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ゴードンミラーモータース、「ハイゼット カーゴ」ベースの軽キャンパー「GMLVAN S-01」公開

2022年11月22日 公開

ゴードンミラーモータースの軽キャンパー「GMLVAN S-01」が公開された。発売は2023年2月中旬を予定。価格は319万円(FF)と338万8000円(4WD)

リアスペースに木を用いて、アースカラーでまとめたこだわりある軽キャンパー

 カー用品販売店を運営するオートバックスセブンには「GORDON MILLR(ゴードンミラー)」というガレージライフブランドがあり、カーグッズやアウトドアギア、男女アパレルなどとあわせて「GORDON MILLR MOTORS(ゴードンミラーモータース)」という車両レーベルでオリジナルのキャンピングカーを企画、製作、販売している。

 現在、ゴードンミラーモータースからはトヨタ自動車「ハイエース」をベースにした「GMLVAN V-01」と、日産自動車「NV200」がベースの「GMLVAN C-01」がリリースされているが、11月22日にダイハツ工業の「ハイゼット カーゴ クルーズターボ」をベースとしたニューモデルとなる「GMLVAN S-01」が初公開された。ゴードンミラーモータースとしては初の軽キャンパーである。

 GMLVAN S-01の発売は2023年2月中旬で、全国のオートバックスグループ店舗に設定される「GORDON MILLER AUTHORIZED DEALERS(ゴードンミラー オーソライズド ディーラー)」にて順次開始するが、東京都墨田区にある直営店舗「GORDON MILLER KURAMAE」限定で、2022年12月17日から展示と先行予約が開始される。早期の納車を希望する場合は先行予約を利用したい。GMLVAN S-01の価格は2WD(FF)が319万円、4WDが338万8000円となっている。

 ハイゼット カーゴといえば、軽商用バンのなかでは長さのあるカーゴスペースを持っているため、車中泊などアウトドア趣味を楽しむユーザーからの評価が高く、ターボエンジンや4WDがある点も大きな特徴となっている。

 GMLVAN S-01はこうした素性のいいベース車に、ゴードンミラーモータースの車両に共通する質のいいキャンピングカー用装備を追加。さらに趣味用のクルマとして愛着が持てる内外装デザインを採用することで、クルマ好きなアウトドア派のユーザーの感性に訴える仕上げとしている。なお、ネーミングのS-01のSは、“Small”や“Simple”、そして“Solo”(ソロキャンプ)の頭文字から取ったものということだ。

東京都江東区蔵前にあるゴードンミラーの店舗で「GMLVAN S-01」の発表会が行なわれた

 GMLVAN S-01のベースはダイハツのハイゼット カーゴ クルーズターボ。トランスミッションはCVT。駆動方式は2WD(FF)と4WDが用意される。

 GMLVAN S-01に仕立てるうえで、ベースのハイゼット カーゴに対してエクステリアデザインとインテリアに変更が加えられているが、ターボエンジン、足まわり、ボディ形状、登録の種類に変更はない。

 また、現代のクルマには必須の運転支援機能もハイゼット カーゴと変わりなく、ダイハツの運転支援機能である「スマートアシスト」が装備されている。スマートアシストの内容は衝突警報機能、衝突回避支援ブレーキ(対車両・歩行者[昼夜])、ふらつき警報、路側逸脱警報機能、車線逸脱警報機能/車線逸脱制御機能、ブレーキ制御付き誤発進抑制機能(前方・後方)、先行車発進お知らせ機能、標識認識機能、オートハイビーム、アダプティブドライビングビーム、サイドビューランプ、コーナーセンサーとなっている。

ダイハツのハイゼット カーゴをベースにしたGMLVAN S-01
オプションのルーフキャリア、アルミホイールを装着。ボディカラーはコヨーテ(ダイハツ純正色のサンドベージュメタリック)
リアバンパーにはオプションを装着している
こちらのボディカラーはGORDON MILLER オリジナルのオリーブドラブ。軽商用バンはほかにもあるが、GMLVAN S-01はダイハツからの声がけによって製作がスタートしたのでハイゼット カーゴがベースになったという
ダイハツの運転支援機能「スマートアシスト」も装備。機能はベースのハイゼット カーゴと変わりがないが、架装しているので動作にベース車との違いが出ることもある

 次に、GMLVAN S-01ならではの装備を紹介しよう。まずは外観から。

 特徴的な部分はフロントフェイス。ベースのハイゼット カーゴはマルチリフレクターヘッドライト(オプションでLEDヘッドライトを選択可能)を使ったシャープな顔つきだが、GMLVAN S-01ではクラシカルな雰囲気を持つ丸型ライトに変更され、フロントグリルとバンパーフェイスも専用品となっている。これはハイエースをベースにしたGMLVAN V-01と同じテイストとのことだ。

 リアはテールゲート開閉ノブの上部に、ゴードンミラーモータースのオリジナルエンブレムが付く。そして、オリジナルデザインの丸型テールランプがオプションで設定されている(リアバンパーはノーマル、純正ランプユニットと付け替え)。

 ボディカラーはGMLVANシリーズと同様にオリーブドラブとコヨーテの2色が用意されるが、GMLVAN S-01でのコヨーテは他のシリーズで使用するコヨーテ色ではなく、ダイハツがタフトなどに設定している「サンドベージュメタリック」を使用している。なお、オリーブドラブ、コヨーテともに、ダイハツの新車同様、生産ラインで塗装されるという部分も特徴である(架装はゴードンミラーモータースが行なう)。

