

GT300のシリーズチャンピオンを獲得した56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)。日産はダブルタイトルを獲得した

GT500クラス:安定した走りで2位フィニッシュの12号車がチャンピオン、3号車はペナルティが響く

最終戦を優勝した100号車STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐、BS)

 ローリングスタートからグリッドどおりに1コーナーに飛び込んでいったGT500の上位陣だが、オープニングラップで8号車ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺、BS)がスピン。3号車CRAFTSPORTS MOTUL Z(千代勝正/高星明誠、MI)はその原因を作ったとしてドライブスルーペナルティが課される。これによって最後尾まで後退し、チャンピオンを狙う同車にとって大きな痛手となった。

 ところがその直後、GT500とGT300の計5台が絡むクラッシュが発生したことでセーフティカーが導入される。この影響の影で、10位スタートだった17号車Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治、BS)が一気に4位にまで順位を上げ、12号車のすぐ後ろにつく。100号車STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐、BS)がトップを走り、チャンピオンシップをリードする3号車は最後尾ということで、12号車と17号車のどちらか先にチェッカーを受けた方がチャンピオンという状況となった。

 セーフティカー明けの21周目から12号車と17号車の2台が激しいつばぜり合い。しかしルーチンのピットインを挟んでから17号車は離され、反対に12号車は前を行く100号車との差を徐々に詰め始める。しかし、12号車はこのままのポジションをキープすれば勝利できるためか、無理にプッシュすることはせず、安定して周回を重ねていく。

 レース終盤、ペナルティで一度は最後尾となった3号車は4位までポジションアップさせるも、2位を走る12号車の後ろ姿は遠く、終始アクシデントなく走りきった12号車がタイトルを獲得した。レースは100号車が今季初優勝を飾った。

最終戦で3位に入った14号車 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太組、BS)

GT300クラス:タイヤが外れるトラブルを乗り越え56号車がチャンピオンに

最終戦のGT300を優勝した55号車ARTA NSX GT3(武藤英紀/木村偉織、BS)

 GT300は、予選結果も含めて考えるとポイントランキングトップの56号車と、同3位の10号車TANAX GAINER GT-R(富田竜一郎/大草りき、DL)がチャンピオンの可能性の高いチーム。序盤に発生したクラッシュによるセーフティカーと、その間にホームストレートで発生した激しいクラッシュによる影響から、中盤以降、10号車が56号車の前に出るレース展開となった。

 10号車が56号車の前でチェッカーを受けることになれば、そのときのポジションによっては10号車が逆転でチャンピオンとなる可能性がある状態。それでもギリギリチャンピオン圏内だった56号車だったが、45周目、右フロントタイヤが外れる突然のトラブル。なんとかピットに戻るものの、ポイント圏外へと脱落してしまった。

 これで56号車のチャンピオンの可能性はなくなり、一気に有利になったと思われた10号車。しかし、チャンピオンシップ5位の52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰、BS)がレースでは2位までポジションアップしており、対して10号車は残り数周のところでじりじりとポジションを下げ5位に後退したことで、一時は10号車、52号車、56号車が同ポイントで並ぶ形に。

 残り3周、5位を走る10号車は後ろから88号車Weibo Primez ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥、YH)にテールトゥノーズで追い立てられ、それをなんとかブロックして抑える。かわされて6位になれば、チャンピオンは再び56号車のものとなるため、なんとしても抜かせたくない10号車。が、ファイナルラップで追い抜かれ、ついに力尽きる。この瞬間、ポイント圏外で走行していた56号車だったが、無事最後まで走り切り、シリーズチャンピオンに輝いた。

最終戦のGT300で2位に入った87号車 Bamboo Airways ランボルギーニ GT3(松浦孝亮/坂口夏月、YH)。87号車と88号車の2台のランボルギーニがチャンピオン決定を左右した
最終戦のGT300で3位に入った52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰、BS)