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アストンマーティン、新型スーパーツアラー「DB12」世界初公開 680PS/800NmのV8ツインターボ搭載

2023年5月24日(現地時間) 発表

アストンマーティンの新型スーパーツアラー「DB12」

 英アストンマーティンは5月24日(現地時間)、新世代のスーパーツアラー新型「DB12」を世界初公開した。デリバリーは2023年第3四半期に開始される予定。

 エクステリアデザインは、75年にわたるDBシリーズの伝統、そして世界初のスーパーツアラーにふさわしいプロポーションを実現。フロントまわりはラジエータ開口部とスプリッターの形状を変更することでよりたくましくなり、ノーズにはアストンマーティン・ウィング・バッヂを配している。新しい小型のフレームレスウィングミラーは、デザインを引き立てるとともに空力特性を向上。フロントエンドも一新し、ワイドなスタンスと筋肉質な面を持ち、存在感を高めている。

 インテリアも一新され、クリーンな水平ラインを強調し、新しい最先端のインフォテイメントシステムを現代的な背景として取り入れたほか、最高品質のフルレザーやアルカンターラのインテリアには新たなキルティングパターンが施されている。また、ドライバーを中心としたコックピットに焦点を当て、日常的なテクノロジーと高級なクラフトマンシップや素材をシームレスに融合させたデザインに仕上げている。

 次世代インフォテインメントは、アストンマーティンが設計・開発した完全オーダーメイドで、アストンマーティン初の自社製システム。Apple CarPlayとAndroid Autoをワイヤレスで利用でき、10.25インチの高解像度(1970×720)ディスプレイと反応時間30msの静電容量式タッチコントロールを使ったマルチスクリーンシステムを採用。システムは常時オンライン接続され、OTA(Over The Air)でアップデートされ、オーナーは新しいアストンマーティンアプリに登録することで、クルマとのシームレスな対話、制御、フィードバックが可能になる。

 オーディオは、アストンマーティン390W×11スピーカーオーディオシステムを標準装備。オプションでBowers&Wilkinsの15スピーカー、ダブルアンプ1170Wサラウンド・サウンド・システムも選択できる。

 なお、新型DB12はオーダーメイドに対応する「Q by Aston Martinパーソナライゼーション・サービス」を利用すれば、より自分好みのオンリーワンに仕上げることも可能となっている。

680PS/800NmのV8ツインターボ搭載

 搭載されるV型8気筒4.0リッターツインターボエンジンは、カムプロファイルの変更、圧縮比の最適化、大径ターボチャージャーの採用、冷却の強化などアストンマーティンのエンジニアによってチューニングされ、最高出力680PS/6000rpm、最大トルク800Nm/2750-6000rpmを発生。0-100km/h加速は3.5秒、最高速は325km/hを誇る。

 また、ハイパワー化にあわせて、既存の中央メインラジエータに2つの補助クーラーを追加したほか、従来の2倍以上の容量を持つオイルクーラーを採用。前面開口部を56%拡大したことで、より多くの空気がラジエータに流れ込み、ボンネット中央に設置されたベントから熱気を逃がすなど、熱気流の改善によって冷却性能がさらに向上しているという。

 組み合わされるトランスミッションは8速ATで、エレクトロニック・スタビリティ・コントロール(ESC)と連動する「電子制御リアディファレンシャル(E-Diff)」をDBシリーズで初採用。ファイナルギア比は3.083:1と従来よりショートにして、低速から中速のコーナーでは俊敏性と応答性を発揮し、高速コーナーでは的確なコントロール性能を付与してくれるという。

 タイヤはミシュラン・パイロットスポーツ5 S(サイズはフロント275/35 R21 103Y、リア315/30 R21 108Y)を初めてOEM採用。サイドウォールにはアストンマーティン専用設計の証となる「AML」マークが入る。ホイールは、フロント9.5J、リア10.5Jの21インチ鍛造アロイホイールを標準装備。標準のファイブスポーク、オプションのマルチスポーク、Yスポークの3種類のデザインから選択可能。また、最先端のシミュレーションを駆使して余分な質量を排除し、従来の20インチホイールよりも8kg軽量化されている。

 ドリルド(穴開き)ブレーキローターは鋳鉄製で、フロント400mm、リア360mmを標準装備。オプションで、最高800℃の高温にも耐えられるカーボン・セラミック・ブレーキ(CCB)を選択可能。標準のブレーキシステムと比較してバネ下重量を27kg削減するとしている。

 DB12は、ボディ全体のねじれ剛性を7%向上させた結果、サスペンション性能、アイソレーションが向上し、ステアリングフィールやドライバーとの一体感を改善。

 GT、スポーツ、スポーツ+、ウェットモード、インディビジュアルの5つのドライブモードがあり、センターコンソールのローレット・ロータリー・コントローラーで選択を行なう。「GTモード」ではラグジュアリーな乗り心地が保たれ、気品と俊敏性を兼ね備えたクルージングが楽しめる一方、「スポーツ」と「スポーツ+」モードでは、応答性が高まり、これまでになく厳しい道でも真価を発揮してくれるという。

 エレクトロニック・スタビリティ・プログラム(ESP)では、新たに搭載した6軸慣性計測ユニットから複雑な加速度センサーのデータを読み取り、クルマの動きをリアルタイムで把握できるほか、センターコンソールの「ESPボタン」で4つのモード(ウェット、オン、トラック、オフ)を選択できる。

 アストンマーティンの最高経営責任者であるアメデオ・フェリーサ氏は、新型DB12について、「アストンマーティンほどの歴史を持つブランドであれば、過去に敬意を払うことは重要です。振り返るのではなく、110年前に創業者たちを突き動かしたのと同じエネルギーと情熱で突き進むことが大切です。新しいDB12によって、私たちはDBモデルラインを再活性化し、アストンマーティンが真に優れたパフォーマンス・スポーツカーのメーカーであることを再確認します。クラスをリードするパフォーマンスと卓越したシャシーダイナミクスを、最先端のテクノロジー、非の打ち所のないクラフトマンシップ、完璧なデザインと組み合わせることで、DB12はアストンマーティンを卓越した新時代へと導いていきます」と述べている。

 また、アストンマーティン最高技術責任者のロベルト・フェデリ氏は、「DB12は、パフォーマンス、ダイナミクス、エンジニアリング、テクノロジーにおけるリーダーとしてのアストンマーティンの地位を主張するステートメントカーです。私たちは、このクルマのあらゆる面をクラス最高のものにするために追い込んできました。その結果、ライバルを凌駕するパワーとパフォーマンスを実現しました。卓越したハンドリングとエキサイティングなサウンドトラックと相まって、このクルマは情熱と真にスポーティなキャラクターを持つクルマとなりました。しかも、その性能の高さゆえに、洗練された快適性や豪華さを両立しています。業界をリードするダイナミックコントロールとインフォテインメントシステムの採用とともに、DB12はアストンマーティンの最もエキサイティングな新時代の幕開けとなるのです」とコメントしている。

Aston Martin DB12 | The World's First Super Tourer(33秒)