ニュース

メルセデス・ベンツ、EV生産のデジタルツインにNVIDIAの仮想空間プラットフォーム「Omniverse」採用

NVIDIAのOmniverse上にデジタルツインで構築されたメルセデス・ベンツの工場

NVIDIAの仮想空間プラットフォーム「Omniverse」

 1月3日(現地時間)、AI半導体などで知られるNVIDIAは世界最大の技術見本市「CES2023」の特別講演を実施。NVIDIAの仮想空間プラットフォームである「Omniverse」がメルセデス・ベンツのEV生産のデジタルツイン実現に採用されていることを発表した。

 リアル空間と同等の世界を仮想空間に構築することなどがデジタルツインと呼ばれ、その築かれた仮想空間はメタバースと言われていることが多い。現実と同等の世界を仮想空間に築くことで、現実では難しかったテストなどを仮想空間でシミュレーションしやすくなる。

Mercedes-Benz Adopts NVIDIA Omniverse for Vehicle Assembly and Production Planning
デジタルツインであれば生産ロボットの配置などを容易にシミュレーションできる

 NVIDIAは同社の優れた3D技術やAI技術をベースに、物理法則やグラフィックスを現実同様に再現可能という仮想空間プラットフォーム「Omniverse」をクラウド上などで提供。BMWの工場などを再現してきている。

 今回のCES2023では、メルセデス・ベンツのEV生産にOmniverseが採用されていることを発表。実際に公開された映像などでは、Omniverseでの生産ロボットと、リアルな生産ロボットが同期している様子が見られた。

 Omniverse関連では、クルマの開発への適用も紹介。デジタルツインによってステアリングホイールを容易に変更したり、外部環境の変化によるコクピットの違いなどのデモ映像も紹介された。

デジタルツインを使った開発のデモ
ステアリングの仕様違いをすぐに再現
さまざまな角度からステアリング仕様を確認できる
セレクトしたステアリングですぐに仮想空間を走り出せる
環境光の違いによるコクピット体験の変化も確認