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スーパーフォーミュラ第2戦富士、連覇中のチャンピオン野尻智紀選手がシーズン初勝利 MUGENは2連勝

笠原一輝
Photo：奥川浩彦

2023年4月9日 17:58

第2戦富士を優勝した野尻智紀選手（1号車 Red Bull MOTUL MUGEN SF23）

　スーパーフォーミュラの開幕ラウンドが4月8日～9日の2日間にわたって富士スピードウェイ（静岡県駿東郡小山町）で開催された。4月9日は第2戦の予選、決勝が行なわれた。

　第2戦を優勝したのは野尻智紀選手（1号車 Red Bull MOTUL MUGEN SF23）。ポールポジションからスタートしたものの、すぐ2位に落ちたが、タイヤ交換のタイミングで実質的な首位に浮上してからはレースを支配して優勝した。2位は坪井翔選手（38号車 P.MU/CERUMO・INGING SF23）、3位は山下健太選手（3号車 REALIZE Corporation KONDO SF23）。

決勝レースハイライト | 2023 SUPER FORMULA Rd.2 FUJI

レース序盤を盛り上げた大湯都史樹選手

　決勝レースは、第1戦に引き続き第2戦でもポールポジションを獲得した野尻智紀選手がよいスタートを切ったかに見えたが、予選3番手からスタートの大湯都史樹選手（53号車 TGM GP SF23）が野尻選手を2コーナーまでにオーバーテイクして、首位に浮上した。

　8周目にジュリアーノ・アレジ選手（36号車 VANTELIN TOM'S SF23）が2コーナーでスピンし、コース上に止まった影響で、セーフティカーが導入される。セーフティカー導入のままトップが10周目をむかえることになったため、セーフティカーが出る直前に10秒のペナルティピットストップを行なっていた平川亮選手（20号車 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23）を除く全車がタイヤ交換義務のためピットに入った（平川選手はレース終盤にタイヤ交換を行なうが、最後はトラブルでコース脇にクルマを止めた）。

　このタイヤ交換をうまく活用したのは野尻選手で、ピットガレージが一番先頭にあるという有利さを活かしてトップを奪回した。大湯選手はピットに入ってくるクルマをわずかに待たなければいけなかったため、野尻選手のトップ再浮上を許した形になる。

　大湯選手はレースが再開された13周目の1コーナーで、野尻選手をアウトから抜こうとトライする。しかし、1コーナーで止まりきることができず、野尻選手がタイヤ交換を行なったグループのトップを維持した。

　その後大湯選手は、坪井翔選手にも追い抜かれ、タイヤ交換を行なったグループの3位に転落した。

　レース中盤、大湯選手は後ろから追いかけてくる選手に抜かれていった。大湯選手はリアム・ローソン選手、山下健太選手（3号車 REALIZE Corporation KONDO SF23）、宮田莉朋選手（37号車 VANTELIN TOM’S SF23）に抜かれ、タイヤがパンクしてピットイン。上位争いからは完全に脱落した（最終的に完走した車両の中では最後尾でゴール）。

終盤追い上げられたものの野尻選手が優勝

　このまま野尻選手がトップを維持してチェッカーをむかえるかと思われたレース後半、野尻選手と2位の坪井選手の差がじょじょに縮まっていく。というのも、野尻選手は無線交信でタイヤにバイブレーションが出ていることをチームに連絡していた。その無線をSFgoで聞いた坪井選手のチームは、坪井選手に野尻選手にタイヤのバイブレーションが出ていることを告げる。

　そうしたことから坪井選手はじょじょに差を詰め、2秒程度の差になる。その後ろには昨日の覇者ローソン選手が追い付く。これで野尻選手と坪井選手の差はじょじょに開き始め、2位争いに焦点が移っていった。

