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バレンティーノ・ロッシ選手が、BMW Mモータースポーツのワークスドライバーに就任

2022年12月22日(現地時間) 発表

BMW Mモータースポーツのワークスドライバーに就任したバレンティーノ・ロッシ選手

 BMWは12月22日(現地時間)、2023年シーズンのBMW Mモータースポーツのワークスドライバーに、元Moto GP(ロードレース世界選手権)ライダーの「バレンティーノ・ロッシ(イタリア)」選手が加わったと発表した。

 バレンティーノ・ロッシ選手はMoto GPで9度の世界チャンピオンを獲得し、2021年秋にMoto GPを引退していたが、2023年は「BMW M4 GT3」でテスト走行をはじめ、「Fanatec GT World Challenge Europe powered by AWS」と「バサースト12時間耐久レース」に参戦する予定という。なお、詳細は後日発表予定としている。

 バレンティーノ・ロッシ選手は、「BMW Mワークスのオフィシャルドライバーになることをとても誇りに思っているし、素晴らしい機会だと思う。昨年から本格的に自動車レースを始め、とても仲良くなったWRTチームと最初のシーズンを終えました。WRTチームが新しいパートナーとしてBMW Mモータースポーツを選んだことをとてもうれしく思っています。BMW M4 GT3はすでに2回テストする機会があり、クルマのフィーリングはとてもいい。来シーズンは競争力を発揮できると思います。また、BMW Mモータースポーツは来年、Maxime MartinとAugusto Farfusという非常に強力な2人のドライバーと一緒にレースする機会を私に与えてくれました。まだまだ学ぶべきことはたくさんあるし、改善しなければならないこともあるけれど、レース・ウィークエンドで戦えるだけの速さを身につけたいと思っているんだ」とコメントしている。

バレンティーノ・ロッシ選手が長年バイクレースで付けていた46のゼッケンを配したBMW M4 GT3

 BMW Mモータースポーツ代表のAndreas Roos氏は、「バレンティーノ・ロッシは紹介するまでもないだろう。史上最も成功したモーターサイクルライダーの1人として、彼は歴史を作ってきた。レーストラックでの成功とその個性によって、彼はまさに生きる伝説となった。しかし、バレンティーノは4輪のレーサーとしても優れていることを証明した。彼はカーレースが彼にとって第2のモータースポーツの故郷であることを示し、その情熱、スキル、コミットメントのすべてをこのキャリアの新しい章に注ぎ込んでいる。バレンティーノが来年、新しいワークスドライバーとしてBMW Mモータースポーツファミリーに加わるのは素晴らしいことだ。一緒に仕事をするのが本当に楽しみだ」と述べている。

 バレンティーノ・ロッシ選手は、1997年に125ccクラスで初の世界選手権タイトルを獲得。そして2年後には250ccクラスでタイトルを獲得。2000年には当時の最高峰カテゴリーである500ccクラスに昇格し、2001年に世界チャンピオンを獲得。翌年からWGPはMotoGPに代わったが、ロッシ選手は2002年~2005年に4連続で世界選手権タイトルを獲得。さらに2008年と2009年にもチャンピオンとなり通算9回の世界チャンピオンを獲得している。

 また、ロッシ選手は早くからF1のフェラーリやメルセデスなど、さまざまなレーシングカーでのテストにも参加。2009年のモンツァラリー(ITA)の経験もあり、世界ラリー選手権では2006年のニュージーランドと2009年のウェールズに参戦。2019年はアブダビ(UAE)の耐久レースにも参戦している。2021年のシーズンファイナルを最後に現役のモーターサイクルレースから引退したロッシ選手は、カーレースの新たな一歩を踏み出し、2022年シーズンは、チームWRTからGTワールドチャレンジ・ヨーロッパに参戦していた。

ロッシ選手は「ザ・ドクター」の愛称を持ち、若手の育成にも力を注いでおり「VR46 Rider Academy」という、イタリアの若手ライダーをMotoGPに送り出すことを目的とした学校を運営している