丸型ライトやレトロな機械感のあるデザインのグリルやバンパーとしたことで、ハイゼット カーゴとは大きくイメージが変わったフロントフェイス。趣味の道具として愛着が持てる印象だ
フロントバンパーに付いているフォグランプはオプション設定
ライトを変更しているのでウインカー、ハザードランプ用のサイドマーカーをフェンダー部に追加している
ドアミラーカバーはブラックメタリック仕上げ
ドアハンドルはブラック仕上げとなる
オプション設定のテールランプが付く
12インチアルミホイールはオプション。標準車はブラック塗装のスチールホイールとなる。タイヤサイズは145/80R12 80/78N LT
オプション設定のルーフキャリア。大型のものでルーフ全面を覆うサイズ
ルーフキャリアに装着できるサイドオーニングもオプション設定される

 GMLVAN S-01のベースになったハイゼット カーゴは軽商用バンなので機能性重視のシンプルなつくりだが、外観を見ても分かるように、まるで山小屋のような魅力あるスペースに生まれ変わっている。

 インテリアはリアスペースから紹介していこう。壁面と天井に使用しているのは天然のアカシア材。表面は木目がきれいに見えるクリアの保護剤で仕上げられている。天井には4灯のLED照明が埋めこまれていて明るさは十分といった印象。夜間でもLEDランタンなどほかの照明は不要だろう。左壁面には消灯、点灯スイッチと調光用のダイヤルが装備される。

GMLVAN S-01のリアスペースはこのような木目の落ち着いた空間に生まれ変わっている。これは前席から後方を見た状態
天井のつくり。アカシア材が使われる。この裏には断熱材や遮音材が追加されている
内壁の各所にフックの追加やボルトでの装具の固定ができるユースフルナット(ネジ穴)がある(ハイゼット標準装備)。より使いやすい空間へのアップデートも可能
天井の板張りと標準の内装の継ぎ目の処理がていねい。側面も同様だ。こうした細かいつくりが「質のよさ」を表している

 左右壁面には54×35cm(幅×奥行き)、耐荷重10kgという折りたたみ式木製テーブルが付く。この寸法は持ち歩きするサイズのノートPCや資料などを置くのにちょうど合うので、車中泊時の食事のほか、テレワーク時の仕事のスペースとしても使える。なお、テーブル展開時の床面からの高さは40cmなので、フロアにじかに座った状態がちょうどいいという感じ。PCでの動画視聴や飲み物を置くテーブルとして使う際はローチェアとの相性もよさそうだ。

左右の壁面には天板をたたんで収納できるテーブルが付く
テーブルをしまった状態
片側を出した状態。フロアからの高さは40cmなので、クッションなどを敷いてフロアにじかに座った状態でちょうどいいもの
左右に展開できるので、車中泊のときに調理や用意と食事用のテーブルを分けるという使い方もできる
左壁面には天井の照明用スイッチ&コントローラーがある。就寝時にも操作しやすい位置だ

 窓にはカーテンレールと遮光性のある厚手のカーテンが装備される。クルマをテントとして使うキャンプや車中泊では、就寝時に窓に目張りをするのだが、ここで遮光性のあるカーテンがあるとサッと用意できるのは便利だ。また、専用レールを使っているだけに、かさばるカーテンが付いても室内の印象がスッキリしているのも好印象だった。

 次に床材。一見すると木材に見えるが、ここはフロアボードに木目調の防水・防汚加工が施されたクッションフロアを貼った仕上げとなる。フロアは靴のまま上がることも想定されるし、荷物の積み込みなどでも傷つきやすいだけに、ここの材質は木材よりクッションフロアのほうが向いている。

 このようなリアスペースに対して、前席も同様にラフに使える仕様になっていた。シート自体はノーマルだが、軽量で摩擦や引き裂き、穴あきに強い「コーデュラ」という生地を使うオリジナルシートカバーを標準装着。このカバーの表面はテフロン加工もされているので撥水、防汚、防塵効果もある。シートカバーのカラーもオリーブドラブやコヨーテというボディ色に合うベージュ系アースカラーとなっている。

荷室の窓には専用のレールと遮光性のあるカーテンが付く
前席との境にカーテンを設けている。フロントウィンドウに目張りをするのは面倒なのでこのつくりはとてもいいと思う
カーテンを開けた状態
カーテンを閉めた状態
フロア材は木目調の防水・防汚加工が施されたクッションフロア。ハイゼット カーゴは荷室に4つ、タイダウンベルトなどが掛けられるしっかりしたフックの取り付けも可能
インパネまわりに変更はない。ルームミラーはスマートインナーミラーとなる。フロアマットはオプション設定
運転席、助手席ともにオリジナルカラーのシートカバーを装着する。表面をテフロン加工したコーデュラ素材
スレや汚れに強いシートカバー。アウトドア向きのアイテムだ
後席は左右別々にアレンジできる
両側のスライドドアはパワースライドドアになる。イージークローザー機能もあるので手動での開け閉めも楽だ
パワースライドドアは動作時にブザーが鳴るので、夜間や早朝のキャンプサイトでの開け閉めのときはパワースライドドアをOFFにして手動で操作したい

 冒頭にも書いたように、GMLVAN S-01の価格は319万円(2WD)と338万8000円(4WD)。軽商用バンとしてはなかなかのものだが、このGMLVAN S-01のつくりや装備、そしてなによりGMLVAN S-01で体験できることを考えると、適正な価格といえるのではないだろうか。なお、先行予約分の納車予定は2023年4月ごろとのことなので、来年のGWや初夏のキャンプで「GMLVAN S-01」に乗りたいと思う人は早めの商談をおすすめする。