　結局ローソン選手は坪井選手を抜けず、さらにローソン選手はピットストップのタイミングで前車との差をあけすぎたということで、5秒のタイムペナルティが科せられた。

　優勝は野尻選手で、今シーズンの初優勝をポールトゥウインで飾った。これで第1戦の2位と合わせてポイントランキングでトップに立った。2位は坪井選手、3位は前述の理由でローソン選手が降格になったため、山下選手。4位は同じくローソン選手の降格にともない1つ順位が上がった宮田選手。5位はピットストップ時の違反で5秒のタイムペナルティにより3位表彰台を失ったローソン選手。

　以下6位は小林可夢偉選手（7号車 Kids com KCMG Cayman SF23）、7位は福住仁嶺選手（12号車 ThreeBond Drago CORSE SF23）、8位は阪口晴南選手（39号車 P.MU/CERUMO・INGING SF23）、9位は牧野任祐選手（5号車 DOCOMO DANDELION M5S SF23）、10位は佐藤蓮選手（65号車 TCS NAKAJIMA RACING SF23）となり、ここまでがポイント獲得となった。

2位は坪井翔選手（38号車 P.MU/CERUMO・INGING SF23）

3位は（3号車 REALIZE Corporation KONDO SF23）

スーパーフォーミュラ第2戦富士　決勝結果（暫定）

順位	カーナンバー	ドライバー	車両名	エンジン	周回数
1	1	野尻智紀	Red Bull MOTUL MUGEN SF23	H	41
2	38	坪井翔	P.MU/CERUMO・INGING SF23	T	41
3	3	山下健太	REALIZE Corporation KONDO SF23	T	41
4	37	宮田莉朋	VANTELIN TOM’S SF23	T	41
5	15	リアム・ローソン	Red Bull MOTUL MUGEN SF23	H	41
6	7	小林可夢偉	Kids com KCMG Cayman SF23	T	41
7	12	福住仁嶺	ThreeBond Drago CORSE SF23	H	41
8	39	阪口晴南	P.MU/CERUMO・INGING SF23	T	41
9	5	牧野任祐	DOCOMO DANDELION M5S SF23	H	41
10	65	佐藤蓮	TCS NAKAJIMA RACING SF23	H	41
11	14	大嶋和也	docomo business ROOKIE SF23	T	41
12	50	松下信治	BYOBUGAURA B-MAX SF23	H	41
13	19	関口雄飛	ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23	T	41
14	4	小高一斗	REALIZE Corporation KONDO SF23	T	41
15	64	山本尚貴	TCS NAKAJIMA RACING SF23	H	41
16	18	国本雄資	Kids com KCMG Elyse SF23	T	41
17	55	ジェム・ブリュックバシェ	TGM GP SF23	H	41
18	51	ラウル・ハイマン	BYOBUGAURA B-MAX SF23	H	41
19	6	太田格之進	DOCOMO DANDELION M6Y SF23	H	41
20	53	大湯都史樹	TGM GP SF23	H	41
21	20	平川亮	ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23	T	39
R	36	ジュリアーノ･アレジ	VANTELIN TOM’S SF23	T	7

ポイントランキング（第2戦終了時、編集部集計）

POS	CAR NO.	DRIVER	Rd.1	Rd.2	合計
1	1	野尻智紀	18	23	41
2	15	リアム・ローソン	21	6	27
3	37	宮田莉朋	8	9	17
4	38	坪井翔	0	15	15
5	20	平川亮	11	0	11
6	3	山下健太	0	11	11
7	64	山本尚貴	8	0	8
8	65	佐藤蓮	5	1	6
9	7	小林可夢偉	0	5	5
9	53	大湯都史樹	4	1	5
11	12	福住仁嶺	0	4	4
12	55	ジェム・ブリュックバシェ	3	0	3
13	39	阪口晴南	0	3	3
14	14	大嶋和也	2	0	2
14	5	牧野任祐	0	2	2
16	4	小高一斗	1	0	1

表1 スーパーフォーミュラ第2戦レース結果（結果は暫定）
表2 第2戦を終えた段階でのポイントランキング（編集部集計）