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三菱重工、「スペースジェット」開発中止を決定

2023年2月7日 発表

写真は2014年の新型国産旅客機「MRJ(Mitsubishi Regional Jet)」のロールアウト式典

 三菱重工業は2月7日、ジェット旅客機「スペースジェット(SpaceJet)」の開発中止を決定したと発表した。同社は、立ち止まりとしていた「SpaceJet M90」の開発活動を中止、今後ともSpaceJetの知見を活かし、完成機を見据えた日本の航空機産業の発展と技術力向上に取り組んでいくとしている。

 開発を中止することについては、「高度化した民間航空機の型式認証プロセスへの理解不足」「長期にわたる開発を継続して実施するリソースの不足」を反省点として挙げ、中止する理由については、以下4つの観点から開発再開に足る事業性を見出せないとしている。

1 技術:開発長期化により一部見直し要。脱炭素対応等も必要
2 製品:海外パートナーより必要な協力の確保が困難と判断
3 顧客:北米でスコープクローズ (労使協定による機体サイズ等の制限) の緩和が進まず、 M90では市場に適合しない足下でのパイロット不足の影響もありRJ市場規模が不透明
4 資金:型式証明の取得にさらに巨額の資金を要し、上記市場環境では事業性が見通せない

 今後の取組みとしては、CRJ事業での完成機事業への取組み、海外OEMとのパートナーシップ深化、完成機を見据えた次世代技術の検討、FX(次期戦闘機)への知見活用、愛知県にある施設・設備活用などに取り組むとしている。