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自工会、豊田章男会長が続投へ 残り1年の任期に正副会長と一体となった体制で取り組む

日本自動車工業会 会長 豊田章男氏。残り1年の任期を正副会長とともに取り組んでいく

 自工会(日本自動車工業会)は3月23日、臨時の理事ミーティングを開催。辞意を表明していた豊田章男会長が続投することを発表した。これにより、5月に行なわれるG7サミットに合わせた自工会のイベント、10月26日に開幕する東京モーターショー改め「JAPAN MOBILITY SHOW(ジャパンモビリティショー)2023」は、豊田会長らのもとで実施されていくことになる。

 豊田会長は1月30日に、理事の就任に関して「各社の執行をつかさどる社長であること」を申し合わせていることから、自身がトヨタ自動車社長から会長へ就任することにともなって辞意を表明。3期目の任期途中であること、自工会最大のイベントであり、豊田会長自身がリーダーシップを持って取り組んでいたジャパンモビリティショーが初開催となることから、その去就が注目を集めていた。

自工会 正副会長のチーム。右下は新たに加わった佐藤恒治トヨタ自動車次期社長

 片山正則副会長は、4月からの自工会の運営について説明するとともに「豊田会長の辞意については、非常に早い時期から慰留した」と説明。さまざまな改革についてリードしてきた豊田会長には、任期を満了することをすべての副会長が希望した。そのことから、2月のはじめに緊急理事ミーティングを開催。片山副会長は「驚くことに面着ですべての理事の参加となり、全理事一致して慰留をお願いした」ことになったという。

 そして昨日、豊田会長に「会長続投のお願い」「自工会運営改革の承認」を申し入れ、豊田会長より承諾を得たという。

 これにより、今後は正副会長で議論を深め、重点テーマに関しては副会長がリードする体制に移行。自工会一丸となって、日本の自動車産業の発展に努めていく。また、トヨタ自動車の申し入れにより、4月1日から社長に就任する佐藤恒治氏が副会長に就任することも発表された。

 豊田会長は、「片山副会長より、正副会長が一丸となってチームで課題に取り組んでいきましょう」という提案をいただいたと1年間の続投に至った思いを説明。最初に自工会会長に就任したときに掲げた「国内の自動車産業を守り抜く気概」「世界の自動産業をリードする気概」という2つの気概を紹介。豊田会長は「1年間の続投をお許しいただきたい」と語り、今後も競争と協調を行ないながら、新たになった体制のもと正副会長と一体になって残りの任期を務めていく。

 10月のジャパンモビリティショーについては、永塚副会長が説明。「未来のプレゼンテーションの場を設けたい」「スタートアップ企業のみなさまに中心的な役割を果たしていただきたい」「世界中の有識者の方に集まっていただきたい(モビリティ版のダボス会議)」という3つの柱を用意。また、片山副会長からは、「モビリティショーに関しては大型車も取り組んでいく。生活者の皆さんから物流がどう見えるのか考えている」と、4社の個性を大事にしながら、大型車への思いが出るようにしていきたいと方向性を示した。

 5月の広島G7サミットに向けては、三部敏宏副会長が説明。CO2を削減する取り組みを世界に訴えていくとし、具体的には今後の発表になると語った。